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海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その58 東マレーシアで初のSEANETコンベンション開催 1990年 (2)

JA3AER 荒川泰蔵

東マレーシアで初のSEANETコンベンション開催

1990年11月9日から4日間、東マレーシアでは初めての第18回SEANETコンベンションが、サラワク州のクチンで開かれた。筆者も米国から1988年に帰任後参加したバンコク、1989年のシンガポールに続いて、1990年のクチンでのコンベンションにも参加を申し込んでいたが、直前で英国駐在の辞令を受けてやむなくキャンセルした。このコンベンションの模様はJA0AD小林勇氏がCQ誌に投稿されている(写真1)。このSEANETコンベンションも昨年(2017年)には第45回を迎え、初めてカンボジアで開催された。詳細は、当FBニュースの先月号(2017年12月15日公開号)をご覧ください。


写真1. JA0AD小林勇氏が投稿した、第18回SEANETコンベンションを報じたCQ ham radio誌1991年2月号の記事の一部。

1990年 (東マレーシア 9M8SEA, 9M8SK)

JA0AD小林勇氏は、東マレーシアでは初めてとなる、クチンでの第18回SEANETコンベンションに参加し、9M8SEAを運用したとQSLカードなどを添えてアンケートを送ってくれた(写真2)。「9M8SEA, SEANET記念局の他に、申請者のみ個人コールが発給されました。(1992年1月記)」また、小林氏は、この9M8SEAのQSLカードを提供し、QSLマネジャーを務められた。


写真2. SEANETコンベンション特別局9M8SEAのQSLカード表と裏。

JA1FUY川合信三郎氏はSEANETコンベンションで、その期間のみ有効な臨時免許を得て運用したとアンケートを寄せてくれた(写真3)。「1990年のSEANETコンベンションで免許を取得しました。 9M8SK (SKは私のイニシャル)という立派なコールサインを頂きました。5年間はキープしてくれるということです。しかし、同国の人は外国人にこのようなコールを割り当てるのには反対? の声も耳にしました。(1991年11月記)」


写真3. (左)9M8SK川合信三郎氏の免許状。(右)SEANETコンベンション参加者限定のマレーシアの免許申請用紙。

1990年 (西マレーシア 9M2KE)

JR4PMW河野瞬市氏は、駐在地のペナンで9M2KEの免許を得て運用を始めたとアンケートを送ってくれ、その後も3回アンケートを寄せてくれた(写真4~7)。「1990年2月13日付で免許されました。1989年11月中旬に申請書一式提出以来ちょうど3ヶ月目になります。赴任前にいろいろとアドバイスして頂いた方、そして現地のハム仲間のおかげと感謝しております。何はともあれ持参したFT-757をセット、とりあえずGPを立てました。釣竿を利用したもので、スコ-ルがくれば今にも倒れそうなひ弱なアンテナですが、そこそこ飛んでくれます。仕事の関係で12時PM(JST)頃と休日のみの運用ですが、コマ-シャルのSCNET(シャープ・コーポレーション・ネット)とJANETには積極的に参加しようと思っています。(1990年4月記)」


写真4. 9M2KE河野瞬市氏のQSLカード表と裏。


写真5. (左)9M2FK, Esheeさんのシャックにて、Esheeさんと河野瞬市氏。(右)ペナンにて、左から、9M2LC, Limさん、9M2KE河野瞬市氏、9M2FK, Esheeさん、ローカルの皆さん。


写真6. 9M2KE河野瞬市氏の免許状と付属書類。


写真7. 9M2KE河野瞬市氏の更新された免許状(1993)。

「マレ-シアに赴任して約1年になります。ハムを開局できたおかげで、単身赴任も何の苦もなく過ごすことができました。SSB, CWのベーシックなQSOのみですが、海外で運用するなど夢にも思わなかった私にとっては、充分過ぎる位の内容と思っております。ところで、ここマレ-シアでもう1人、日本人の方が開局しました。9M2HG(JH1EVE)東山さんです。氏は約半年前にこちらに赴任され、早々私同様9M2FK(Mr. Eshee)の援助によりライセンスを申請、開局の運びとなりました。リグはTS-440Sで主にハイバンドにアクティブのご様子です。2年間の滞在予定だそうですので、しばらくの間、私共々よろしくお願い致します。(1990年10月記)」

「1990年2月に免許され1994年9月までの間、約4年間にわたり、主にHF(7, 14, 21MHz)とローカル QSO用の2mバンドを運用しました。開局当初はサンスポットのほぼピークで24時間ワールドワイドにハイバンドが楽しめましたが、後半はサンスポットの低下でJAすらQSOが厳しい状態にまでなり、ローバンドを主体に運用しました。この間QSOした局数は僅かに3,000局足らずで、決して多くはありませんが、トロピカルアイランドのペナン島のすばらしさ、はたまた東南アジアの魅力を、無線を通じて皆さんに知ってもらう為に、ラグチューを主体にのんびりとしたQSOに心掛けてきました。今後は私の会社の同僚2名(9M2HD有馬さん、JR4PDP内野さん)が後任としてペナンからQRVしますので、その魅力を存分に尋ねて下さい。尚、私の免許は今後の出張時の運用の為に、現地局に毎年の更新をお願いしています。(1994年9月記)」

「1989年の末に申請して、1990年2月に免許された9M2KEは、その後、現在まで毎年更新しています。開局当時としては、9M2もまだ珍しい方だったのでしょうが、最近は多くの方が開局されていますので、申請方法などはそちらを参考にして下さい。この約10年間、特に大きな変化は無いように思われますが、1998年より外国人に対しては一旦“9M2/ホームコール”が与えられようになりました。これはテンポラリーの短期免許で、プロフェッショナルビザ等の短期就業ビザで申請は可能(観光ビザでは不可)ですが、正式免許の“9M2xx”とは区別されています。正式免許はテンポラリー免許発給後さらに引き続き運用が可能な条件を証明できるもの(ワーキングビザ)及び理由書を添えて再申請すれば発給されます。現在の運用形態はHFのリグ2台+リニアー、V・UHFのリグ2台でCW, SSB, RTTY, FMにQRVしています。HFのアンテナは約60mの高さのベランダに取り付けたデルタループをカップラーでマッチングし、主に7-28MHzで運用しています。高さと海に面したロケーションのせいか、JA以外にも良く飛んでくれています。何よりJAで悩まされた受信時のノイズが全く無いのが最高です。おそらく電力ケーブルが地中に埋められているせいと思いますが、少々弱い信号でも確実にピックアップ出来ます。また、インターフェアーに対しても強いようで、私の場合、最高パワーでもTV、電話、その他に全くインターフェアーは発生していません。(1999年2月記)」

1990年 (タイ HS0F)

JA3AER筆者はタイでのゲストオペについて、次のように記録していた(写真8及び9)。「1990年9月9日、出張中のバンコクでHS1YL, Mayureeさんのシャックを訪問する機会を得、同シャックに設置されたクラブ局HS0Fをゲストオペとして運用させて頂いた。週末(日曜日)の夕刻とあって、日本とは時差が2時間あるが、21MHz, SSBでQRVするとJA局のパイルアップになり、エリアを指定して呼ばせて頂いた。3時間足らずの短時間に約90局と交信したが、JA以外は9M2KEとYC3OSEの2局だけであった。QSLカ-ドはMayureeさんから頂いて帰り、JARL経由で発送させて頂いた。(1990年9月記)」


写真8. (左)HS1YLのQSLカードにシールを貼ったHS0FのQSLカード。(右)HS0Fを運用する筆者。


写真9. (左)Mayureeさん一家に夕食をご馳走になった。左から、Kehmikaさん、筆者、Mayureeさん、Morakotさん。(右)無線室にてHS1YL, Mayureeさんとお嬢さんのKehmikaさん。

1990年 (ラオス XW3UB, XW3YL)

JA3AYU荒木浩孝氏は、ラオスでの運用について、次のようなアンケートを寄せてくれた(写真10)。「花博(大阪万国博覧会)の時に、ラオス愛国戦線通信社(兼ラオス電監)の部長が遊びに来て、小生のXYL(JA3SMQ)の大阪案内に対するお礼という事で、ラオスのビエンチャンまでDXペディションに行った。それで、近畿の“3”と“YL”がついた“XW3YL”とXW3UB。運用場所はホテルと通信社内の2ヶ所でした。運用のあとリグ2セットは寄付して帰国しました。(1992年4月記)」


写真10. (左)XW3UB, XW3YLのQSLカード。(右)大阪国際交流センターを訪れたXW8KPLインさんとの記念写真、右からJA3AA島伊三治氏、XW8KPLインさん、JA3AYU荒木浩孝氏ご夫妻。

1990年 (モンゴル JE7RJZ/JT)

JE7RJZ野田尚紀氏から、モンゴルとの国際交流を目指した訪問についての手紙を頂いた(写真11~13)。「(手紙から抜粋) 私も海外のアマチュア無線家との交流を目指した旅行を行い、これまでJT, UA0, BVなどからQRV。特にJTからは1990年の西側初の運用以来4度ほど免許の更新を受けてきました。昨年(1993年)8月に4度目のQRVを行いましたが、私のQRV状況は次の通りです。1990年-JE7RJZ/JT、1991年-JT1/JE7RJZ & JT1J、1993年-JT1/JE7RJZ & JU1HC。そのほかモンゴル国以外では、1991年にJE7RJZ/UA0S及びJE7RJZ/BVを運用しています。モンゴル国の免許事情や免許申請については、私あてお問い合わせてください。(1994年4月記)」


写真11. (左)JE7RJZ/JTのQSLカードと、(右)JT1/JE7RJZのQSLカード。


写真12. (左)JT1JのQSLカードと、(右)JU1HCのQSLカード。


写真13. (左)JE7RJZ野田尚紀氏が作成したモンゴルの免許の案内書の一部。(右)モンゴルのアマチュア無線局免許申請用紙。

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