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FB Girlsが行く!!

<第24話> 1200MHz帯にも初オンエア!! Masacoとあーちゃんの移動運用 (千葉県袖ケ浦市)

月刊FBニュース編集部

6月のある日、取材先から帰る電車の中で、Masacoさんとあーちゃんがおしゃべりをしています。

Masacoさん(以下M):あ~、また移動運用に行きたいなあ。

あーちゃん(以下あ):あれ…Masacoさん、4月に三重県で運用したじゃないですか?

M:うん! あの時は山…というか高原だったから、今度は海が見える場所で電波を出したいの。遠くの島や、大きな橋が見えるところで交信して、休憩時間は行き交う船を見てボーとしてみたいなあ~。

あ:もしかしてお疲れですか? じゃあ、Masacoさんの希望に合うような場所を探しますよ。

10日後、あーちゃんが自慢の情報ネットワーク(?)を駆使して探し出したのが、今回「FB Girls Radio Club」(JL3ZGL)が移動運用を行う場所、千葉県袖ケ浦市の「袖ケ浦海浜公園」です。

この公園は、房総半島中央部で東京湾に面した「内房(うちぼう)」というエリア。千葉県と神奈川県を、海を跨いで繋ぐ全長15kmの有料道路「東京湾アクアライン」が近くにあり、大きな道路橋と東京湾の向こう側に見える川崎市から三浦半島にかけての景色がとても美しいのです。兵庫県で雄大な明石海峡大橋を見て育ったMasacoさんにとっては、どこか“懐かしさ”と“心地よさ”を感じてもらえるのでは…ということで、あーちゃんイチオシの場所でした。と・こ・ろ・が…

残念! 雨の中での移動運用に…

あ:朝から本気の雨じゃんー!!! もしかして私、呪われてる??

この移動運用を行った6月29日(土曜日)、関東地方は梅雨真っ盛り。2人を乗せたレンタカーは、上空に梅雨前線が停滞している房総半島に近づくにつれて天気が悪化し、袖ケ浦海浜公園に着いたときには雨脚が強くなってきました…。東京湾の対岸の景色はもちろん、すぐ近くに見えるはずの東京湾アクアラインも雨に霞んでまったく見えません。


午前10時過ぎ、到着直後に撮影した袖ケ浦海浜公園。東京湾も雨で霞んでいます


平成16年に全面オープンした袖ケ浦海浜公園。約8ヘクタールの広い園内は芝生広場やピクニック広場、展望塔などがあります。今年9月には「氣志團万博2019」の会場にもなります。詳しくは指定管理者のホームページ http://sodegaura-kaihinkoen.com/

M:この雨の降り方、去年3月の茨城県行方市の移動運用を思い出すわ~。あのときは寒くてみぞれが降って大変だったけれど。

あ:せっかくのお勧めスポットなのに、残念です…。とにかく雨がひどくならないうちに、セッティングをしちゃいましょう!

というわけで、Masacoさん、あーちゃん、スタッフ、そして現地で合流した協力者のJQ1XLC 小松さんが手分けしてアンテナと無線機のセッティングを行いました。少しでも雨に濡れる時間を少なくするため、みんな懸命です。(なので写真がありません!)。

あ:Masacoさん、伸縮ポールをそこに差してネジで固定してください! 誰か、車を動かしてタイヤベースを踏んでくださーい!

M:トランクから出した無線機を濡らしたくないから、誰か後ろの席で受け取って~!

セッティングを始めて15分、なんとかアンテナが立ち、車内への無線機設置も終わりました。ちなみに今回の機材は、三重県の移動運用でも活躍したクラブ所有のIC-9700と、アンテナは伸縮ポールに取り付けた5m高の144/430/1200MHz帯の3バンドGP、電源は小松さんが用意した大容量のカーバッテリーと12V→13.8Vの昇圧コンバーターです。バッテリーにも余裕があるので144/430MHz帯は50W運用ができそうです。


4月にクラブの機材に加わった、アイコムのIC-9700を持って来ました


海沿いの駐車場にレンタカーを停めて、タイヤベースと伸縮ポールで3バンドGPを建てました


協力者の小松さんが持参した大型バッテリーと12V→13.8Vの昇圧コンバーターを使用。安心して50W運用ができました

あ:Masacoさん、準備がOKでしたら430MHz帯の空きチャンネルを探して、CQを出してみてください。

M:はーい! あれ…、あれあれ…、あらー?

あ:どうしました?

M:空きチャンネルが全然見つからないの! 全部埋まってるみたい…

東京湾を挟んで、神奈川から東京の湾岸エリアが全部見渡せる場所なので、電波的なロケーションは抜群! 土曜日ということもあってチャンネルは20kHz間隔でビッシリと埋まっていました。探すこと5~6分、やっと空いたサブチャンネルをキープして、MasacoさんがメインチャンネルでCQを出しました。時刻はちょうど10時30分です。


後部座席でオペレートを始めたMasacoさん。よく見ると苦手なフォネティックコードのカンペが立てかけられていました

M:CQ、CQ、CQ、こちらはJL3ZGLポータブル1。千葉県袖ケ浦市です。お聞きの方がいらっしゃいましたら432.94、432.94MHzで待機します。

そしてもう一度、432.94MHzで短いCQを出しました。ワクワクする瞬間です。

あ:さあ、来るかな、来るかな!?

「JL3ZGLポータブル1、こちらはJQ1…」
「JL3ZGL、こちらは…」
「あー、JL3ZGLポータブル1入感ありますか? 」

M:キター!!

空きチャンネルがなかなか見つからなかったほどのFBなロケーションだけあって、第一声から多数の局に呼んでもらえるパイルアップになりました。

最初のうちは、東京湾の対岸にあたる神奈川県横須賀市、三浦市、横浜市や、東京湾沿いの千葉県市川市や千葉市といった近場の、強力な信号の局との交信が多かったのですが、30分ぐらい経過した頃から、神奈川県高座郡、海老名市、千葉県我孫子市など、少しずつ遠くの局ともつながるようになりました。中には群馬県前橋市といった100km超えの局ともつながって大喜び。まずは順調なスタートを切ったようです。

今回、あーちゃんはMasacoさんのサポートに徹しました。空きチャンネルが見つかって交信が始まったら、すぐさまFB NEWSのFacebookで運用開始を告知。これが結構効果があって、しばらくすると交信相手局から「Facebookを見ました!」という声が次々に伝わってきました。もちろん「月刊FB NEWS、毎回見てます!」「Masacoさんのブログを拝見しています」という声もありましたよ。


あーちゃんが現地から月刊FBニュースのFacebookページで運用開始を告知

そのあーちゃんですが、Facebookの書き込みを終えても、スマートフォンの操作を止めません。助手席に座ったまま、呼んでくる局に聞き耳を立てながら、Masacoさんへ「JK1の局がいましたね」「“所沢市”と言った方に、もう一度呼んでもらってください」といったアドバイスを伝えながら、手と目はスマートフォンから離しません。

何をやっているのかな? と思って覗いてみたら、iPhoneで表計算アプリを立ち上げ、1局ずつの交信ログを取っていました。あーちゃん曰く「メインのログはMasacoさんの手書きですが、一応サブというか、バックアップのために記録しています」という答えが。鉄壁のサポートです!


後部座席で運用するMasacoさんを、助手席のあーちゃんが見守りながらサポート。よく見ると両手にスマホを持っています

サポートを受けながら、Masacoさんは快調に局数を重ねていきます。交信スタートから1時間が経過した11時30分の時点で28局、2時間が経過した12時30分の時点では52局と交信できました。13時になったところで食事休憩のため、しばらくマイクを置きました。

あ:Masacoさんお疲れ様でした!

M:すいぶん呼ばれたね~。ここまでで何局交信できたかな?

あ:えーっと(スマホを見ながら)、ちょうど70局です!

M:70局! メッチャいいペースね。お弁当食べたらまた頑張るぞ!

ちなみに、ここまでで最も遠くの局は170km離れた静岡県藤枝市。続いて160km離れた栃木県大田原市の局のようです。スタッフがそれを2人に伝えると、

M:藤枝市って、静岡市と浜松市の間ですよね? そんな遠くまで届いたんだ!

あ:もしかして噂に聞く富士山反射かしら、凄い凄い!

と、大喜びでした。


お弁当を食べて、再びマイクを持つMasacoさん

13時30分から430MHz帯で運用を再開。しかし午前中に比べると、呼んでくる局が少し減ってきた感じで、Masacoさんも何度か“CQ”を出して交信相手を探すシーンが見られるようになりました。そんなときMasacoさんが提案をしました。

M:はい、提案があります! この無線機(IC-9700)は1200MHz帯も電波が出ますよね? で、今日のアンテナも1200MHz帯に対応していますよね?

あ:ええっと、大丈夫です!

M:じゃあ一度、1200MHz帯でも電波を出してみたいなあ~。どれぐらい呼ばれるのか興味があるの。

あ:ナイスなアイデア! じゃあ1200もやってみましょう。

ということで、14時からは1200MHz帯のFMモードに切り替えました。3バンドGPからのびている同軸ケーブルを背面の1200MHz帯用アンテナ端子につなぎ直し、メインチャンネルの1295.00MHzとその前後を受信してみると、何局かの信号が聞こえました。

M:うーん、430MHz帯よりは空いてる感じかな?

あ:ですねえ。私もこのバンドは初めてです。

送信出力を1Wに低減してから、Masacoさんがメインチャンネルで短いCQを出しました。

M:CQ、CQ、CQ、こちらはJL3ZGLポータブル1。千葉県袖ケ浦市です。お聞きの方がいらっしゃいましたら1295.04、1295.04MHzで待機します!

そしてサブチャンネルの1295.04MHzでもう一度短いCQを出したら、一気に3局ぐらいから呼ばれました。その中で一番強かったのが…

相手局:「JL3ZGL/1、こちらは8J1ECL、東京都武蔵野市です」

M:えーっと8J1ECLで、よろしいですか、こちらはJL3ZGL/1。千葉県袖ケ浦市に59で入感しています、どうぞ!

相手局:「JL3ZGL/1、こちらは8J1ECL。コールサインはその通りです。信号は57で武蔵野市に入感しています。こちらは電気通信研究所70周年記念局、オペレーターは三木と申します…」

なんと、1200MHz帯の1局目はMasacoさんも「むせんのせかい」でお邪魔したことがある、NICT(独立行政法人 情報通信研究機構)の電波研クラブの皆さんが運営する記念局、8J1ECLでした。しかもオペレーターの三木さんの声には聞き覚えがあります。

M:8J1ECL、三木さん! 三木会長じゃないですか!! ビックリしました~!!

相手局:「いやあ、Masacoさん。このバンドでつながるとは驚きました」

そう、声の主はJARD(一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会)の会長で、電気通信大学名誉教授の三木哲也さん(JA1CIN)でした。あとで伺ったら、8J1ECLは6月30日が運用期限のため、この日は最後の2日間のオペレートとして、電波研クラブの関係者の皆さんが集まって各バンドでオンエアしていたそうです。

8J1ECL局との交信後も1200MHz帯で次々に呼ばれ、14時40分にQRTするまでで17局と交信できました。合計の交信局数は430MHz帯FMが84局、1200MHz帯FMが17局の合計101局でした。

1200MHz帯で交信できた局のQTHは、神奈川県や千葉県、東京都内が多かったのですが、中には栃木県小山市、静岡県熱海市、埼玉県川越市といった遠方の局もありました。Masacoさんとあーちゃんは、ログを見返しながら…

あ:1200MHz帯はZGLで初めての運用だったけれど、結構呼ばれましたね~

M:電波の飛びは430MHz帯とあまり変わらない感じだったなあ

あ:「さっき430MHzでもMasacoさんと交信しました」という方が4~5局いましたね。

M:430と1200の両方で交信した局は、IC-9700を使っているのかも!?

あ:そうかも!(笑)

撤収を始めたときには雨が止み、少しだけ明るくなって靄(もや)も減ってきました。


撤収作業を始めた15時頃の景色。空も少し明るくなりました


海を渡る「東京湾アクアライン」の橋がようやく見えました!

M:あ、東京湾アクアラインが見えた~! こんなに近かったんだ!! すごい絶景!

あ:帰る時間になって、やっと見えましたね、よかった~~!

悪天候の中の移動運用で、どこまでMasacoさんの“癒し”になったかはわかりませんが、1200MHz帯の初運用にも成功して、クラブとしては大満足の移動になりました。交信してくださった皆さん、ありがとうございました。


Masacoさんの「IC-9700、凄い! 欲しい!」というポーズ♪

また数か月後、2人は1エリアのどこかから運用を行います。実施が近づいたら「月刊FB NEWS」のFacebookページで告知しますから、ぜひチェックしてください!!

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