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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第80回 神奈川県立海洋科学高等学校 電子研究サークル(JA1ZNW)の皆さん

2026年11月2日掲載

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

クラブ局の無線機とアンテナを拝見!

ここでクラブ局の無線設備を見せていただいたのですが、無線機の数がとても豊富でビックリしました!

まずポータブル機のIC-705が7台!! そしてIC-7300S、TS-990D、TS-890DなどHF機が4台!! V・UHF帯ではIC-9700などのオールモード機、モービル機、TH-D75などのハンディ機もありました! ほかには広帯域受信機のIC-R8600が5台も!!


電子研究サークルの無線機を見せていただきました。IC-705がいっぱい!!


HF機のTS-890Dと広帯域受信機IC-R8600。IC-R8600はなんと5台も使っています

部員数よりも、無線機のほうが多いなんて凄いです! この連載でいろいろな学校を訪問していると、たまに「無線機の台数が少ないので、リグが取り合いになります」といった悩みを聞くことがありますが、これだけあれば好きなときに好きな無線機が使えますね。

ちなみに八木先生からは「アイコムの無線機は使いやすいし、どの機種も基本的な操作は同じなので、生徒たちも説明書を見なくても使いこなせるので人気があります」という感想をいただきました♪


副部長の小寺澤さんがクラブ局のJA1ZNWを運用中!

続いて北棟の屋上でアンテナを見学しました! 相模湾に近い南側の手すりはアンテナだらけ。全部で30基? もしかしたらそれ以上あるかもしれません。HFやV・UHFなど、ほとんどが垂直系のアンテナですが、中にはぐるぐる回るマリンレーダーや、レドームに収納された気象用レーダーのアンテナもあります。


屋上を見学させていただきました。アンテナは大小30基まで数えたのですが、まだまだありそうです・・・

屋上のタワーには、ひときわ目立つHF帯のログペリアンテナが取り付けられ、その下に垂直のHF帯アンテナと、JA1ZNWの運用で使っているワイヤー式のダイポールアンテナがありました。


大型のログペリアンテナとマリンレーダーを発見!

電子研究サークルの皆さんにミニインタビュー

もう一度、電波実習室に戻って皆さんにミニインタビューです。この学校に入学した理由、電子研究サークルに入部した動機、将来の夢などを伺いました。

●畑中さん(無線技術科1年)
この高校は、資格がたくさん取得できて就職に役立ちそうというのと、ドローンを飛ばしてみたいという好奇心からです。毎日忙しいですが、新しいことができるのが楽しいです。部活は、もともと情報通信クラブに入っていましたが、隣の部屋でやっていたこのサークルの活動が楽しそうに見えたので、入って掛け持ちしています。まだ1、2回ですが無線交信もしてみました。将来の夢はまだ決まっていませんが、資格をいろいろ取って探そうと思っています。

●春日さん(無線技術科1年)
この高校で勉強していろいろな資格を取れば、就職に有利そうだなと思って選びました。クラスは最初、みんな静かで「大丈夫かな?」って思ったのですが、2か月くらい経ったらめっちゃうるさくなって(笑)、楽しいクラスだと感じています。

電子研究サークルは、入学直後の部活動紹介で興味を持ち、部の先輩に活動内容を聞いて面白そうだと感じたので入りました。ほかには舟艇部に入っています。最大12人ぐらいが乗れるオールで漕ぐ船で、呼吸を合わせて漕ぐのが大変です。夏は日焼けと筋肉痛で大変なことになります(笑)。将来は海上自衛隊に入りたいと思っています。

●佐藤さん(無線技術科1年)
知り合いに自動車でアマチュア無線をやっている人がいて、その人に資格取得を勧められて“この学校に入れば資格が取れるな”と思って入りました。入学後に4アマの資格を取ったので早く開局したいのですが、無線機の値段が高いのでなかなか買えないです。でもここからクラブ局のコールサインで交信しています。

クラブに入った翌日にARDFの大会がありました。何も知らないまま会場へ連れていかれて(笑)、でもFOXをいくつか見つけることができて楽しかったです。“いろいろな資格を取ると就職に有利”ということを知ったので、船や飛行機など乗り物に関わる仕事をしたいと思っています。


左から畑中さん、春日さん、佐藤さん

●副部長 小寺澤さん(無線技術科2年)
小学生の頃から海や魚に興味がありました。小学4年生のときの職業体験で魚屋さんを選んだのをきっかけに“将来は水産系の学校に行きたい”と思うようになりました。中学生のときに進学先として海洋系の高校を探して、ここを見つけました。自分の興味(パソコン)に一番合っているのが無線技術科かな? と思っています。入学して授業は楽しいですし、自分とマッチしている学科で、もちろん海洋のことも勉強できて“2倍楽しめる”みたいな感じでした。

アマチュア無線は高校に入ってから知り、講習会で免許を取りました。実際に無線交信をしたのは1年生の夏休み前ぐらいまでで、それからは取りたい資格の勉強に追われています。将来は海上保安庁の職員を目指しています。海上保安学校か海上保安大学校に入り、船舶の通信長になれたらいいなと思っています。海上交通センターにも興味があります。

●山口さん(無線技術科2年)
中学生の時に友達に誘われてこの学校を知りました。体験入学のときにドローンを飛ばすことができて、それで「ドローンいいな!」と思って決めました。今もドローンが大好きで資格取得に頑張っています。

学校は結構楽しいです。専門的な分野は難しいなと思うところもありますけど、ちゃんと内容を理解すれば点も取れるので大丈夫です。クラスに男子は20人以上いるのに、女子は7人しかいません。女子がもっと増えてくれると嬉しいですね。電子研究サークルには、ARDFに参加しようと思って入りました。大会に参加して友達もできました。アマチュア無線で電波を出したときに、ARDFで友達になった磯子工業高校の人ともつながることができました。

将来は、ちょっと海洋とは関係ないですけど、市役所の事務職に就きたいです。公務員は安定しているということもありますが(笑)、事務職の中でも海洋、海とかの専門の部署に行きたい、この学校で学んだ視点を生かしたいと思っています。


左: 小寺澤さん、右: 山口さん

●部長 片桐さん(無線技術科2年)
海や釣りが好きです。中学校にこの学校のポスターが貼ってあって、それで気になって学校説明会に来たら、なんか良さそうだなと感じて(笑)。どうせ高校に行くなら、好きなことができそうなここにしようと思いました。自宅が遠かったのですが、入学のタイミングで学校まで徒歩5分の場所に引っ越してきました。海も近いので釣りを楽しんでいます。

学校はとても楽しいです。入学してから資格もいろいろ取りました。明日も一総通(第一級総合無線通信士)の試験を受けに行きます。一陸技(第一級陸上無線技術士)の受験も同時に進めているので、科目はそっちでやればいいかなと思っています。

電子研究サークルに入った理由は、もともと隣でやっている情報通信クラブに入っていたのですが、ARDF大会に出てみたくてこちらにも入りました。ARDFでは全国大会も行きました。でも結果はボロボロ・・・、全国の壁は高かったです。将来は、皆さんに何か貢献できるような仕事がしたいですね。

●神部さん(無線技術科2年)
もともと水族館が大好きで、この高校の生物環境科を志望したのですが、落ちてしまって、第二希望の無線技術科に入りました。でも2年間通って“無線技術科でめちゃくちゃ良かったな”って思っています。資格がたくさん取れて、勉強していくにつれて、電子とか電気に興味が出て、その機械や仕組みが面白いと感じるようになりました。

電子研究サークルに入って4アマの資格を取ったときに、先生から「磯子工業高校と交信してみないか?」と言われて交信してみたら楽しかったんです。「好きな食べ物は何ですか?」とか、そういう話だけでも楽しくて。無線を通じて仲良くなれるっていうのは、ネットと違った面白さがあると思います。誰とつながるかわからないというのも良いですね。

あと、軽音部にも入ってベースを担当しています。楽器もやっぱり電気とつながっているので、それでまた楽器の構造や、音を出力するアンプなどの構造にも興味が出て、何か作ってみたいなと考えています。この学科に入らなかったら軽音部にも入っていなかったかもしれないし、電子、電気に興味が出てなかったかもしれません。将来は明確に決まっていませんが、大学の電子電気コースでさらに詳しいことを学んで、高校で取らなかった資格は大学の4年間でたくさん取って、電子、電気に触れられる仕事に就きたいと思います。


左: 片桐さん、右: 神部さん

Masacoのチャレンジタイム!

最後は恒例、Masacoのチャレンジタイムです。今回は校庭の一番奥に設けられたドローン練習場で、ドローンの飛行に挑戦させていただけることになりました。


校庭のドローン練習場にやってきました!

校庭のドローン練習場は、操縦訓練中の危険を防ぐために、周囲を高いネットで囲み、訓練者はヘルメットを着用、操縦訓練に使うドローンは安全な範囲だけ飛行できるようにする、といった安全対策を施しています。

その練習場で、私もドローンの訓練飛行をするというのが、今回のチャレンジです! この連載でもドローンは何度か操縦させていただく機会がありましたが、屋外で本格的なものを操縦するのは初めてで緊張します。部長の片桐さん、よろしくお願いします♪

--この電動のリールみたいなものは何ですか?

「これは“ドローンスパイダー”という装置で、ドローンに繋いだワイヤーを、適度なテンションで巻き取ったり、繰り出したりしてくれます。この装置を使えば、ドローンはワイヤーの伸びる範囲だけしか飛行できなくなります」


ドローンの操縦訓練に便利な「ドローンスパイダー」

--初めて見ました! ワンちゃんの散歩に使う巻き取り式のリードみたいなものですね(笑)。

「ドローンは、コントローラーについている左右のスティックで操縦します。左が上昇・下降と左右回転、右スティックが前進・後退と左右への移動です。画面にはドローンのカメラで撮影した映像のほか、いろいろな情報が出るので確認してください」

--はい。結構忙しそうだけど頑張ります!


片桐さんの説明を真剣な表情で聞いています・・・

部長の片桐さんに指導していただきながら、離陸開始! 地上からスッと上がり、とても滑らかに飛びます♪ ホバリングは超小型ドローンよりも安定していて、自分の操縦が上手になったような錯覚も!?


いよいよ離陸。コントローラーを持つ手が少し汗ばんできました・・・

四角に飛んだり、8の字に飛んだりにも挑戦・・・ 難しい!! でもワイヤーが繋がっているので、操縦に失敗しても遠くに飛んでいかないという安心感がありました。

最後に、指定された場所にゆっくり、きちんと着陸するのはめっちゃ難しいです・・・。勢い余ってひっくり返らないかヒヤヒヤもの! 私もこういう広い練習場で、たっぷりと操縦技能を身につけたいと思いました!


私の操縦で、このドローンが飛んでいます!!


ドローンスパイダーのワイヤーを引っ張りながら(笑)力強く飛んでいます。楽しい~♪

皆さん、ありがとうございました!

神奈川県立海洋科学高等学校 電子研究サークルの皆さん、顧問の原田先生、八木先生、ありがとうございました!


皆さんありがとうございました。一日楽しく過ごしました!!

無線技術科では無線従事者になるための知識と技術を学ぶだけでなく、ドローンなどの最新デバイスも使いこなせるようになるし、さらに電子研究サークルに入ればアマチュア無線やARDFなど、無線を使った楽しみを知り、楽しさを広めることができるという、素晴らしい取り組みだと思います。

衛星通信やデータ通信が普及しても、船と陸とをつなぐ手段が電波であることに変わりはありません。今回の訪問で、私はますます海が好きになり、海で働く人と、帰りを待つ人たち、それを結ぶ電波に思いを馳せるようになりました! 電子研究サークルの皆さんの、これからの人生のご安航をお祈りします!!

そして、この連載も今回でなんと80回目!!! 学校や企業など、80か所もの場所を取材させていただきました! これからも無線の世界を巡る旅は続きます。たくさんの出会いを大きな船に乗せて、まだ見ぬ景色と新たな出会いを求めて、これからも航海を続けていきたいと思います♪

(JH1CBX Masaco)



【第19回海洋祭(文化祭)一般公開のお知らせです!】


神奈川県立海洋科学高等学校は2026年11月7日(土)の10時から15時まで、文化祭の「第19回海洋祭」を一般公開します。どなたでも入場可能で事前予約は不要。海洋科学高校で学んでいる生徒さんの雰囲気や、学習・研究している内容がわかるイベントで、さまざまな企画が予定されています。

当日、無線技術科では、中学生を対象にしたプログラミング実習の体験授業を午前10時30分からと午後1時30分からの2回、北棟3階の情報処理実習室で行うそうです。詳しくは同校の公式サイト(https://www.pen-kanagawa.ed.jp/kaiyokagaku-h/)または公式Instagramをご覧ください。

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