2015年4月号

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JH6WHN 原田靖彦さん


原田さんと、長男の翼輝(つばき)君

福岡県朝倉市から28MHzを中心にアクティブにオンエアしている原田さん。アマチュア無線を始めたきっかけは、中学1年のときにお兄さんが開局したことだった。当時の原田さんは、エンジン付きの飛行機をワイヤーでコントロールするUコンに熱中していたが、アマチュア無線なら雨の日でも遊べることから、たまたま同じ時期に無線に興味を持った同級生と一緒に、中学2年生の5月に電話級(現在の第4級)アマチュア無線技士の国家試験を受験、見事合格して同1975年11月に開局した。

開局当初は21MHzを運用したが、翌1976年の春からは28MHzの運用を始めた。当時はちょうどサンスポットサイクル20と21の谷間で、いわゆるボトムの時期であったが、5月に米国のW7SGNとQSOできてびっくりした。これはマルチホップのEs伝播であったことに後年気づいたという。

高校2年生だった1978年には、2学期の期末試験中にも関わらず12月のARRL10mコンテストに参加し、ロングパス伝播で、カリブ海プエルトリコのKP4RF(現NP4A)、およびスリナムのJA1PIG/PZとQSOができた。当時はサイクル21の上昇期で、コンディションはワールドワイドにオープンし、朝10時(JST)頃から、カリブ海方面はショートパス伝播から完全にロングパス伝播に変わり、夕方頃までずっと聞こえていたという。「10mにはまってしまったのは、これらの奇妙なパスに取りつかれたようなものでしょう」と話す。

高校卒業後は、転勤のある仕事に就いたため、転勤先から、その場その場で楽しめる様にバンドを選択して楽しんだ。たとえば、1990年当時は奄美大島の名瀬市にいた。当時はサイクル22の最盛期で、宿舎からベランダアンテナでオンエアしていたが、さすがにベランダアンテナで50MHzのDXは無理だろうと、よく海辺に移動運用をしていた。

1990年10月17日、たまたまその日は、エレキーの電池が切れため、SSBでCQを出したところ、アフリカ西海岸にあるシエラレオネの9L1USから応答され、これがJA-9Lの50MHzでのファーストエバーQSOとなった。使用したのはIC-726と50Wリニア、アンテナは7m長のポールに設置した6エレ八木だった。さらに50MHzでは翌1991年4月には南アフリカと、さらに1992年3月にはタンザニアと、ベランダに設置したワイヤーアンテナでQSOができ、本土とのコンディションの違いを実感したという。原田さんは名瀬市以外にも、転勤先となった種子島の西之表市、熊本県の人吉市、同菊池郡、佐賀県神埼郡からオンエアした。

原田さんが、もっとも好きなバンドは、開局後から一貫して28MHzで、これまでに行った総QSO数の2/3は28MHzとなっている。コンテストには28MHzのローパワー部門でのJAレコード更新を目標にアンテナシステムを検討して参加してきた。そして前サイクル23の時にスタック化の実験等を行った。この時は成果が上がらなかったが、今サイクル24に向けて、スタックで運用実績のある人からの意見を複数聞いて参考にし、整合/切替器にはWX0BのSATACK MATCHを導入した。サイクル24では、最終的に5エレ八木を間隔7.5mで2段スタックにし、さらにZL向けの2エレ八木も加えて、コンテストに参加した。


サイクル24で活躍した28MHz5エレ八木(CL10)の2段スタック (2014年12月)

この成果として、JIDX-SSB、JIDX-CW、CQWW-RTTY、CQWPX-RTTYの各コンテストでJAレコードを更新できた。それでも、歴史のあるCQWW(SSB&CW)とCQWPX(SSB&CW)ではレコード更新が叶わず、これらは次のサイクル25の目標になろうとしている。


2013年のJIDXコンテストCWにて、28MHzローパワー部門のレコードを更新して獲得したアイコム杯

原田さんは、過去のサンスポットサイクルを研究した結果、サイクル24は2014年でトップシーズンが終わったと判断し、下降していくコンディションに備えてアンテナをオールバンド対応に変更した。これに伴い、DXCCは28MHzを中心としながらも、オールバンドで追いかける体制が整った。さっそくその成果として2015年3月にはDXCC未交信エンティティ数が一桁となり、LoTWでのコンファーム数も300エンティティを超えた。


2015年3月現在の原田さんのアンテナ群

アマチュア無線をやってきて良かったこととして、原田さんは、「色々な職業、年齢の人と知り合いになれる事で、学校では教えてくれない社会の仕組みや人生についても先輩方が教えてくれ、学んだと最近特に感じています。これからは30歳以下のアマチュア無線家が増え、私たちから若い人たちに色々と伝えられたら楽しいと思います」、「若い人たちが入ってきてくれないと、どんどん交信相手が減り、寂しくなってしまいますから」、と話す。

また、「最近、自宅周辺ではローカルノイズが年々ひどくなってきており、100W運用でもノイズに埋もれる局が結構呼んできます。そのためノイズの無いところでコンテスト運用を行ってみたいです。また、160mの運用や経済的に余裕があればEMEもやってみたいです」、と将来の抱負を話す。

このコーナーでは、アマチュア無線の様々な楽しみ方に挑戦するハム(アマチュア無線家)を紹介します。
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