2014年11月号

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JA3PIU 岩橋一義さん

和歌山県日高町で生まれた岩橋さん。中学生なると科学部に所属し太陽黒点の観測などに熱中していたが、中学3年のある日、顧問の先生から勧められ、県内で開催された電話級の養成課程講習会を受講し、アマチュア無線のライセンスを取得した。

1968年2月、JA3PIUの免許を受け、50MHzのAMで開局したが、和歌山県からは大阪方向に山があるため簡単には電波が届かず、当初の交信相手は、海を挟んだ徳島県の局ばかりだった。そんなこともあって、岩橋さんは、HF帯の送受信機を自作した。HFであれば、電波が全国に飛んでいくため夢中になった。そして高校2年になるとライセンスを電話級、第2級とアップグレードしていった。

高校卒業後は大阪の大学に進学したため、大阪府内のアパート住まいとなったが、許可を得てアパートの屋上にトライバンド八木やワイヤーダイポールなどを設置し、局免許も50Wにアップグレードして日々交信を楽しんだ。さらに学校でも社団局JA3YKMに所属し、フィールードデーコンテストなどでは、他の部員と一緒に3000m級の山に担ぎ上げしてコンテストに参加していた。ただ、この頃の岩橋さんは、運用そのものより設備を触っていることの方が多かったという。


学生時代にアルバイトで購入した機器は現在も所有

大学卒業後は、就職して忙しくなり、それに加えて職種柄出張も多く、運用する時間が取れなくなっていった。ただ北九州市に1年間の長期出張した時などは、地元で機器を購入して移動運用を行ったりしていたが、その後、結婚や子育てなどでだんだんと無線から遠ざかっていったという。

1988年頃、吹田市内の無線をできる環境に引っ越したことがきっかけとなり、IC-780を購入して復活した。またVUHF機も順次揃え、移動運用もできるようになった。しかし、岩橋さんの一番の興味はTCP/IPとなり、まだインターネットが一般には知られていなかった時代に、アマチュア無線を利用してデータを自動転送するといった、いわゆるバケツリレーを行っていた。

岩橋さんは、市販のTNCでは伝送スピードが遅いので、友人の設計した9600bpsのモデムを使用し、マイクからの変調入力で9600bpsの免許を受けて使っていた。また他局からのTNCの製作依頼にも対応していたため、この頃はマイクを握っている時間よりハンダごてを握っている時間の方が圧倒的に多かったという。その後ISDNが普及してきたことにより、データ転送はISDNを使うようになり、これをインターネットが普及するまで継続した。

その後、岩橋さんは同じ吹田市内での引越しに伴いSSBにカムバックしたが、当時はシャック専用の部屋を持てず、無線機などは長女の部屋に置かせてもらい、運用するときだけリビングに出してきて、アンテナもベランダに仮設し、JARL主催コンテストへの参加程度の運用が続いた。また、時には近くの摂津市などに移動運用に出かけて主に50MHzを運用した。


移動用のIC-703(専用リュックLC-156に収納)と、最近購入したIC-9100M

そして子供たちの独立に伴い、常時運用ができる環境を求めて、アンテナが設置できるバルコニー付きのマンションを探し始めた。そして、本年5月に現在のマンションへ引っ越し、長年の夢が叶ってシャック専用の部屋を持つことができた。もちろんバルコニーを利用してアンテナも建て、遂に常時運用できる環境を手に入れた。


50MHzの4エレHB9CV(手動上下可)と、VUHF3バンドGP


7~21MHz用磁界型ループ(左)と、受信用のディスコーン(右)
補助電源としてソーラーパネルも設置

岩橋さんは、アマチュア無線をやってきて良かったのは、世代を超えて知らない人と知り合えたことだという。特にパケット通信をやっていた頃は、自分が最年長だったことから仲間は若いハムが多く、「趣味を同じにする若い世代と知り合うことができたことが良かったです」、と話す。


主力はIC-7800とIC-7700で、すべてのリグ(旧機種はCT-17経由)を
RS-BA1とRC-28でコントロールし運用している。

岩橋さんの現在の目標は、まずは交信数を増やすことで、当面の目標を1万局交信としている。岩橋さんは自分で構築したログソフトを使用しており、それによると1万局まであと3千余局との交信が必要という。次にD-STARの活用を目標に挙げる。現在DVモードに出られる機器として固定機、モービル機、ハンディ機を所有しているが、まだあまり活用できていない。最後は、「1アマ免許を活かすべく、将来は1kWのハイパワー免許を取得して運用するのが夢です」、と抱負を話す。

このコーナーでは、アマチュア無線の様々な楽しみ方に挑戦するハム(アマチュア無線家)を紹介します。
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