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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第24回 電子情報通信学会創立100周年記念特別局「8J100EIC」運営委員会の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

「じゃあ今度は屋上へ行きましょう。8J100EICで使っているアンテナをお見せしますよ」

高橋さんのご案内で、エレベーターで最上階へ。そこから階段を上って上って、屋上のてっぺんに設けられたヘリコプターの緊急用スペース(ホバリングスペース)に着きました! 周囲には高いビルがないので、360度メッチャいい景色!! 東京タワーや東京スカイツリー、秩父や丹沢などの山々も美しく見えました。風もなくてポカポカと良い気持ち♪


屋上のてっぺんは見晴らし抜群!! 風が弱く、暖かい陽射しでメッチャ気持ちが良かったです♪

8J100EICのアンテナは、ホバリングスペースのすぐ隣に3本立っています。1本は50MHz帯の水平面無指向性のターンスタイルヘンテナ、真ん中は144/430/1200MHz帯のGPアンテナ、そしてもう1本は長さ7mの垂直ロッドアンテナで、オートアンテナチューナー(アイコム・AH-4)を取り付けて、3.5/7/10/14/18/21/24/28MHz帯をカバーしています。50MHz帯のターンスタイルヘンテナとHFのロッドアンテナは高橋さんの自作だそうです。


8J100EICで使用しているアンテナ。左から50MHz帯のターンスタイルヘンテナ、144/430/1200MHz帯のGPアンテナ、3.5~28MHz帯用の垂直ロッドアンテナ


垂直ロッドアンテナの根元にはアイコムのオートアンテナチューナー、AH-4が取り付けられています。これで3.5MHz帯以上でマッチングが取れます

「実は以前から、この建物には“NTT武蔵野通研アマチュア無線クラブ”というNTTのクラブ局があって、アンテナはその局で管理しているものなんです」

--あ、8J100EICの前からクラブ局があったんですね!

「はい、地上高は61mもあるので、どれも電波の飛びは抜群ですよ」

--羨ましい~!!

運営委員会の皆さんにインタビュー!

もう一度会議室に戻って、運営委員会の三木先生、高橋さん、そして8J100EICの運用にいらっしゃっていたNTT R&Dハムクラブの中村さん(JF2ICB)、釘本さん(JA1KEB)、藤浦さん(JG2RZF)とお話タイムです。


会議室で皆さんにインタビュー!!

--この建物には、元々アマチュア無線のクラブ局があったのですね。

「はい。昔もこの施設にクラブ局がありましたが、現在はJQ1YNV(NTT武蔵野通研アマチュア無線クラブ)という局が設けられています。このほかNTTの研究開発拠点である神奈川県厚木市と横須賀市の施設にもアマチュア無線クラブがあり、3局でJARL登録クラブの「NTT R&Dハムクラブ」を結成して連携しながら活動をしてきました。屋上のアンテナは、万一の非常通信の際に使えるように会社に建ててもらったもので、JQ1YNVはそれを管理しつつ、サークル活動としてクラブ局の運用を行っています」

--ナルホド! そこに8J100EICの記念局を置くことになったのですね。

「電子情報通信学会で100周年の記念局を作る話は2016年の秋に持ち上がりました。学会メンバーであるNICTの滝澤さん(JF3CGN)は記念局の開設のノウハウをお持ちでした。また三菱電機の小谷さん(JR1KHM)もオール三菱の記念局開設をした経験から賛同してくださいました。NECの梅田さん(JA1OHP)、そしてここにいらっしゃるNTTの高橋さんなど、多くの方の賛同とご協力がありました。

その記念局は“電子情報通信学会らしく、リモート運用をぜひ行いたい”という声がありました。そうすると、リモートされる無線設備の管理がしっかり行え、しかもインターネット回線が設置場所に来ている必要があります。その条件をクリアし、しかもロケーションが良く、常設のアンテナがあるところということで、JQ1YNVがある場所を設置場所にしようということになりました」

--開局の準備は大変でしたか?

「2016年11月に準備会を立ち上げ、どういう設備で運用するか、どういう機器を使えば全国からリモート運用ができるかなどを検討し、JARLや総務省にもこういう記念局(JARL特別局)を作りたいという相談をして、免許申請の準備を進めました。同時にNTTの社内で“武蔵野研究開発センタにこういう特別局を置きたい”という交渉も始めました。

NTTの社内で、この場所に記念局を設置する許可が取れたのは2017年の5月でした。それから申請書を作り、JARDの保証を受けて提出、6月末に8J100EICの局免許が下り、7月7日になんとか開局できました」


2017年7月7日に行われた、開局記念式典であいさつする三木先生


開局記念式典にはJARLの髙尾会長も出席。7MHz帯で8J100EICの開局第一声を出しました

--わあ! 長い道のりでしたね。ところでリモート運用の準備は難しかったのですか?

「それまでリモート局を作った経験がなかったので、サーバーを立ち上げて、多数の人が利用できる環境にするのには少し手間が掛かりました。立ち上がってからは、いろいろなメンバーが利用のためにアクセスしてくるため、そのサポート業務のような仕事のほうが大変でしたね(笑)」

--学会のメンバーで「自分も運用したい」というハムの方も多いのではないですか?

「そうなんです。そこで運営委員会に加盟している各無線クラブや学会準員(大学・企業など)のJARLクラブには、1週間単位でオペレートできるように順番を割り振っています。リモート運用に使うソフトウェアのRS-BA1は、アイコムさんから200アカウント分を購入し、各クラブが手持ちのパソコンにインストールできるようにしました」

--200アカウント分! なんか凄い金額になりそうな~??

「あ、リモート運用だけではなく、月に1度はこの建物から電波を出す日を作っています。NTTの社員ではない運営委員会のメンバーも来訪できるようにしていますが、リモート運用を行っていないV・UHF帯やCW、デジタルモードなどを楽しむ方も多くいらっしゃいます」

--これまでに何局ぐらい交信されましたか?

「リモート運用、この建物からの直接運用、移動する局の無線設備を使った本当の移動運用など、全部合わせると4,000から5,000局ぐらいだと思います。まだまだ交信し尽くしていない感じで、電波を出せば今でもたくさん呼ばれます」


8J100EICのQSLカード。中央の写真が異なるバージョンを数種類作成しているそうです

--海外とも交信できていますか?

「7月7日の開局直後には、いきなり7MHz帯でオーストラリアの局に呼んでいただきました。3.5MHz帯ではアメリカのテキサス州とも交信できています。全バンドで見るとヨーロッパや南米とも交信しています。ご覧になったように垂直系の短いアンテナですが、比較的ノイズレベルが低いので、ノイズすれすれの微弱な局でも結構聞こえます」

--リモート運用も快調ですか?

「はい、インターネット経由でも音声の遅延は感じませんし、声もしっかり聞こえて、こちらからの変調もしっかり乗っているようです。ノートパソコンにモバイル用のWiFiルーターで全然問題なく運用ができています。機器のトラブルもありません。なによりIC-7300Mの基本性能が良くて、それで快適に交信が楽しめています」

--わあ、それは何よりですね!!

「運用していると“今はリモートですか?”とよく尋ねられるんです。8J100EICがリモート運用を行っていることがだんだん知られてきたのでしょうね。公開運用でもアマチュア無線家の人たちが訪れて“こんなに簡単にできるんですか?”と驚いてくださいます」


ハムフェア2017にもブースを出展し、8J100EICのリモート運用を行い、多くの方に注目されました

--8J100EICの、これからの目標を教えてください。

「運用は2018年3月末までを予定していますが、交信総数は1万局、アフリカとも交信を果たしてWAC(6大陸交信賞)の完成が目標です。それから珍しいプリフィックスなので、WPXコンテストは出てみたいですね。何よりも“電子情報通信学会が100周年を迎えた”ということを1人でも多くの方に知っていただきたいです」

--たくさんの方が8J100EICとの交信を希望されると思いますが、運用予定は公開されていますか?

「はい、WebサイトFacebookページTwitterページで運用の告知を行っています。今後の公開運用ですが、3月11日に宮城県仙台市で開催される“東北復興アマチュア無線フェスティバル”の会場で行う予定です」

そうそう、三木先生からは「実は失敗したことが1つあります」というお話も・・・。

それは「8J100EICのリモート局に50W出力のIC-7300Mと100W出力のIC-7300しか用意しなかったこと」だそうです。「4アマでも使える無線設備をリモート局に加えておけば、公開運用を見学に来た4アマ資格の子供たちにもリモート運用を体験してもらったり、HFの楽しさを手軽に知ってもらえたと思います」という、次世代を担う子供たちを大切にする優しいお言葉が印象的でした。


11月に開催された「アマチュア無線フェスタ JARD in 秋葉原」での公開運用風景。3アマ資格を持つ小学生の女の子がリモート運用を楽しみました

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