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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その108 登山にチャレンジ-7

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

2026年10月15日掲載

今年度のテーマとして「登山にチャレンジ」というテーマで、これから登山を始めてみようという方のために、安全管理や楽しく山に登るための初歩的な内容を記事として投稿しています。登山ガイド、国際マウンテンリーダーの資格を持つ筆者の知見をもとに、いくつかのテーマに分けて掲載してみたいと思います。

登山はとても楽しいスポーツ、レジャー、リクリエーション活動です。しかし一歩間違うと直接「死」に直面する面もあります。これら登山の危険な面をあらかじめ知っておくことで、その対策にもなり、また実際にその危険に立ち向かったときの対処の参考ともなりますので、あらためて体系立ててまとめてみたいと思います。単に漠然と登山は危険という認識では何も役立たず、登山という楽しさを体験できませんので、具体的にどんな危険があるのか、そしてそこから危険を避ける判断につなげていただけたらと思います。

低体温症・凍傷

9月は雨の日が続き、なかなか山に行くことができず、不満に思っていた方も多かったのではないでしょうか。それに反して、10月に入ると晴天が続いている地方も多いようです。

この時期に特に注意が必要なのが低体温症と凍傷です。「え? それは冬の季節ではないの?」と思う方も多いと思いますが、実は低体温症は冬だけに起きるものではありません。真夏でも起こることがあります。どの季節に多いかは、その季節に登山をする人の数にも関係していると思いますが、私自身は、一番注意が必要なのは秋ではないかと思っています。

秋は、まだ下界では暑い日や暖かい日も多くあります。しかし、山の中はすでに真冬のような環境になっていることがあります。下界と山では、全く季節が違うことになかなか気が付かない人も多いのです。先週、北アルプスを歩いてきましたが、幸い暖かい日だったからよかったものの、半袖、半ズボンにタイツという服装の登山者を多く見かけました。

数年前、南アルプスに行った際にも、前日は夏のようにとても暑い天候だったのですが、翌日は朝から冷たい雨になったことがありました。そのときも、何人もの登山者が半袖、半ズボンで来ており、途中で引き返している様子を見かけました。

このように、日による寒暖差、そして場所による寒暖差がとても大きいのが秋だと思っています。冬山に行く場合は、それなりの準備をして出かけます。しかし、この季節は、油断や勘違い、あるいはもともとの知識不足から、十分な服装の準備ができていない場合が多いことが問題だと思います。


低体温症は、山岳遭難の死因としても非常に多く、とても危険なリスクです。原因としては、長時間にわたって風雨や雪にさらされることで、身体の深部まで体温が低下してしまうことが挙げられます。体温が低下すると、脳や内臓にも機能障害が起こり、最悪の場合は死に至ります。

症状としては、寒気、震え、行動が鈍くなるといったものがあり、顔色や唇の色の変化などからも分かります。しかし、本人はなかなか自分の異常に気づきにくいこともあり、気づいたときには手遅れになる場合もあります。過去にも多くの遭難事例が報告されています。

対策として重要なのは、防寒なのですが、それ以上に身体を濡らさないことです。身体が濡れてしまうと、体感温度は急激に低下します。水は空気よりも熱伝導率が20倍以上あり、さらに水分が蒸発するときの気化熱によって体温が奪われます。そのため、雨や風を避けるための防水性のある雨具や、防寒着を身に着けることが必要です。

しかし、単に厚着をすればよいというものでもありません。自分の汗が原因となって低体温症になることもあるためです。まずは、汗をかかないペースで行動することが大切です。また、汗を吸い取り、外へ放出するアンダーレイヤーも重要になります。

また、手、足、顔、耳など、身体の末端部分からは体温が失われていきます。特に防寒という意味では、手袋が大切です。手袋は、一つだけでは十分ではありません。風で飛ばされてしまうこともあります。このような場合に備えて、私は必ず予備の手袋を持参するようにしています。

このように十分な対策を取っていても、低体温症になってしまうことがあります。そのような場合には、暖かい飲み物を取ることで、身体を内側から温めることも効果があります。

さらに、お湯をプラティパスのような耐熱性のあるプラスチック容器に入れ、ホットパック(湯たんぽ)のように使う方法も、とても効果があります。プラティパスは本来、水を運ぶための容器ですが、90℃までのお湯を入れることができます。私自身も、この方法を実際に使い、そのホットパックの効果を体感した経験があります。また、濡れた服を着替えるための予備の衣類や、直接風雨をしのぐためのツェルトも、必ず持参するようにしましょう。

SOTA日本支部ではSlackを使ったコミュニティプラットフォームがあります。すでに100人以上のSOTA愛好家の方々が参加されています。このコミュニティに新たに参加をご希望の方は私宛のメール、ja1ctvアットマークjarl.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。登録案内を送らせていただきます。

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