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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第27回 アンリツ厚木アマチュア無線クラブの皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

いろいろなものを見せていただき、アンリツの技術力の高さを知ることができたところで会議室に移り、金澤さんにアマチュア無線クラブのことを伺いました。


会議室で、金澤さんからアンリツ厚木アマチュア無線クラブのことを伺いました

アンリツグループには全部で3つのアマチュア無線局(社団局)があるそうです。1つはこの「アンリツ厚木アマチュア無線クラブ」(JE1YEM)。以前は東京・麻布の旧本社に「アンリツアマチュア無線クラブ」(JK1YSG)がありましたが、現在はこの局も厚木で運用を行っているそうです。そしてもう1つは福島県郡山市にあるアンリツグループのグレートマザー工場「東北アンリツ株式会社」に「東北アンリツアマチュア無線クラブ」(JE7YTI)があります。


アンリツ厚木アマチュア無線クラブ(JE1YEM)のQSLカード

アンリツ厚木アマチュア無線クラブは、メンバー数が約40名。「アマチュア無線活動という共通の興味を通して、従業員の親睦と結束を深め、会社生活のモチベーションを高める」という趣旨で、会社からは“親交会無線班”として活動を認められています。メンバーの8割は上級資格を持っているそうです!

--金澤さん、さっき正門から入るときに、建物の屋上に大きなアンテナがいくつも建っているのが見えましたよ。

「はい、あれがアマチュア無線用のアンテナです。これらのアンテナは“非常時や災害時の最終通信手段になってほしい”という想いで会社が設置したものです。親交会無線班は、その設備を借りて、日常のアマチュア無線活動で親睦を深めながら、訓練を行うことで、万一の災害時には通信手段として機能するようにしています」

--なるほど、そういうことなんですね!

「あとでクラブのシャックとアンテナを見学していただきますが、1.9MHz帯から2400MHz帯まで全バンドの設備が整っています」

--すごーい、楽しみです!

そしてクラブの活動ですが、まず会社が毎年行っている、地域の“ラジオ教室”に協力しているそうです! 「会社としてはアンリツならではの取り組みによる社会貢献活動になりますし、親交会無線班としては、日ごろのハンダ付けの趣味で多くの人に喜んでもらえ、さまざまな技術や情報を活用できるチャンスでもあります」と、こういうイベントがあるとモチベーションもアップしますね♪ あ、最近は東北アンリツがある福島県郡山市でも同じような地域イベントが開催されていて、アンリツ厚木アマチュア無線クラブも協力しているそうです。

「少し前ですが、“実用無線電話発明100周年記念局”や“厚木市制60周年記念局”を企画・運営しました」


地元の各無線クラブとともに行った、厚木市制60周年記念局「8J1ATUGI」の運用風景(2015年)

--「実用無線電話発明100周年記念局」って、もしかして、さっき見せていただいた…

「はい、そうです! TYK式無線電話機のことです。100年前に初めてこの装置が設置された三重県鳥羽市内の島にも移動運用に行きましたよ。記念局のコールサインは「8J100TYK」でした!!

--そのものスバリの、いいコールサインですね~!

「でしょう!? 今でこそ中学校の技術の教科書にも載っていますが、少し前までは知る人ぞ知る“日本発の世界初”だったんですよ~。なので一生懸命紹介しました」


2011年9月から約11か月間運用された実用無線電話発明100周年記念局、
東京・小金井のNICT本部にて修復中のTYK式無線電話機(実機)を囲んで記念局運用の一コマ

そのほかでは、コンテストへの参加、毎年夏の「ハムフェア」へのブース出展、防災訓練への参加、JARDとの連携で4アマ養成課程講習会の開催、免許をとったばかりの人を対象にした体験講習会の開催、外部の無線クラブとの連携などなど、盛りだくさんな活動を行っています。特に4アマ養成課程講習会では、班長の金澤さんが「講習の休み時間にこんなことをやってみたい」という方向性をメンバーに示すと、皆さんがどんどんアイデアを出して、自分が担当できることを提案してくれるので、毎回とても充実したものになるそうです。


毎年夏の「ハムフェア」にはクラブでブースを出展しています


JARDとの連携で4アマの養成課程講習会を開催、休み時間には小中学生の参加者に楽しんでもらえるような企画や展示をいろいろ行っています


4アマ養成課程講習会の企画のひとつ、ステップアップしたくなるようにモールス体験♪


4アマ養成課程講習会のロビーで行った運用デモンストレーションの模様


免許をとったばかりの人を対象にした無線体験講習会の風景

お話を聞いていて「すごく一生懸命活動していらっしゃるなあ~」という感じがしました。まさに職場のアマチュア無線クラブのお手本ですね!!

「あとMasacoさん、今年は“CWをできるようになろう”というのが活動方針で、毎週水曜日の定時後にはCWの練習会を行っていて、毎回4~5名が参加しているんですよ。今日は活動日ですので、あとで見に行きましょう!」

--わあ、ありがとうございます!

シャックとアンテナを見学

続いて、アマチュア無線クラブのシャックと、屋上のアンテナを見学させていただきました。

さまざまな開発部門や、測定機器の保守部門が入っている大きな建物の中に「JE1YEM アマチュア無線室」と書かれたドアが…!


アマチュア無線クラブのシャックを訪問!! ラックにたくさんの無線機が配置されていました!

室内には大きなラックと机が並び、HFのオールモード機やリニアアンプ、V・UHFの固定機やモービル機などがたくさんセッティングされています。アンテナコントローラがいくつもあるのは、屋上のアンテナが多いから!? あとアンテナや同軸ケーブルもたくさん!!!

「本当は、もっとキレイで格好良いシャックにしたいんですけど、あきらめました。ジャンク好きが多いせいか、多少散らかってても気にならなくて。YLメンバーには怒られますが・・・」

--私、こういう無線の機材がたくさんある場所が大好きなんです!“みんなで無線をやるぞ~!”っていう感じが伝わってきますよね!!


シャックに設置されたIC-910の前でポーズ!!

続いて、ヘルメットを着用して屋上へ! なんと大きなルーフタワーが3基も! HFの1.9MHz帯はワイヤーアンテナ。3.5MHz帯はロータリーダイポール、7MHz帯から1200MHz帯はバンドごとにビームアンテナやGPで対応しています。周囲は高い建物もないので、少し離れた丹沢の山々以外は、電波を遮るものはなさそうです。


屋上には3つのルーフタワーを設置! HFから1200MHz帯まで全バンドの同時運用ができるそうです♪

--素晴らしいロケーションですね! これなら電波も飛びますよね~。

「はい、5階建ての建物の屋上なので地上高もそれなりにありますが、このあたりは市内でも一段高台になっているので電波は良く飛びます。コンテストにも力が入ります(笑)」


コンテストでは広い社内の数か所に分散して運用を行うそうです。これは屋上を使った2400MHz帯の運用風景です

クラブメンバーのお仕事を拝見!?

この後は、クラブメンバーの皆さんが、どんなお仕事をしていらっしゃるかを見学させていただきました。

最初にお邪魔したのはアンリツ株式会社 先進技術開発センターの野田さん(JO2VTP)。携帯電話の最先端として注目される「5G(第5世代移動通信システム)」では、従来のように基地局とアンテナを切り離した測定が難しくなるとのことで、新しい測定方法を研究していらっしゃいます。


先進技術開発センター長の野田さん(JO2VTP)。5G携帯電話基地局を模擬した送信機の近傍における測定を説明していただきました

5Gでは、現在の携帯電話やスマートフォンが使っている周波数帯よりもずっと高い、6GHz帯以上を使い、10Gbps以上という超高速のモバイル通信が行えるように規格作りが進んでいるんだそうです。

「5G基地局では、多数のアンテナ素子を用いて指向性を制御することで超高速のモバイル通信を実現します。そのためアンテナの指向性が重要なのですが、アンテナと基地局が一体となったり、アンテナ素子の数が膨大になると、従来のようにアンテナと基地局を切り離して測定することが難しくなります。また、アンテナ一体基地局と測定アンテナを離して測定する従来からの方法では、減衰のために正確に測れないという問題もあります。特に、5Gで採用される多素子アンテナは大型で遠方界を得られる距離が遠くなり、減衰による測定誤差が大きくなります。そのため、近傍界で測定することにより遠方界指向性を測定する手法についての研究にチャレンジしたんです」


5Gの電波測定の研究に使用している機器です

そして、研究されている内容を詳しく教えてくださったのですが、“最先端の重要な研究なんだ”ということだけ理解できました(スミマセン!!)

やがて5Gが実用化されると“自宅に引き込まれた光ファイバーよりも、携帯電話やスマートフォンのほうが何十倍も速い”という、夢のような時代がやってくるそうです!! ただし周波数が高くなるため、“基地局は数十メートル単位で設置する必要がある”とも! それだけに測定機器の開発はとても重要で、アンリツの役割はますます大きくなってくるわけですね♪

続いて、アンリツインフィビス株式会社の部長、久保寺さん(JI1MUG)を訪問。おもに食品や医薬品をはじめとする工場で、製品に異物が入っていないかなどを調べる「品質保証用検査機器」の開発を行っています。


アンリツインフィビス株式会社の久保寺さん(JI1MUG)。「品質保証用検査機器」の開発を担当していらっしゃいます

ちなみにこの検査機器は、用途に応じて「X線検査機」「金属検出器」「重量選別器」があるそうです。

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