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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第26回 一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

こんにちは、Masacoです! いよいよ4月! 今年はもうすでにあちこちで桜がフンワリ咲いていますね!!! どんなに寒い冬空の下でも桜はコツコツとその準備をし、やがて優しい花が開き、喜びを与えてくれる・・・。待ちゆく人の表情までも柔らかくなる春が大好き。私は、4月8日(日)に兵庫県芦屋市で行われる「第30回芦屋さくらまつり」に、バイオリンの菅野朝子さんと出演、オリジナルと春のカバー曲を織り交ぜてお届けします♪ 芦屋川を挟んで向う岸にステージがあるというちょっと幻想的な空間です。桜と歌でちょっと1杯♪ ぜひいらしてくださいね! その頃まで桜よ、散らないで(汗)。

さて、今回の『Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~』は、アマチュア無線家なら知らない人はいない、そして誰もがお世話になっている組織、一般社団法人 日本アマチュア無線連盟、JARLへお邪魔させていただきましたよ~♪

第26回 一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)の皆さん

この連載『Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~』は、いろいろな学校や企業の無線クラブにお邪魔させていただいていますが、ずっと“アマチュア無線家の皆さんの中心になって活躍しているJARLのことを知りたいな”って思っていたのです。

2月の終わりのある日、JARL事務局がある東京都豊島区南大塚にやってきました。ここは東京でただひとつの路面電車(都電)が走る街!


JARL事務局の最寄り駅、JR大塚駅前は東京で1路線だけの「都電」も通っています

最寄りのJR大塚駅から歩いて5分、1階にコンビニが入ったこのビルの6階にJARL事務局があります。屋上には大きなアンテナが見えました!


JARL事務局が6階に入居する「大塚HTビル」前に到着!! 屋上にはアマチュア無線用のアンテナが建っています

エレベーターで6階に上がると、JARLの髙尾会長(JG1KTC)と玉眞専務理事(JA1SLS)が待っていてくださいました。お忙しいのに、ありがとうございます!!!


JARL事務局に到着しました~!「モールス符号をユネスコの無形文化遺産へ」というパネルも掲示されていました

知ってる? 知らなかった!? JARLの組織と活動

まずは応接室で、髙尾会長からJARLのことをいろいろと教えていただきました!!


応接室で髙尾会長(JG1KTC)から、JARLの歴史や活動、会員サービスについて伺いました

JARLは1926(大正15)年6月、37人のアマチュア無線家によって設立された組織です。1926年というと日本でラジオ放送が始まった翌年で、まだ個人が趣味で無線を使うことを規定した法律もない時代の、最先端の趣味だったそうです。

発足後のJARLは、無線を通じて同好の士を増やすとともに、「短波私設実験局」を許可してもらう献身的な活動や、IARU(国際アマチュア無線連合)に加盟、機関誌を発行するなど活動を拡げていきました。ところが1941(昭和16)年の太平洋戦争勃発で私設実験局は活動を禁じられ、JARLも事実上の活動停止になりました。

終戦翌年の1946(昭和21)年、JARLは再結成大会を開催。政府やGHQにアマチュア無線の再開を粘り強く働きかけ、ようやく1951(昭和26)年に第1回のアマチュア無線国家試験が実施され、翌1952(昭和27)年7月29日に、戦後初のアマチュア無線局の予備免許が30名に下りたそうです。これを記念して毎年7月29日が「アマチュア無線の日」に制定されています。

そこからグングン!! 日本のアマチュア無線は成長を続け、ピークの1995年3月末には136万局が免許を受ける状態になりました♪

こうしたアマチュア無線の発展に支えたのがJARLで、1人1人のアマチュア無線家では実現できないような「資格制度の改正」「アマチュアバンドの拡大」「さまざまな規制の緩和」などを国に働きかけたり、ハムの力を結集してアマチュア無線衛星の打ち上げを実現したり、QSLカードの転送、アワードの発行、ハムフェアなどの各種イベントの開催など、アマチュア無線家が趣味を楽しむためのサービスをいろいろ行っています。またIARU(国際アマチュア無線連合)の第3地域(Region3)のメンバーとしての活動や調整も行って、世界のアマチュア無線団体と連携しています。


JARLが1977年から毎年開催している「ハムフェア(アマチュア無線フェスティバル)」。昨年は2日間で39,000名が来場しました。連盟の年間行事の中で最大のイベントで、事務局も準備でとても忙しくなるそうです

結成当初のJARLは任意団体でしたが、昭和34年には郵政省所管の「社団法人」になり、平成23年には公益法人改革で「一般社団法人」になりました。会員数も当初は30人足らずだったものが、一時は20万人にもなり、現在も6万6,000人を超える会員がいるそうです。


毎年6月に開催される「定時社員総会」には、全国各地から社員(代議員)が集まって真剣に討議を行います

こうしたJARLの活動の中心となっているのが、今回お邪魔したJARL事務局です。ここには22名(職員18名、専務理事1名を含む)のスタッフがいらっしゃいます。20代、30代の若い職員の方もいるそうですよ!

そのJARLのトップが髙尾会長!! 私、JARLの会長さんというと“お年を召した大OMさん”というイメージがあったのですが、髙尾会長は1957年生まれの60歳、まだまだお若く、時間さえあれば山に登って電波を出すというエネルギッシュで現役バリバリのアマチュア無線家です!


髙尾会長にインタビュー中。お話がとっても面白く、あっという間に時間が経ってしまいました♪

--髙尾会長はいつ頃アマチュア無線を始められましたか?

「私は中学生の時から無線に興味を持ち、最初は500mW出力の市民ラジオ(合法CB無線)をやりましたが、違法局が大変多くて電波は思うように飛びませんでした。そこで高校1年生の時に国家試験でアマチュア無線の資格を取りました。それから高校生活はアマチュア無線三昧で、学校では科学研究部の部長として無線のコンテストに参加し、山へ移動運用に行き、自宅では夜な夜な仲間と交信しました。特定のチャンネルを示し合わせて、同世代のYLハムと交信するのも楽しかったですね(笑)」

--まさにハムが青春だったのですね~。2年前、JARL会長になられてからは、全国を飛び回っていらっしゃいますよね。

「はい、お声がけをいただいたイベントには、時間の許す限りお邪魔しようと思っています。Masacoさんともよくイベントでお会いしますね」

--私はKANHAM、東海ハムの祭典、ハムフェアとか…1年で5か所ぐらいかしら。会長には全然及びません(汗)。

「各地のイベントでは講演させていただいていますが、JARLは“会員ファースト”の団体として、会員の皆さんに安心してアマチュア無線を楽しんでもらえるようにサポートするように努力しています」

「細かいことですが、資格別門標板の頒布を再開したら1か月で1,000枚もの注文がありました。アンテナ保険の内容を拡充してPRを強化したら、加入者が3,000人も増えました。Masacoさんも登場するアマチュア無線のPR用ショートムービーも作りました。この春からは“雷事故補償保険”もスタートさせますし、PDF版の会員手帳がダウンロードできるように準備も進めています。こうしたいろいろな取り組みで、JARLに入る仲間を少しずつ増やしたい、みんなでハムの世界を盛り上げていきたいと思っています」

--仲間を増やしていくのは、結構大変ですよね。

「仲間が減ってしまったら組織が維持できません。特に、次のアマチュア無線界を担っていく若い皆さんを増やしたいので、昨年はJARL始まって以来の年齢制限付きイベント、22歳未満限定の“WAKAMONOアマチュア無線イベント”を開催しました」


2017年10月に東京・秋葉原で開催した「WAKAMONOアマチュア無線イベント」の受付風景。22歳未満の青少年が対象で、父兄を含めて250名以上が来場したそうです

--WAKAMONOイベント、とっても盛り上がったそうですね!!

「最初、そのイベントを提案したときは“そんなのやっても誰も来ないのでは?”“スタッフや出展者のほうが多かったらどうします?”とも言われました。しかし当日は、台風が来る中でしたが、お子さんだけでも150名、保護者を入れると250名以上が来場してくださいました。東京近郊だけでなく、北海道や静岡などからいらっしゃったと聞いて、熱心さに驚きました。本当にありがたい話です。ぜひ2018年も同じような時期に開催し、やがてはJARL地方本部や支部でもやってもらえればと考えています」


子供たちの笑顔がいっぱい!!「WAKAMONOアマチュア無線イベント」のひとこまです(写真提供:JARL)

--そういえば“お試し入会キャンペーン”の拡充も髙尾会長の発案でしたね。

「22歳未満の青少年は実質1年間、無料でJARLのサービスを体験できるという“お試し入会キャンペーン”がお陰様で好評です。1年間のお試し後に会費を払って継続してくださる方が、なんと4割もいらっしゃるんです。おかげで22歳以下の会員比率が少しずつ増えてきました」

--そうなんですか! 若い人が定着するのは素晴らしいです!!

「それと、アマチュア無線の仲間を増やす施策を考え、アマチュア無線を将来に伝えていくのはJARLの社会的使命の大きな1つだと思っています。非常通信関係では、政府の防災基本計画の中に去年“アマチュア無線”という文言が追加されました。“アマチュア無線との連携体制を取りなさい”という趣旨なので、いろいろな市町村などがアマチュア無線の活用を考えるようになってくれました。D-STARのレピータも北海道の稚内から沖縄の宮古島まで、全国で215局も開設されています。これはいざという場合にも心強いことでしょう」

--本当ですね! 私もアマチュア無線ではないイベントや、ラジオ番組に出演した時も、さりげなく、でも“ハムって楽しくて役立つ趣味だな”と思っていただけるように心掛けてお話ししますね。

「Masacoさん、ぜひPRをお願いします!」

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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