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海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その71 日韓相互運用協定が結ばれた年 1992年 (1)

JA3AER 荒川泰蔵

日韓相互運用協定が結ばれた年

最近日韓関係がぎくしゃくしているが、アマチュア無線では1992年8月1日から日韓相互運用協定が発効し、JARLでも「韓国での運用申請手続き」と題した小冊子が準備された。今回から、その1992年(平成4年)に海外で運用された人達の紹介だが、今から27年前のことである。

1992年 (韓国 6K1UN)

JA4HCK馬場秀雄氏は1992年1月10日から15日まで、韓国ソウルでの記念局6K1UNをゲストオペした旨アンケートを寄せてくれた。「韓国ユニセフハムクラブ記念局。HOTEL LOTTEで設立総会があり、日本からJA8ATG原JUHC会長(当時)ほか13名がお祝いに出席した。(1992年6月記)」

1992年 (中国 BT3CJF, BT4CJF-1991年)

JA1FUY川合信三郎氏は、中国での臨時局の開局と運用についてアンケートを寄せてくれた(写真1)。「1992年4月のこと。BT3CJFは天津市に5局のアマ局(BY3AB, BY3AC, BY3AD, BY3AE, BY3AF)の建設援助と日中国交回復を記念してBT3CJFをBY3AA及びBY3AEに臨時に開局した。ご承知のようにBTのプリフィックスは臨時の局の意味。日本人11人はこれをゲストオペした。もちろん、上記5局も小生はゲストオペとして運用させてもらった。ちなみに "CJF" は "China Japan Friendship" の略称である。(1992年8月記)」


写真1. (左)BT3CJFのQSLカードと、(右)BT3CJFを運用するJA1CMS阿部克正氏。

またその前年(1991年)の8月にも上海で同種の臨時局を開局したとアンケートを寄せてくれていた(写真2)。「日中友好の青少年交流を記念してBT4CJFを開局。場所はBY4AAに、免許人はBY4AAに同じ。China Japan Friendshipの頭文字をとってBT4CJFとした。(1991年11月記)」


写真2. BT4CJFのQSLカード。

1992年 (香港 VR2JC)

JH1TOE石出毅氏は、香港日本人倶楽部にクラブ局VR2JCを開設し運用したとアンケートを寄せてくれた(写真3及び4)。「香港在住の日本人に当地アマチュア無線を普及させることと、当地アマチュア無線界の発展に貢献することを目的に、香港日本人倶楽部内に設立した無線クラブ (JAROC-HK)のクラブ局です。会員数は29名(内、当地免許所有者6名)で、会長は石出毅(VS6FQ)です。(1993年3月記)」


写真3. VR2JCのQSLカードの表と裏。


写真4. VR2JCの免許状。(コピーした感光紙の色が退色している)

1992年 (シンガポール 9V1XF, 9V1ZB)

JK2PNY河津基氏は、シンガポール在住時の経験をアンケートで知らせてくれた(写真5)。「シンガポールに1992年3月から10月まで住んでいた時に、現地のハム局9V1XFを訪ねゲストオペさせてもらった。1992年にRAE(アマチュア無線の資格試験)を受け合格したが、年2回行われていたCWの試験は受けなかった。(1997年6月記)」


写真5. JK2PNY河津基氏のシンガポールでのRAE合格通知書。

JR3BOT中村晋氏は、シンガポールから9V1ZBの免許を得て運用した経験をアンケートで知らせてくれた(写真6)。「1. 設備、周波数:送信機 TS-830S 100W Output。アンテナ 3.5MHz モービルホイップ 高さ8m、7MHz & 10MHz インバーテッドV 高さ8m、14MHz & 18MHz 1エレ三角ループ 高さ8m、21MHz, 24MHz & 28MHz 2エレCQ 高さ10m。モード CW, SSB, RTTY, Packet。 2. 半年間の運用雑感:免許は簡単にとれますが、電信が要求されますので3級以上の日本の免許が必要です。3級での申請実績がありませんので、この場合、どの様な条件で免許されるかは不明ですが、2級以上の日本の免許で全周波数及び最高電力(100W)の9V1の免許が取得できます。3級の場合は、おそらく電力制限が付くものと思われます。期間1年、再免許可。費用S$25=\2000。日本では100Wまでは検査なしですが、こちらでは開局の時には必ず検査が要求されます。検査項目及び方法は日本の検査と全く同じです。私の場合は日本で500Wの検査を受けていましたので何も抵抗は有りませんでしたが、初めての方は戸惑うのではないかと思います。また、3ヶ月以上のビザが必要です。開局から1993年3月までに約1,000局とQSOしましたが、2/3はJA局でした。(1993年7月記)」


写真6. 9V1ZB中村晋氏の免許状。

1992年 (セーシェル S79IDY, S79J)

JA1IDY青山貞一氏は、セーシェルからの運用についてアンケート寄せてくれた(写真7及び8)。「10年間のDX生活QRTの後、CQ WW PHONEコンテストへの参加を兼ねインド洋に浮かぶ珊瑚礁の美しい国、セーシェル共和国にペディションを行った。免許は、日本からセーシェル免許局に直接ファックスでやりとりし、コールサインを含め暫定的な許可を得た上で、現地で直接免許局に行き正式な免許を得た。コールは個人用としてS79IDY、またコンテスト用にS79Jを得た。免許取得では、同行のJA1ELY草野氏と現地の山本浩二氏にお世話になった。あらかじめ暫定免許のファックスをもらっていたので、空港の税関はすんなり通れた。アンテナは1.9-10MHzとWARCバンドはワイヤー系のGP、14-28MHzは3エレ八木、50MHzは5エレ八木と欲張った。設備はFT850 + FL2100Zをメインとし、TS690Sをサブとした。運用は10-28MHzを私が、1.9-7MHzを草野氏が担当し、5日間で約 6,500局と交信した。CQ WW PHONEでは 3,128局、マルチ427、得点で380万点強を得たが、数回に及ぶ停電があったこと、地形からロングパスがまったく使えなかったことを合わせれば、まあまあの成果だと思う。また、現地の人々ののんびりした自然と共生した豊かな暮らしに直に接することができたことが無線以外の大きな収穫であった。私は環境総合研究所という環境問題専門のコンサルタントをやっており、調査では湾岸戦争時の中東はじめ世界各国によくでかけてきたが、これからは、ぜひ今回のようにあらかじめ免許を取得しQRVしたいと思っている。(1992年12月記)」


写真7. (左)S79IDY青山貞一氏のQSLカード。(右)S79Jを運用する青山貞一氏。


写真8. (左)S79IDY青山貞一氏への免許状発行案内のレター。(右)S79IDY青山貞一氏の免許状。

1992年 (スワジランド JA7AYE/3DA)

JA7AYE保坂宣保氏は、スワジランドでの経験をアンケートで寄せてくれた(写真9~12)。「スワジランド王国へ電気通信に関しての業務で訪問した際、無線局運用の申請をしてJA7AYE/3DAのテンポラリーライセンスを取得しました。仕事の相手が同国の周波数管理官であったこともあり、すごくスムースに許可がおりました。同国では運用の許可だけで、アマチュア無線局に関しては特に規定がない模様で、同国のアマチュア局数を尋ねたところ、正確な答えは返ってきませんでした。申請方法としては、JAの従免と従免の英文証明を提出し、口頭で申請してOKでした。担当者が無線局の証明について言い出した時、丁度そこにあったDX Listingの当局のコールサインのところを指差してOKでした。また、申請料としてアマチュアは10エマランゲ(約500円)必要のようですが、当方はこれも免除していただきました。実際の運用は、残念ながらHFのリグを持ち込んでいませんでしたので、何もできませんでした。ただ、144MHz, 1.2GHz帯のトランシーバーは持っていましたので、ワッチしてみたのですが、全く入感ありませんでした。次回、機会があれば、HFのリグを必ず持ち込みたいと思います。また、滞在中、スワジランド・アマチュアクラブのMr. Long会長と電話でコンタクトを取り、Mr. Franz, 3DA0BKを紹介していただきEyeball QSOをすることが出来ました。彼は現在7MHz, CWと50MHzにアクティブで、JAとは50MHzでもQSOしており、カードを見せていただきました。最近はそうでもないのですが、28MHzでも沢山のJAとQSOしており、私の所属していた秋田DXアソシエーションのOMの皆様(JA7FS, ZF, ZP等々)のカードもしっかり見せて頂きました。Franzは、もしHF帯の八木アンテナが手に入れば、JAともっとQSO出来るのだが、と言っていました(誰か贈ってくれないかなという雰囲気)。更に、JAの皆様は非常にマナーが良く感じるのだが、何せ数が多いので、エリア指定で1~2回りしたあとQRTしてしまうとのことでした。(1993年5月記)」


写真9. (左)左から、JA7AYE/3DA保坂宣保氏、3DA0BK, Franzさん、周波数管理官 Mr. P. Mkhonta。(右)スワジランドの民族衣装を着た高校生達。


写真10. (左)3DA0BK, FranzさんのQSLカード。(右) JAからのQSLカードを手に、3DA0BK, Franzさん。


写真11. (左)3DA0BKの50MHz用4エレ八木アンテナ。(中)3DA0BKの7MHz用垂直アンテナ。
(右)3DA0BKのシャックにてFranzさん。


写真12. スワジランドの無線通信免許の改訂年間料金一覧表。

1992年 (マラウイ 7Q7XX)

JH1ORL酒井章宏氏は、マラウイでの7Q7XXの運用経験をアンケートで知らせてくれた(写真13)。「7Q7JA加湧氏の努力のお陰で、アフリカ内でもアマチュア無線免許が最も取得しやすいカントリーとなった。在留邦人の多くも7Q7のCallsignを持っている。但し、アクティビティーはそれほど高くない。2年間の滞在で、1.8~50MHzでJAとQSOでき、また多くのUSAに1.8MHzで1st 7Q7をサービスできて満足している。11月~3月にかけて雨季となり、毎日の様に雷雨となるので、Low Bandはそれほど多くのQSOができなかった。(1994年1月記)」


写真13. 7Q7XX酒井章宏氏の免許状。

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