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楽しいエレクトロニクス工作

第45回 CI-Vターミナル

JA3FMP 櫻井紀佳

アイコムの無線機はリモートコントロールソフト・RS-BA1を使うと遠隔地からコントロールすることができます。


RS-BA1のコントロール画面

最近発売の無線機はコントロールするパソコン(サーバーPC)とUSBやLANで接続ができますが、従来の無線機ではCI-Vでの接続となるため、CI-Vの信号とパソコン側の信号のレベルを合わせるレベルコンバーター・CT-17(アイコムの純正オプション)が必要です。CT-17はCI-V回線とRS-232Cとのインターフェイスとなっています。

CT-17は設計された時期が少し古いこともあって、RS-232Cのコネクターが当時標準の25ピンのものが付いています。現在ほぼ標準となっている9ピンのD-subコネクターを使うためには25P-9P変換コネクターが必要となりますが、市販の変換コネクターは結構な値段がします。

そこでCT-17の代わりに9ピンのRS-232Cのコネクターに合うレベルコンバーターを考えてみました。また最近のパソコンにはRS-232Cの出力端子を持つものは少ないため、市販のUSB-RS-232C変換ケーブルを使うことにしました。このようにすることで無線機側のCI-VのジャックとパソコンのUSBコネクターとをこの回路を通して接続することができます。

このターミナルの回路は基本的にCT-17と同じですが、作りやすく安価なことを目標にしました。その回路は次の通りです。

RS-232CのインターフェイスIC(IC1)にはMAX232を使用しました。接続するCI-Vは5V系にマッチングするようになっているので使用するICも5V系のものが必要ですが、MAX232以外でも他のメーカーのものも使用できます。

RS-232Cの動作レベルはLレベルが-3V~-25V、Hレベルが+3V~+25Vなのでそのレベルの電圧が必要です。MAX232のスイッチング動作でコンデンサーC4~C7をスイッチして必要な±の電圧を作りRS-232Cレベルを保っています。

回路中のL1、L2、C1は無線機の高周波出力が回り込み誤動作を起こさないようRF信号を阻止しています。CT-17はCI-Vの端子を4つ持っていますが今回はあまり拡張性を考えず2つにしました。また、ユニットの組み立てはプリント基板だけにして特にケースには入れないことにしました。

IC周辺のコンデンサーは手持ちのあったタンタルコンデンサーを使いましたが電解コンデンサーでも問題なく使えます。RS-232C用のコネクターはピンのピッチがプリント基板の穴位置に合わず、仕方なしに無理やり穴をあけて取り付けています。CI-V用のジャックは手元に基板取付用のものがなかったため、アルミ板で取付アングルを作って取り付けました。

CI-Vについて整理してみます。このCI-Vは無線機をコンピューターでコントロールしようとする趣旨でスタートしました。まだ今のパソコン程の性能や機能がないマイコンと呼ばれるコンピューターが主流であった時期に開発され、コンピューターコンパチブルのうたい文句で進められました。

その後開発される無線機にも対応するように、それぞれの機器に個別のアドレスが割り振られ、一台のパソコンで複数の機器をリモートコントロールできるようにしています。全体的な構成は次のようになっています。

接続される無線機のアドレスは下表のように割り振られています。今回CT-17を対象に考えましたので従来機ばかりですが、新しい機種は、USBケーブルだけで接続できる機種もあり、これらはRS-BA1の取説に従ってください。なお、IC-7300等の新しい機種も後面パネルにCI-V端子のジャックがついています。


(ご注意) 上記一覧表には、RS-BA1がサポートしていない機種も含まれます。
その場合、RS-BA1から操作できる機能に制限を受けることがあります。

CI-Vの信号の伝送方式はNRZ(Non Return Zero)方式で通常Hの状態からLのスタートビットで始まり、Hのストップビットで1ブロック送ります。信号の構成は次の左図のようになっておりパケット交換を行います。無線機内部のインターフェイスは右図のような構成で信号は送受双方向1本の線で行います。

また、メッセージのフォーマットは次のようになっており、将来的なことも考慮されているため現在でも使用に耐える構成になっています。

今回のインターフェイスユニットは、パソコンとの接続にUSB-RS-232C変換ケーブルを使用しますが、これはインターネットの通販でも多く販売されていますので、手に入れやすいと思います。数百円の安いものもありますが、そのドライバーが新しいWindowsのバージョンに対応しておらず、結局使えないケースもありますので購入時にはご注意ください。


USB-RS232C変換ケーブルの例

ここまで段取りできれば後はリモートコントロールソフトRS-BA1を手に入れ、その取説に従って遠隔操作を楽しんでみてください。(ご注意: 遠隔地よりリモート操作する無線機で送信を行う場合は、免許の変更申請が必要です)


RS-BA1のパッケージ外観

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