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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第30回 テレビ朝日アマチュア無線クラブ(JA1YHC)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

メンバーの皆さんにインタビュー♪

鈴村さんと唐沢さんにお話をうかがっていたら、お仕事の終わったメンバーの皆さんが、次々に部室へ集まってくださいました。そこで恒例のミニインタビュー!! お話をまとめさせていただきました。


右から、鈴村さん(7L1GQM)、久保田さん(JA1RGQ)、市川さん(7K1PTO)

★7L1GQM 鈴村さん(技術局)
6年前にクラブの会長に就任されました。群馬県のご出身で、無線に興味を持ったのは小学生のときに買ってもらったおもちゃのトランシーバー(27MHz帯)だったそうです。

高校時代、ハムをやっていた同級生から受験のしかたなどを教えてもらい、東京・晴海で国家試験を受けて資格を取りました。開局は144/430MHzのハンディ機に付属のロッドアンテナ。たまたま聞こえていた、面白そうなローカルさんのグループに声をかけ、仲良くしていただいたそうです。

東京の大学に進みましたがハムはやらなかったそうで、テレビ朝日に就職し、無線部に入ってから再開を果たしました。現在は自宅にルーフタワーを建て、3.5~1200MHzにQRVしていらっしゃいます。

★JQ1TAM 唐沢さん(技術局)
「アパマンハムで、周囲の高層建物に埋もれていることもあって、ほとんど今は自宅から無線をやっていません」ということですが、小学生の頃、電気系の学校を出ていた父親から2石のラジオキット作りを勧められたのが、無線に興味を持つきっかけになったそうです。

ラジオをいじっていたら、夜になると昼間とは違う局が聞こえてくることに気付き、父親がその理由を教えてくれたそうです。ある日、家の近所にあったラジオ局の送信所を訪れてみましたが無人で当然誰も出てこない。人がいるのは“演奏所”側ということにしばらくしてから気付いたとのこと。気を取り直して人のいる放送局舎をアポなしで訪問し「すみません、ラジオを放送する機械を見せてください」と伝えたら、職員の方に見学させてもらえ、とても感激して“今度は電波を出すこともやってみたい”と強く感じたそうです。

父親に「自分も無線を始めたくなった、まずは簡単にできるCB無線を…」と話したところ、「申請だけで済むようなCB無線ではダメだ。きちんと勉強して国家試験に合格しないと運用できないハムの試験を受けるのなら受験費用は出すよ」と言われたので、小学6年生の1月に養成課程講習会を受講(当時の受講時間は44時間)し合格、中学1年生の7月に開局したそうです。

「養成課程講習会を無事修了した直後、中学1年生になる直前の春休み、父親が名古屋へ遊びに行こうと連れて行ってくれました。“動物園とか名古屋城に行くのかな?”と思ったら、大須の電気街に向かい、いきなり無線ショップでTS-700Sとアンテナの価格交渉をしている父親の姿を目の当たりにして、腰を抜かす想いでした」という感激な思い出も!! 昭和50年代に15万円の無線機はとても高価。その無線機はまだ大切に持っていらっしゃるそうです♪

★7K1PTO 市川さん(報道局/関連会社勤務)
秋田県のご出身です。小学校の時にラジオ組み立ての通信教育を受け、続いてアマチュア無線の講座を受講されました。ハムの国家試験は中学になってから仙台市で受験。2回目で合格したそうですが、当時は町で話題になったそうです。

中学校は自宅から自転車で10kmぐらい離れた場所だったので、行き帰りにハンディ機で自転車モービルを楽しんだこともあったとか。高校入学後は当時最後の記述式とモールスの送信術もあった2アマ試験に一発合格しました。

就職は東京へ。テレビの世界に興味を持ち「カメラや中継の仕事をしてみたい」と、今の仕事に就き、その後で当時まだ珍しかった“7Kコール”で個人局を開局したそうです。中継車で取材現場に行き、仕事後の休憩時間や、全国津々浦々の出張先などでハンディ機で電波を出すことがあったそうです。あるときは中継車のアンテナポールを借りて50MHz帯のダイポールアンテナを張り、ピコ6で運用したこともあったとか!!

現在は分譲マンションにお住まいですが、屋上には大きなアンテナが建っているそうです。「入居物件を探していたとき、このマンションの開発業者の監督がハムであることを知り“第1期で入居するなら、屋上の設計図面の中にアンテナを組み込んであげますよ”と提案してくれたので、すぐに契約しました」というエピソードが! なんて羨ましい~!!

仕事柄、海外に行くことも多いのですが、出張に合わせて現地国の免許を取得し、韓国や中東諸国から電波を出したこともあるそうです。

市川さんは「趣味の世界であるアマチュア無線ではありますが、特に移動運用などで経験する多くの成功や数々の失敗。実はこれら多くのアマチュアの経験が“とにかく現場へ行って見ないとわからない!”そんな、さまざまな取材現場でのカメラ撮影やテレビ生中継など、多くの我々プロとしてのテレビ制作現場の仕事にも直接活かされており、仕事にもそれ以上に無線にも興味や好奇心を持ちながら普段より一生懸命楽しんでいます」と熱く語ってくださいました。会長の鈴村さんによると「クラブで一番アクティブなのは市川さんかもしれません」というお話でした。


衛星通信用のパラボラアンテナを装備したテレビ朝日の中継車。市川さんは報道局の所属で、こうした車両で中継現場に駆けつけることもあるそうです

★JA1RGQ 久保田さん(テレビ朝日 顧問)
東京のご出身です。小学校の時にゲルマラジオを組み立てたのが無線に興味を持つきっかけになりました。入学した中学校が高校との一貫校でクラブ局もあり、「みんなで無線の免許を取ろう!」という雰囲気があったそうです。

大学は“アマチュア無線クラブが一生懸命やっているところ”ということで東京工業大学を受験。入学後はもちろん無線クラブ(JA1YAD)に入部し、2アマ→1アマとグレードアップし、自宅も500W局にしましたが、「この免許をもらった後で熱が冷め、興味は自動車のほうに移ってしまった」のだとか。

大学院を出てから郵政省電波監理局(現在の総務省)に入省。そのうちにコールサインを切らしてしまい、しばらくしてからJA1の再割り当てが始まったことを知って「JA1RGQ」のコールサインで再開局を果たしました。

5年前に退官するまでの数年間は、テレビ放送をアナログからデジタルに移行する作業の仕上げで大変だったそうです。退官後は大学で研究プロジェクトなどに関わり、3年前にテレビ朝日へ。アマチュア無線クラブのメンバーに「今度の顧問はアマチュア無線が趣味らしいよ」と伝わり、さっそく入部の勧誘にあったそうです♪

現在、個人局でのアマチュア無線は、山梨県内の山小屋に設置した200W局で楽しんでいらっしゃいます。「国立公園のエリアなので、景観保全のためタワー設置は禁止になっています。目立たない色に塗装したIV線を使ったワイヤーアンテナでQRVしています」というお話でした。

★JM1UWB 工藤さん(技術局)
神奈川県のご出身です。小学校のときに5歳上の兄がハムの免許を取り、小さなアンテナと無線機で北海道や沖縄と交信をしていたのを見て興味を持ちました。(後にアンテナは50MHzのL型GP、伝搬はEスポだったことを知りました)中学校には無線クラブがなかったため、理科系のクラブに入ったところ、顧問の先生がハムの免許をお持ちで、資格の取り方を教えてもらったそうです。

モールスを覚え、電信級を取ってから中3で開局。高校では無線クラブに入り、コンテストの楽しさに目覚めました。高校2年生の春に1アマに合格。東京・晴海のハムフェア記念局でハイパワー運用したのも思い出だそうです。

大学はコンテストにアクティブな無線クラブ(JA1YXP)がある芝浦工業大学へ。初めてDXコンテスト(CQ WW DX)に参加したらとても面白く、すっかりはまってしまったそうです。JA1YXPは以前から全市全郡コンテストに常勝でしたが、工藤さんがいた年にコンテストのレコードとなる得点を記録したそうです。

就職は「電波に関係あるところへ」とテレビ朝日に入社。「ちょうど旧社屋の取り壊しと新社屋の建設が決まった時期で、入社早々、新社屋のプロジェクトに組み込まれました。この時期が一番忙しかったですね」と振り返っていらっしゃいます。

その後、2009年から5年間はテレビ朝日に関連するさまざまな無線局・放送局免許や、地デジ化で増加した中継局の開設免許申請などを担当されたそうです(現在は、ほぼ電波に関係ないお仕事をされていらっしゃいます)。

--テレビ朝日アマチュア無線クラブの皆さん、忙しいお仕事の中、 貴重なものを見せていただき、楽しいお話で時間があっという間に過ぎてしまいました!!


テレビ朝日アマチュア無線クラブの皆さん、ありがとうございました!

会社のクラブ局として、アクティビティ向上策など、とってもよく考えられていて、OBの皆さんの結束力の高さにも驚きました。むせんのせかいの絆を強く感じたなぁ! 今度は私もご一緒させていただいて、移動運用も実現したいなぁ! その前にハムフェアでお会いしましょうね!! あ!歌のお仕事でもお邪魔させていただける日を楽しみに、また1歩!がんばろう♪ だって、最強のお稲荷様にパワーいただいたんだもん(笑)
ありがとうございました!!!

(JH1CBX Masaco)

★Masacoプロフィール

兵庫県生まれ。シンガーソングライター。
学生時代は陸上競技ランナー、全日本インカレ出場。公務員となったが「歌い手になりたい」を実現すべく退職し上京。

NHK朝の連続ドラマ小説出演などを経て、IBS茨城放送のレギュラーラジオ番組パーソナリティーを6年、ラジオNIKKEI第一でもパーソナリティーとして活躍。全国高校統一模擬試験「英語リスニングテスト」の 日本語出題ナレーターなども務める。

オリジナル「あなたとともに咲かせましょう/むせんのせかい」はバックに流れるモールス信号も話題となり無線愛好家からの支持も得る。昭和歌謡の懐かしさに心躍る最新作「晴れおんな」ではMasacoの新しい世界を聞くことができる。

コールサインはJH1CBX(第3級アマチュア無線技士)

・公式サイト:http://www.19box.net/masaco/
・オフィシャルブログ(Masaco Diary):http://blog.goo.ne.jp/33masaco/
・Twitter:https://twitter.com/Masaco3
・Facebookページ:https://www.facebook.com/Masacosama

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