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日本全国・移動運用記

第35回 KANHAM会場周辺移動

JO2ASQ 清水祐樹

大阪府池田市で開催されたKANHAM(関西アマチュア無線フェスティバル)に今年も参加しました。Eスポ(スポラディックE層)による異常伝搬は、5月上旬から7月中旬頃に発生頻度が高く、KANHAMの時期はEスポシーズンの終盤に当たります。しかし、今年のEスポは7月になっても活発で、KANHAMの開催中にも期待できそうな気配がありました。そこで、会場周辺でいつでも移動運用できるよう、フル装備で会場に向かいました。

1日目の午前、強力なEスポが発生

大阪は移動運用の場所の確保が難しい地域が多く、いつも多くの運用リクエストがあります。1日目は会場入りする前に、リクエストが多かった摂津市で運用することにしました。公園に隣接する駐車場で、釣竿アンテナを使った簡単な設備を使って設営しました。

HFは7MHzから運用を始めました。朝6時台でも早速多くの局から呼ばれ、伝搬のコンディションは良さそうです。暑さがピークを迎える8月頃には、俗に「夏枯れ」といわれるHFの伝搬状態が非常に悪い時期があります。しかし、この日の朝は猛暑でありながら、夏枯れでは無さそうな気配でした。

10MHz、14MHzと順番にQSYするにつれて、各バンドとも多くの局から呼ばれました。特に14MHzは、通常は近距離の交信が難しいバンドであるにもかかわらず、福井県が強力に聞こえているなど好調で、信号がどんどん強くなっていました。ここで50MHzがオープンしているという情報があり、長さ1.5m足らずのホイップアンテナを準備して試しにCQを出してみます。すると、通常の条件では、大きなアンテナが無ければ聞こえないはずの神奈川県や新潟県からの信号が聞こえてきて、短時間のうちに7局と交信できました。確率的には年に数回あるか無いかの、強力なEスポのようです。

その後、18~28MHzの各バンドでも強力な信号で多くの局から呼ばれ、Eスポを楽しみました。ついに、144MHzで北海道が聞こえるとの情報が入り、八木アンテナを準備して受信してみましたが、残念ながら入感はありませんでした。まさか、144MHzでEスポが発生するとは予想しておらず、北東側に高い建物がある場所を選んだため、HFに比べて直進性が強く、回折(障害物の裏側に回り込む)の効果が弱い144MHzの電波は、建物に遮られてしまったようです。

開場セレモニーより少し遅れてKANHAMの会場に到着し、各ブースを楽しんだ後は、会場近くの伊丹市に移動することにしました。

1日の午後は、伝搬状態が大きく変化

伊丹市の空港に隣接する公園で運用を開始しました(写真1)。暑い中での運用は、水分補給をこまめに行う必要があり、トイレのある場所が安心できます。午前中のような盛況を期待したにもかかわらず、電離層のコンディションは大きく低下し、7MHzがやっと聞こえる程度で10MHzから上のバンドはほとんど聞こえなくなりました。猛暑のためいったん屋内で休憩し、夕方に再び同じ場所に移動して、10MHzで何とか10局と交信できました。


写真1 伊丹市の運用場所の様子

2日目の午前も大当たり

2日目の午前は、これもリクエストが多かった神戸市西部を狙うことにしました。まず、須磨区の海岸近くにある広い駐車場を利用し、早朝から海に繰り出す人達の動きと重ならないように、空いている場所を確保しました(写真2)。


写真2 須磨区の運用場所の様子

しかし、午前7時の時点でHFの伝搬状態は悪く、7MHzよりも3.5MHzの方が多くの局から呼ばれるといった状態でした。日の出が早い時期に、朝の3.5MHzがこれだけ良く聞こえるのは、むしろ珍しいです。それでも粘り強くワッチしていると、8時頃になって10MHzが聞こえ始めました。この状態が続けば、移動運用した先々で、どこかのバンドではパイルアップになりそうです。

垂水区に移動し、公園の駐車場で運用を再開しました(写真3)。9時頃からEスポ発生の気配があり、14~28MHzのバンドで次々に多くの局から呼ばれました。50MHzは1エリアが強力に聞こえており、短時間のうちに前日を上回る17局と交信できました。しかし、電離層の状態が変わると、先程まで50MHzのバンド全体がモガモガと賑わっていた様子が急に静かになり、ホイップアンテナでは強い局が数局確認できる程度になっていきました。


写真3 垂水区の運用場所の様子

このような50MHzのオープンを確実に捉えるためには、HFの各バンドを巡回しながら、24MHzや28MHzで近距離が聞こえてきたタイミングで50MHzにQSYすると、成功する確率が高くなります。

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