日本全国・移動運用記
2026年2月2日掲載
2025年の年末も、気候が温暖な九州地方で長期の移動運用を計画しました。今回は、その中でも九州北部を中心に巡る予定を組みました。
九州地方では、CWの需要が特に熊本県の各市町村で多いようです。そのため、今回の移動運用は日程の前半を福岡県・佐賀県、後半を熊本県で行う計画としました(図1)。
1日に回る場所数については悩ましいところで、4か所だと伝搬コンディションが悪い場合に時間が余り、5か所だとコンディションが良い時に時間が不足しがちです。今回は、時期的にEスポの発生は期待できず、HF帯ハイバンドで長時間のパイルアップになる可能性も低いと判断し、1日5か所の運用予定を組みました。
各周波数の運用パターンは概ね次の通りです。1.9MHz帯と3.5MHz帯を2回ずつ繰り返すのは、早朝と夜には2バンドとも交信を希望している局が多く、途中参加でも2巡目で両方のバンドでの交信機会を増やすためです。
早朝:
1.9MHz→3.5MHz→1.9MHz→3.5MHz→7~28MHz→(28MHzで交信できれば50MHz)
昼:
7~28MHz→(28MHzで交信できれば50MHz)→7~28MHzの2巡目
夕方:
7~28MHz→(28MHzで交信できれば50MHz)→
10MHz→7MHz→3.5MHz→1.9MHz→3.5MHz→1.9MHz

図1 移動ルートの概要(実際のルートはこれより複雑なので、簡略化して表示)
筆者の自宅から福岡へは車で10時間以上かかるため、25日の午後に出発し、26日の朝から運用を開始する計画を立てました。最初の運用場所は福岡県那珂川市でした。ここでは2018年10月の市制施行で移動運用を行っており(2018年11月号の記事)、現地の様子を把握していたため、運用場所の選定に困らないだろうと考えました。
移動中は雨や雪が降り、那珂川市に着いてからは風も強まりました。スマホで現在地の天気を確認すると、気温0℃、風速9m/s、体感気温-7℃と出ていました。その後に移動した大野城市・太宰府市・筑紫野市でも、時々雪がちらつく、厳しい環境での運用になりました(写真1)。
カレンダー上では金曜日で、仕事納めの方が多い日だったため、伝搬のコンディションが上がらない上に運用局も少ない様子でした。結果として、1日目の終盤は空振りCQが続く展開になりました。

写真1 大野城市での運用の様子
朝の冷え込みは厳しく、完全防寒装備で鳥栖市から運用を開始しました。冬季の九州地方は、日の出の時刻が遅く、7MHz帯の国内が聞こえ始める時刻も遅くなります。この日はさらに伝搬のコンディションが悪く、10MHz帯もあまり聞こえないまま次の場所に移動することになりました。佐賀県の三養基郡基山町で運用した後は福岡県に移動し、三井郡大刀洗町、小郡市、朝倉郡筑前町で運用しました(写真2)。
昼間は14MHz帯が良かったものの、夕方に運用した筑前町では14MHz帯はほぼ聞こえず、代わって7MHz帯が長時間のパイルアップになり、1時間弱で126QSOを記録しました。

写真2 小郡市での運用の様子
佐賀市から西に向かい、5つの市町で運用しました。この周辺はおおむね平地の地形ですが、北側の福岡県との県境には山があるため、サテライト通信では仰角の低いパスは影響を受けることがあります。
5市町とも、事前に地図で調べておいた公園で運用しました。年末休みに入っていたこともあり、スポーツ大会等の大規模な行事は無く、場所の確保は容易でした(写真3)。10時台には18MHz帯が良く聞こえて、神埼市で30QSOを記録した以外は、ハイバンドの目立ったオープンは見られませんでした。夕方の三養基郡みやき町では7MHz帯で113QSOを記録しました。
また、時期によっては苦戦する1.9MHz帯は伝搬が良好で、早朝・夜ともに安定して聞こえていました。

写真3 神埼郡吉野ヶ里町での運用の様子
久留米市で運用を開始し(写真4)、福岡県南部の5市で運用しました。本来であれば、八女郡広川町、三潴郡大木町の一郡一町のQTHでも運用したかったのですが、今回は過去の運用実績が比較的少ない市を優先することにしました。
都市部の公園は夜間は閉鎖されることが多く、運用場所の選定にはやや苦労しましたが、最終的には事前の予定通りに運用できました。伝搬のコンディションは、この時期としては平均的な感じでした。

写真4 久留米市での運用の様子
次ページは「熊本県に入り、沿岸部から内陸まで5か所で運用」から
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