2015年2月号

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JR2KDN 吉田雄一さん


St. Barthにて(2008年)

金沢に住んでいた高校1年生の時、お兄さんの影響でアマチュア無線のライセンスを取得した吉田さんはJA9MRYを開局、当初は2mFMのモービル機でローカルラグチューを楽しんでいた。

その後就職のために名古屋に転居し、結婚を機にコールサインもJR2KDNに変更した。その頃の吉田さんは国内QSOに精を出し、HFからUHFまでアクティブにオンエアして、アワードハンティングなどを楽しんでいた。中でもよみうり全日本1万局賞の受賞を目標に掲げ、2500局のC賞、5000局のB賞、7500局のA賞を順次獲得して、いよいよ10000局の本賞が射程圏内に入ってきた。

その頃、吉田さんは頭打ちになってきた7MHzでのQSO数を増やすため、20m高の自立タワーに、7MHz用3エレメント八木を設置した。しかし、このアンテナを使い出すと、それまではあまり聞こえなかった海外局が強力に入感する様になり、59を送ると59が返ってきた。国内QSOを強化するために設置したアンテナが、結果的に海外とのQSOを容易にしてしまったのである。これがきっかけとなり、その後は海外QSOが主体となって行った。

そうなると、よみうり全日本1万局賞ではなく、DXCCとよみうり世界1万局賞が目標となった。結果的に、吉田さんは2007年12月によみうり世界1万局賞の審査に合格(No.75)し、2013年12月の授賞式で本賞を授与されたが、よみうり全日本1万局賞の方はいまだA賞で止まったままである。

アマチュア無線をやってきてよかったことは、「日本中はもちろん、世界中にも友人ができたことです」、と吉田さんは話す。「海外旅行に行く際も、先に連絡を取っておけば歓待してくれますし、時には地元のハムを集めたミーティングまでしてくれます。一般の旅行者ではこんなことはありえません」と話す。もちろん国内でも同様である。

1997年、友人からベトナムから一緒に運用しませんかとの誘いを受けた吉田さんはチームに加わり、ベトナムでIOTAのブランドニュー(AS-130)となるCon Dao島から5名で運用した。その際、吉田さんは3W5KDNのコールサインを使用し、5581QSOを行っている。これが始めての海外運用となり、その後2008年まで、ほぼ毎年のように海外から運用を行った。

その中でも特に印象に残っているのは、2003年のデューシー島(VP6DIAを主催、F VE W DL JA VP6の計10人で運用)と、2008年のセントバース島(F6EXVと2人でTO5FJを運用)で、その理由は、「どちらもDXCCのニューエンティティとなった運用のその次に続く運用だったからです」と話す。さらにもう1箇所、2004年にアイスランドのTF4Mの別宅シャックから、オーロラを楽しみながら運用したJR2KDN/TFを挙げる。


1997年、ベトナムから3W5KDNを運用


2000年に北クック諸島ペンリン島のZK1WLからZK1NDKを運用
2001年も同じ場所からZK1KDNを2週間運用


吉田さんの海外運用実績

2001年、ARRLはDXCCチャレンジプログラムをスタートした。これは1.9~50MHzの各バンドで獲得したDXCCの合計エンティティ数を競うプログラムである。DXCCに興味を持って以来、オールバンドでDXCCを追いかけていた吉田さんは、それまで申請を行っていなかったバンドのQSLカードを揃えてそろえてARRLに申請を行った。

受賞者リストが発表されると、吉田さんはJA局では1番ではなかった。ここから吉田さんはDXCCチャレンジに集中する。自らのワッチとネットからの情報収集でターゲットを絞り、寝る前にはアンテナをターゲットに向け、リグはターゲットが出てきそうな周波数合わせてから睡眠するなど徹底した。仕事も自宅から近い職場を選んだ。これによってターゲットが出ていれば昼休みも自宅に帰ってくることができた。


2015年1月現在使用中のアンテナ群

徹底した努力の結果、まもなくDXCCチャレンジはJA 1位となった。2008年にはJA局として初めて3000ポイントをオーバーし、#3000メダルを手にした。さらにその後も休むことなく着々とポイントを重ね、2014年末時点では3111ポイントでJA 1位を維持している。


#3000メダルが添付されたDXCCチャレンジ盾

最近は、海外局のQSLマネージャーも引き受けているが、その理由として、「QSLカードの請求が来ると、ログがシャックにある関係でシャックに入る、シャックに入ればQSLカードの発行だけでなく運用も行う。そうすることでアクティビティが下がらないのです」と吉田さんは説明する。

このコーナーでは、アマチュア無線の様々な楽しみ方に挑戦するハム(アマチュア無線家)を紹介します。
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