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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第25回 総務省 東海総合通信局の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

そして、監聴室のDEURAS-Dを見学させていただきました。操作卓から不法無線局の電波が出ている付近のセンサ局を3つ(またはそれ以上)指定して動かすと、ディスプレイにそれぞれのセンサ局のアンテナから“電波の到来方向”を示す線が伸び、その交点が電波の発射源だと推定できるという仕組みです。受信した内容はすべて自動で記録されます。


監聴室のDEURAS-D。センサ局を指定して動かすと、マップ上に電波の到来方向を示す線が表示されます

「もしこの電波を出しているのが、無線局の免許を持っている局なら、無線局データベースを使って免許人に電話で問い合わせをすることも可能です。そうでない電波の場合は現地に行ってアンテナと受信機で発信源を探すことも行います」

「申告の際に、妨害を受けている場所と周波数が情報提供されますので、それに基づき使用するセンサ局を決めて電波の発射源の探査を行います。交信内容も手掛かりになりますね」というお話でした。

可搬センサ局とDEURAS-Mの見学

続いては建物の屋上へ。3つの大きな鉄塔があって、さまざまなアンテナが設置されています。見晴らしは抜群!!


屋上のアンテナ。ワイヤーアンテナやディスコーン、垂直のログペリなどがありました

今回の取材のために、DEURAS-Dの「可搬センサ局」を設置していただきました。“可搬”というから、ポータブルの小型のものかなと思ったら、かなり大きくてビックリ!!


今回の取材用に設置されたDEURAS-Dの可搬センサ局。結構大きいです!

この可搬センサ局は、災害などで既存のセンサ局が使えなくなったようなときや、サミットなどの大きなイベントが開催される際に、現地に設置して運用するそうです。「機能は一般のセンサ局と同じですよ」ということでした。ちょっと不思議な形のアンテナは、方向探知の性能に優れた「アドコックアンテナ」と言うタイプだそうです。

今度は屋上から1階の駐車場へ移動!! ここにはワゴン型の乗用車が停まっていました!


駐車場に停まっていたワゴン車は、不法電波探査車の「DEURAS-M」でした! 広い東海管内を西へ東へ、走行距離は10万キロを超えたそうです


興味深げに近づく私(笑)。リアゲートに2本のアンテナが取り付けられている以外は、普通のファミリーワゴンという感じです

--澤田さん、この車は?

「不法無線局の探査に使う、DEURAS-Mという車両です」

--へえ! この車で不法電波の発射現場を探し出すんですね。2列目の座席に大きな画面がついていますね~。


2列目の座席にはこんな操作卓が設置されています。DEURAS-Dからの情報も表示しながら、さまざまな機材を使って不法電波の発射現場へ迫っていきます

「これを使って、車内からDEURAS-Dのセンサ局を操作してディスプレイに電波の発射源を表示できます。電波の発射源に近づいたら、この車両に搭載された受信機や電波方向探知装置を使って、電波が飛んでくる方向や強さを調べます。そして発射源を探し出すことができるわけです。ちょっとやってみましょうか?」


調査課の皆さんが特小トランシーバーを使って、方向探知の実演をしてくださいました

調査課の皆さんが特定小電力トランシーバーで送信しながら、この車の周囲を歩いたり、遠ざかったりすると、それに合わせて電波が飛んでくる方向を示すランプや電波の強さがわかるインジケーターが変化しました! これなら「30度の方向から電波が出ているな」とか「発信源はすぐ近くだぞ」といったこともわかりますね!!


DEURAS-Mの屋根には高精度の方向探知アンテナが内蔵されています。不法電波が発射されている方角や電波の強さなどはこのインジケーターに表示されます

「最終的には昔ながらの方法で、受信機などを持ち歩いて発射源を“足”で突き止めます」

--凄い、フォックスハンティングですね! 私、“どうやって不法無線局を見つけるんやろ”って、ずっと思っていました!

「東海総合通信局の管内では、年間30数件もの重要無線通信妨害が起きています。そうした場合は夜中でもこの車で出掛けます。また“伊勢志摩サミット”のような大きなイベントでは、ほかの総合通信局にあるDEURAS-Mの車両も応援で出してもらうといった連携も行われています」。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、こうした車両がますます重要になりますね!!!

電波監理部 監視課のお仕事

続いて、東海総合通信局の監視課で、監視課長の齋藤さんに、実際の監聴業務や不法電波の探査のご苦労談を伺いました。


監視課長の齋藤さんにご苦労談を伺いました

東海総合通信局でDEURAS-Dを使って不法無線局の探査を行っているのは、監視課の7名の方々。そのうち2名がアマチュア無線バンドのモニターを行っているそうです。ちなみに昨年度、アマチュア無線関係で運用者に注意喚起を行った件数はなんと100件以上!

「電話で“このナンバーの車が不法無線局だ”といった申告を多くいただきます。しかし調べてみると、コールサインをアナウンスしていないだけで、実際はアマチュア無線の資格も局免許も持っているケースが結構あるんです」

--電話での申告から、それを確認していくのは大変ですね。どうやって調べるんですか?

「自動車などに搭載された局の場合は、毎日広範囲を移動しているケースもあるので、どういうルートで走っているかを確認し、実際に現地で電波監視を行って車両を特定します。自動車のナンバー以外に、ボディに書かれた会社名や“マル販ナンバー”なども参考になります」

--ああ、ダンプカーの荷台に大きく書かれた番号ですね。

「そして、その車からの電波発射が確認できたら、車の所有者や使用者を探して、電話を掛けたり、文書を送ったりして、やっと電波を発射していた個人の特定に至ります。それで初めて、私たちのデータベースで検索し“この人は免許を持っている、持っていない”が判明するわけです。ここまでで結構な時間が掛かってしまいます」

--車は会社の所有で、何人ものドライバーさんが交代で運転することもありますから、誰が電波を出したのかは重要ですね。

「もしその方が、免許を持たないで運用していた場合は“免許なしで使うことは電波法違反です”と指導し、車から無線機を降ろしてもらい、もう使っていないことを確認するまでが私たちの仕事なんです」

--無線機を降ろしたところまでチェックするんですか!

「そこで申し上げたいのは、アマチュア局の免許を持っている人には“ちゃんとコールサインを言おうよ”ということです。最近はOMさんでもコールサインを言わない人がいらっしゃいます。そのため、だんだんコールサインを言わない風潮が生まれているのではないかと…。正々堂々とコールサインを言って電波を出すようにしていただきたいです」

--はい、私も気を付けます!

「そして不法無線局を見つけたら、ぜひ管轄の地方総合通信局に申告をしてください。その際はできるだけ具体的な情報をいただきたいのです。例えば車の色(ボディカラー)とか、毎日何時頃にどこを通るといったことも役立つ情報です」

「また東海総合通信局では電波適正利用推進員の協力の下、“非常災害時におけるアマチュア無線の適正運用に関する意見交換会”を開催し、南海トラフなどの発災初期時において通信の混乱を軽減する方法を検討しています」

--アマチュア無線家もいろいろ協力することが大切ですね。ありがとうございました!!

そうそう、東海総合通信局ではWebサイトに「マイメディア東海」という広報コーナーを設けているのですが、平成26年に「電波監視官のお仕事」というコラムが掲載されました。私も教えていただいて読んだら、メッチャ面白いんです。皆さんもぜひ! 読んでくださいね。

総合通信局の業務 電波監視官の仕事 第1回 混信申告の対応について
総合通信局の業務 電波監視官の仕事 第2回 移動監視
総合通信局の業務 電波監視官の仕事 第3回 不法無線局探査設備 DEURAS
総合通信局の業務 電波監視官の仕事 第4回 規正用無線局

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次号は 12月15日(火) に公開予定

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