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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その18 SOTA と 私(VK3ARRさんの楽しみ方)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

皆様、こんにちは、春が来ました。あと半月もすると関東では桜の花も散り、清々しい青葉の広がる季節です。今回はSOTA日本支部の設立に関し大きく貢献していただいたVK(オーストラリア)のMr. Andrew Ryan(VK3ARR)を紹介したいと思います。Andrewは、当時日本への出張の機会が多く、何とかこの日本においてもSOTAを導入したいと考えてきた人で、いわばSOTA日本支部の生みの親です。日本の国土地理院が発行しているGISマップ(電子地図)をベースに、日本をサーチしSOTAの基準を満たしているサミットをピックアップしていただきました。今回はそんなAndrewのSOTAの楽しみ方、思いを語っていただきましょう。

SOTAと私

VK3ARR、JI1GBE  Andrew Ryan

私は2013年にようやくアマチュア無線のライセンスを取得しましたが、開局当時は単にいろんなバンドを聞いているだけで、初めてのQSOをすることがとても怖かったのです。そんなある日、私はある人が山の上でみんなからコールを求めているのを聞きつけました。恐る恐る自分からもコールし、レポート交換をしてSOTAの初めてのチェイサーポイントを得ることができました。その後は自ら山に登って初めてアクティベーターとして運用するまで、数か月も掛からなかったと思います。それまでの間、山岳移動局をかたっぱしから呼びまくり、異国の山の名前を見つけ、遠くから届くその電波を追い続けました。

私が初めてSOTAの山岳移動局として山に登って運用した時は2013年の12月でフィンランドの局と交信できました。これは私にとって初めてのDX局とのQSOです。完全にはまりました。家族旅行の計画には必ず山に登って運用する計画も入れました。そして2014年に妻とイギリス旅行をした時にも無線機を持って行き、アクティベーションを行いました。湖水地方やコーンウォール(南西部)、ウェールズからスコットランドまで、いろんな山々からQRVしました。高得点は得られませんでしたが、新しい支部の山からQRVをすることができました。

オーストラリアの中の他の支部からもアクティベートすることで、マウンテンエクスプローラーアワード(山岳賞)のブロンズ賞にあたる、5つの支部からのアクティベーションを達成することができました。SOTAは決して競争ではないのですが、このことでオーストラリアでの上位得点者になることができました。そして日本のようにSOTAの支部が存在していなかった国においては、その国に住んでいるToru Kawauchi JH0CJHやWarren Harris ZL2AJとともにSOTAの規定を満たす山を見つける協力をし、SOTAプログラムに引き込んでいきました。そしてついに4つの日本の支部と2つのニュージーランドの支部を設立することができました。アメリカやオーストラリアの周辺国からもQRVすることができました。


On Mount Eden (ZL1/AK-023)

今、私は5大陸、25カ所のSOTA支部から山岳移動を行いQRVができています。私は初めて訪れる支部の山から運用する時は、必ずその場所に住む人にコンタクトをしていろんな情報を集めています。毎回、必ず誰かがとても親切に私が計画している山岳に関しての多くの情報を教えてくれます。ある時は「最高の山だぜ、絶対行くべきだよ。」というものから、また別の時には、「いやいや、簡単そうな山だけど、登山道が草木に完全に覆われ、帰ってくることができないよ。」というものもありました。他にも自分を車に乗せて一緒に同行してくれることもありました。友情とおもてなし、すべての人々が快く受け入れてくれ、情報を共有し、対処すべきアドバイスをくれる、これこそ私がSOTAで一番好きなところなのです。これからは私がそれらの人々をあたたかく迎え入れて、オーストラリアのいろんな場所で恩返しをしていこうと思います。


On Vrouwenheide (PA/PA-004)

12月のはじめに私は韓国に向かい、いつものように韓国の支部長のJason Vlasak HL4ZFAに会い、山岳移動を行いました。そしてそのあとはいつものビールとフライドチキンで乾杯です。私たちと以前同行したことのある仕事の同僚もアマチュア無線のライセンスをすでに取得しSOTAのアクティベーションに参加することもできました。また前回の韓国出張においてはソウルに向かう飛行機の中で隣に座った人がQST誌を読んでいるところを見つけ、自己紹介をしたところ過去何度もQSOしていたことが判り、SOTA運用を通じ多くの友人と深く知り合うことができました。


Seoul from Yongmasan (HL/SL-004)

すべての支部はいろんな点で異なっています。日本やオーストラリアもそうですが、一つの国の中に複数の支部があるところも同様にいろんな違いがあります。私はその光景の違いや動植物の違いを見つけることを楽しんでいます。福岡の近くの山頂では私が運用している場所であっという間にクモの巣を張る様子を見ることができ素晴らしかったです。イギリス湖水地方では、とても寒く雪の積もったSkiddawの山頂から見たDerwent water湖とケズウィックの街が息をのむほど美しい光景で、周りのイギリスの人達と話し続けました。韓国の600mの山でも信じられないほどの急な崖が海面レベルまで続いていたり、そうかと思うとオーストラリアの標高1000mの山でも車で山頂まで行けたり、いろんなところがあります。

また数百kmも車で行かなくてはならない山が1ポイントしか得られないけれど、とんでもなく美しい光景を見ることができたり、また逆に10ポイントの山に数マイルかけて登ったところ周りの木で景色が全く見えなかったり。またニュージーランドの標高700mくらいの山では凍えるような気温であっても、太陽活動低迷期であるにも関わらず、ドイツ、ブラジル、イタリアとQSOできてホクホクになったり。SOTAがきっとあなたを外に連れ出して、アクティブにすることは間違いありません。そして山頂から発した信号はまるで南極までが可視範囲であるかのように飛んでいくように感じることができるでしょう。

あなたなら旅行とSOTAをどうやって組み合わせますか? まず最初のステップはあなたの無線機を次の旅行に連れて行くことです。そしてあなたがその国のライセンスや相互運用協定などを確認しておくことも必要です。詳細に確認すべきです。旅行者には移動運用を禁じているところもあります。もし可能であることが確認できれば持っていきましょう。


Reckon you can work this one out

そこで運用が可能であることが判ったら、どの山がSOTA対象なのか確認しましょう。すでにだれかが運用した山であったり、山頂までの登山道がGoogle Mapなどで分かる山を選ぶことはとても安心です。誰かが既に行っている、またそれも最近誰かが行っているのであれば、リスクを大幅に減らし、山岳移動運用の失敗を避けられるでしょう。

その山岳移動の過去の歴史を調べてハンディ機だけの運用が可能なのか、HFでの運用も必要なのか。 山頂の近くで可視できるところに人がほとんど住んでいないところもあります。


Making a 2m S2S from ZL3/MB-096 Altimarloch on first day of ZL3 association

目的地のSOTAの支部長にコンタクトしてみましょう。自分の計画に対しての彼らのアドバイスをもらったり、もっといい場所がないのかなども確認してみましょう。もし彼らが協力を申し出てくれたり、一緒に行く計画を立ててくれたり、地元のSOTA愛好者との宴会を計画してくれたら、もちろん従いましょう!


Mount Buller VK3/VE-008

天気予報もチェックしましょう。日の出、日の入りの時間も考えたほうがいいです。見知らぬ国で5時間も暗闇を歩くのは考えたくないですよね。

自分の旅行の目的も理解しておきましょう。仕事、ホリディ、その他、そしてSOTAでの山行が可能なのか。私は仕事の出張では空港に向かう途中で運用したこともあります。それが唯一の自由時間だったりします。車の助手席で座っている妻の横で運用したこともあります。おそらく、もう二度と旅行に無線機を持ってこないように祈っていたかもしれません。

自分が思うよりも時差ボケが進んでいたり、脱水状態になっていることも覚えておきましょう、

そして一番大切なことは「山」と「アマチュア無線」の素晴らしい出会いを楽しむことです。

原文 SOTA for me
(訳 JH0CJH 川内)

いかがでしたでしょうか?私はAndrewの話の中、全体に流れているものは「出会い」なのだろうなと思いました。Andrewのアマチュア無線との出会い、山岳移動局との出会い、そして日本を始め多くの国、地域で地元の人々と触れ合う姿が素晴らしいですね。いろんな場所で全く違う光景、動植物にもとても興味を持って接しています。山と無線の出会いこれも大切な出会いの一つですね。暖かく青葉のまぶしい季節になりました。ぜひ皆さんもSOTAを始めてみませんか?

SOTA日本支部では常時メーリングリストの申し込みを受け付けております。私宛、コールサイン@jarl.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。

JH0CJH 川内 徹

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