日本全国・移動運用記
2025年8月1日掲載
悪天候が続き、台風が接近していたため、当初予定していた沖永良部→鹿児島の最終便(1日3便)で鹿児島空港に戻る予定を変更し、1便で戻ることにしました。そのため、午前6時台のサテライトRS-44だけを和泊町で運用し、すぐに撤収しました。
鹿児島空港では、夜の鹿児島→名古屋(中部)の飛行機に乗るまでに時間が余りました。そこで、レンタカーを借りて、鹿児島県の本土で移動運用することにしました。使用した機材は、IC-705を2台(サテライト通信で送信・受信に分けて使用)、アンテナチューナーAH-705、サテライト用のアンテナなどです。これらの設備は毎回必ず持参しているわけではありませんが、悪天候による欠航の可能性を考慮して、夏季で衣類の荷物が少なくて済む時期には“保険”として手持ちで持っていくようにしており、今回も役立ちました。
なお、7月8日から、飛行機内ではモバイルバッテリーを収納棚に入れないように国土交通省から指示が出ています。そのため、IC-705を10W出力で運用するために持参したPD対応モバイルバッテリーと、IC-705用のバッテリーパック(チャック付きビニール袋に1個ずつ梱包)は、機内では常に座席前の収納ポケットに入れて管理していました。
鹿児島県の本土は2024年に重点的に移動運用を行っており、その際にサテライト通信の条件が悪く交信数が少なかった、出水市を目指すことにしました。鹿児島空港から途中まで自動車専用道路を経由して、片道約60kmの移動です。途中、薩摩郡さつま町の公園で車内に設備を展開しました(写真5)。普段あまり使わない構成だったため、設置には意外と時間がかかりました。アンテナを立てるためのタイヤベースなどは持っていなかったので、HF帯のアンテナはアンテナチューナーをフロントガラスの上に置き、そこからロングワイヤーを近くの木に向けて約10m展開し、アースは車体下の鉄骨に接続しました(写真6)。
伝搬のコンデイションは相変わらず悪く、10W出力では厳しい状況でしたが、それでも地上高1m、長さ10mのロングワイヤーアンテナで交信は可能であることは分かりました。サテライト通信は、10W出力でもRS-44はCW・SSBとも最後までスムーズに順番が回り、問題なく運用できました。
写真5 IC-705を使用したレンタカー移動セット
写真6 HF帯のロングワイヤーアンテナ
QTH、周波数帯、運用日ごとのQSO数を表1に示します。知名町ではEスポが大当たりで各バンドとも盛況だったのに対し、和泊町では苦戦した様子が数字にも表れています。
表1 QTH、周波数帯、運用日ごとのQSO数。1.9~50MHz帯はCW、サテライトはCW/SSB
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