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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第64回 東京大学アマチュア無線クラブ(JA1YWX、JA1ZLO)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

こんにちは、Masacoです! いよいよ2022年も残りわずか。これまでの数年が一気に詰まったようなスピードで12月が駆け抜けています。皆さんは、やり残したことはありませんか?

嬉しいことに、今年の年末はハムの皆さんとお会いできるイベントがいろいろ! 12月4日はJARL関西地方本部の「年末ハムの集い」に参加させていただき、その場のリクエストにお応えして歌うという、まさにアイボールライブでした♪ そして12月18日は奈良市でアイコムさんの「アイコムフェアinならやま2号館」で、なんと“Masacoタイム”を設けていただきました♪

こうして私の歌が、私の存在が、誰かの前向きな明日へのエネルギーに少しでも繋がれば! 何より嬉しいのです。ご縁が空へ輪を描いていくような1日1日に、あなたがいてくれることが幸せです♪

さて、今月は10月下旬にお邪魔しました「東京大学アマチュア無線クラブ」(JA1YWX、JA1ZLO)の皆さんをご紹介します。東京大学は日本で最も著名な国立大学! そこにアマチュア無線クラブがあって、コンテストもアクティブ!! ということで、ずーっと前から訪問したい!!! と思っていました。今回、コロナ禍が少し落ち着いたタイミングでやっとやっと念願が叶ったんですよ~。

第64回 東京大学アマチュア無線クラブ(JA1YWX、JA1ZLO)の皆さん


東京大学は1877(明治10)年の創設。目黒区の「駒場キャンパス」、文京区の「本郷キャンパス」などがあり、法学部、医学部、工学部など10の学部で3万人近い学生さんが学んでいます。大学評価の世界的指標「QS世界大学ランキング」(2022年版)では、東京大学が日本国内の大学では第1位、世界で23位という、まさに日本を代表する国立大学です♪

そこに、昔からアクティブなアマチュア無線クラブがあるという情報を知ってから、ぜひ一度お邪魔して、皆さんとお話ししてみたい! と考えていました。その念願がついに叶い、渋谷駅から電車で3分、東急井の頭線「駒場東大前」の駅前に正門がある、駒場キャンパスにやってきました!


駒場キャンパスの正門に到着!

正門で「Masacoさん、お待ちしていました」と出迎えてくださったのは、アマチュア無線クラブの顧問で、東京大学 大学院工学系研究科(電気系工学専攻)教授の三田吉郎先生。JF4CZJというコールサインをお持ちの1アマでいらっしゃいます!

先生のご案内で、黄色く染まったイチョウ並木が美しいキャンパスを歩き、「学生会館」という建物にやってきました。この3階にアマチュア無線クラブの部室があるそうですが、まずは会議室で、部長の鈴木さんをはじめメンバーの皆さんとお会いし、クラブのことをいろいろと教えていただきました♪


お忙しい中、三田先生と8人の部員の皆さんが集まってくださいました

東京大学アマチュア無線クラブについて

「東京大学アマチュア無線クラブ」(略称: 東大無線部)は1966(昭和41)年に設立した、大学の課外活動団体(届出学生団体)です!

東京大学は入学者全員が2年間、駒場キャンパスの教養学部前期課程で学び、その後、それぞれが志望した学部・学科に進む仕組みで、学部によって4年間駒場で学ぶ人と、3年生から本郷など他キャンパスで学ぶ人があるそうです。そのため、アマチュア無線クラブは駒場と本郷の両方に部室があり、それぞれにクラブ局を設置しています。コールサインは駒場が「JA1ZLO」、本郷が「JA1YWX」です。


駒場キャンパス1号館の写真を使った、JA1ZLOのQSLカード

--ふだんの活動は、駒場と本郷のどちらが多いのですか?

「常設アンテナがたくさんあるので、無線の交信は駒場から行うことが多いです。コロナ禍以前、対面で行う部会も駒場で行っていました。本郷にはサークルが利用できる実験室があり、また部室の測定器や工作用機材も豊富なので、電子工作やアンテナ製作などを行うことが多いのですが、毎年7月の6m AND DOWNコンテストのように、アンテナを仮設してコンテストに参加することもあります」(部長の鈴木さん)


本郷キャンパスにある部室。測定器が充実しています


本郷キャンパスでレーザー加工機と基板加工機の講習中

--部員は何名いらっしゃるのですか?

「現在は30名で、うち3名が女性です。学年別では大学院2年: 3人、大学院1年: 4人、学部4年: 4人、学部3年: 3人、学部2年: 3人、学部1年: 9人、その他: 4人。資格別では1アマ: 13人、2アマ: 1人、3アマ: 11人、4アマ: 0人となっています」

--かなり大所帯ですね。1アマも多くてビックリです! 皆さん入学前からアマチュア無線の資格をお持ちだったのですか?

「入学までに資格を持っていた人と、資格はないけれど面白そうなので入部したという人が半々ぐらいです。未取得の人には“まず3アマを取って、それから1アマを取ろう”と勧めています。1アマの受験参考書は部にも用意してありますが、自分で勉強したい人が多いようなので、部としての勉強会はやっていません」


新入生勧誘の立て看板。「電波で遊ぼう、繋がろう」がキャッチフレーズです!


新入生勧誘のための説明ブースには、自作アンテナ、無線機、モールス電鍵などを持ち込んだそうです

--普段はどのような活動をしていらっしゃいますか?

「毎週1回、部会を行っています。コロナ前は対面でしたが、いまはオンラインになりました。ほかには年3回程度の登山移動運用(今年は東京都の陣馬山、茨城県の筑波山、千葉県の鋸山で実施)と電子工作会、年数回の交信練習会などです。あと、他大学の社団局との交流会(関東大学社団ミーティング)にも毎年参加していて、2019年はホスト校を務めました」


年数回の登山運用。自作アンテナを持参する部員も多いそうです♪

「それから年間で5~10ぐらいのコンテストに参加しています。JARL主催のALL JAコンテストや全市全郡コンテストは駒場から、6m AND DOWNコンテストは本郷からです。フィールドデーコンテストは学外に2泊3日で移動することにしていて、最近では群馬県沼田市や北群馬郡などで運用しています。それから毎年6月にはクラブで主催する“ALL JA1コンテスト”を行っています」


8月のフィールドデーコンテストは合宿で参加しています

--わあ、アクティブですね!

「ちなみに新入生ですが、ハムの資格を持って入部した人は、すぐ4月末のALL JAコンテストに戦力投入されます(笑)。7/14/50MHzは1アマの先輩が担当するので、3アマの新入生は21や28MHzなどを担当します。“資格は持っているけれど、交信したことがない”という人は、上級生とセットで交信を聞くところから始めてもらいます」


駒場キャンパスでのコンテスト参加風景

鈴木さんに伺ったら、このクラブはJARL主催コンテストの上位入賞も多く、2011年と2012年には2年連続で「登録クラブ対抗年間総合順位」の学校部門で第1位になったそうです。また2005年にはコンテストでの成績や無線通信普及活動などが評価されて「東京大学総長賞」を受賞しているんですって!!


今年の「ハムフェア2022」にもブースを出展し、クラブのPRを行いました!

--そして、東京大学アマチュア無線クラブと言えば、コンテスト用のログソフト「zLog(ゼットログ)」の開発で有名ですよね?

「はい、このクラブで一番の特長はzLogとプラグインの開発です。1992年に当時のクラブメンバーであった横林さんがPC-9801シリーズ用に開発したのが始まりで、その後はDOS/V用やWindows用に進化を遂げました。途中でサポートメンバーの引退などがあり2002年に開発が止まりましたが、2019年にソースコードがGitHubを通じて公開され、それを基にJR8PPG局などが修正改良に尽力され、現在はWindows10で動く“zLog令和版”として公開され、多くの方にお使いいただいています。クラブでは現在、そのプラグインによる機能拡張を開発し公開しています」


日本のコンテストファンに愛用されているログソフト「zLog」。上はオリジナル(平成版)、下は現在公開されている「zLog令和版」の画面です

--zLogをお使いのコンテストファンは多いですよね。ナンバーの入力やいろいろな機能が豊富で、参加書類の電子ログ提出までスムーズにできると聞いています。

「JA1ZLOのコールサインでコンテストに出ていると“zLog使っていますよ!”とよく言われます。2019年に令和版が出るまでは開発が止まっていたので、こう言われるたびに肩身の狭い、申し訳ない思いがしていました・・・」

アンテナと部室を拝見!

クラブのお話を伺ったあと、JA1ZLOのアンテナとシャックを見せていただきました。まずは屋上へ!


学生会館の屋上でアンテナを見せていただきました♪ 手前は21MHz帯の5エレ八木、上に144/430MHz帯のGPがついています

学生会館の屋上は良い眺め! 新宿の高層ビル街もすぐ近くに見えます。ここに4基のアンテナタワーがあり、14MHz帯の3エレ八木、21MHz帯の5エレ八木、28MHz帯の6エレ八木、50MHz帯の6エレ八木が、それぞれ1つずつのタワーに取り付けられていました。


手前は28MHz帯の6エレ八木(上部に144/430/1200MHz帯のGP)、奥は50MHz帯の6エレ八木です

そして3.5MHz帯と7MHz帯は自作のワイヤーダイポールがタワーの間に、V/UHF帯のGPアンテナは2本あり、21MHz帯八木と28MHz帯八木の上に1本ずつ取り付けられていました。


隣の建物の屋上にある14MHz帯の3エレ八木と3.5MHz帯のワイヤーダイポールです

--バンドごとに別々のタワーを使っているのが素晴らしいですね!

「コンテスト運用を意識して、バンド間の干渉が出にくく、ビーム方向も自由に変えられるようにしています」

--1200MHz帯以上のコンテストはどうされているんですか?!

「おもに6m AND DOWNコンテストですが、本郷キャンパスの校舎屋上にアンテナを仮設して運用しています。そちらのほうがロケーションも良いので。2.4GHz帯や5.6GHz帯にもオンエアしますよ」


6m AND DOWNコンテスト参加のため、本郷キャンパスの屋上にアンテナを取り付けたときの写真です


本郷キャンパスの屋上で、5.6GHz帯を運用中!

--もっと高い周波数、例えば10GHz帯はどうですか?

「さすがに10GHz帯は受信したことがないのですが(笑)、アイコムのIC-905の発売に期待しています!」

続いて3階の部室へ伺いました。「部員大募集!」のチラシや「ご自由にお取りください」という部誌が置かれたドアを開けると、6畳ぐらいの部屋になっていました。壁にはラックが置かれて無線機がいっぱい! IC-7300M、IC-9700、IC-756PROII、IC-910D、IC-PW1などなど、そしてたくさんのPCとディスプレイも! ところどころに「ゴミは捨てよう」、「休憩禁止」、「ログ捨てるべからず」といった警告(?)のテプラが貼ってあります。


学生会館3階にある部室にやってきました。部員募集のチラシが貼られています!


部室はラックが置かれて、無線機とPCがたくさんありました!


IC-756PROII、IC-910Dも使われています!

--ふだんの無線運用はここから行っているんですか?

「そうです。でもコンテストのときは別の部屋を借りています」


先輩からの切実な呼び掛けが貼られていました。大切なことですよね

--私、この「交信したらQSLを書こう! 数十年後の後輩が痛い目をみるぞ!!」という貼り紙が気になったのですけど(笑)。

「僕が1年生の時に、ある局から“1989年に交信したQSLカードがまだ届かない。これは人間としてどうかと思います!”というお叱りの手紙が届いたんです。僕がまだ生まれていない時期の交信のことを指摘されて困惑しました。後輩が同じ苦労を経験しないよう、注意のために貼りました」

--そんなことがあったんですね~!


部室には2005年に受賞した「東京大学総長賞」の賞状が飾られていました。小宮山総長(当時)から直々に授与された、クラブの名誉とも言えるものです

zLogのプラグインを体験

さて「むせんのせかい」恒例の“Masacoの体験タイム”、今回は部室のシャックでzLogのプラグインを見学させていただきました。最初は「モールス解析」のプラグインです! 大学院生の市川さんに説明していただきました。


クラブで開発・公開しているzLogのプラグインを見学中!

「まだ、開発途中のアルファ版ですが、zLogにはモールス通信の解読をサポートしてくれるプラグインがあるんですよ」

--へえ、便利そうですね。私もまだCWが苦手なので・・・。

「まず、zLogの“各種設定”→“プラグインマネージャー”から“CW解析DLL”を探してインストールします。あとは起動して、メインダイヤルを回してCWが聞こえる周波数に合わせてください。そうすると自動的に解読が始まります」

--はい、起動して・・・ ダイヤルを合わせました!

「受信しているCWに、0.8秒以上の空白があると、そこまでの解読内容をディスプレイに表示します。ひたすら交信している局だと解読が始まらないこともありますが・・・」

と伺っていると、ディスプレイに「TU SSB SSB QSY TU EE」という表示が出ました。


「CW解析DLL」のプラグインを起動したzLogで7MHz帯のモールス通信を解析。移動運用中の局が送信した符号が奇麗な文字として表示(青枠内)されました!

--凄い凄い! 出ました!! 耳で聞き取らなくても文字を見ればいいんですね!

「コンセプトは“CWを練習しなくてもコンテスト参加できるようにしよう”ということです。今後はスペース(語間)がしっかり出るようにするのと、表示した相手局のコールサインを自動的にzLogに取り込めるようにしようと思っています」

--みんなでこれを使って、CWを自動解読で取り込むようになったらコンテストが変わりますね。ついでにCWのパイルアップも捌けるようになるといいですね!

「実はパイルアップも捌けます。完全に同じ周波数で複数局によばれてしまうと厳しいですが、少しピッチがずれていたら、複数局も解読できて捌けるように考えているんですよ。もう少しブラッシュアップして、CQ WW CWコンテストで実戦投入してみようと思っています」

続いて、交信した人の位置を地図上にマッピングして、電波の飛ぶ方が可視化できる「Maplot(マップロット)」や、zLogでコールサインを入力すると総務省の無線局等免許情報のデータベースからその局のQTH情報を参照し、コンテストナンバーや免許出力を表示する「soumuAPI」、USBに接続されているCOMポートの番号を表示する「ComPort」といったプラグインを見せていただきました。どれも面白くて便利だったり、コンテスト交信がちょっと快適になるものだったりで、メッチャ感心しました。私も「CW解析DLL」の正式版が出たら、zLogを使ってHFコンテストに参戦しようかな!?


zLogでナンバー交換した人の位置を地図上にマッピング、電波の飛ぶ方が可視化できるプラグイン「Maplot(マップロット)」

部員の皆さんにミニインタビュー

ここで会議室に戻り、集まってくださった部員の皆さん8名にミニインタビューをさせていただきました♪

●JS2FVO 市川さん(1アマ)
大学院の工学系研究科航空宇宙工学専攻です。もともと宇宙に興味があり、宇宙に強い東京大学に来て、ロケットエンジンの研究をしています。親がアマチュア無線をやっていたので私もハムの資格を取り、その流れで大学でも無線部に入りました。JA1ZLOと言えば「zLog」なので、zLogにプラグインを追加することを担当しています。

●部長 JS2NEG 鈴木さん(1アマ)
電気電子工学科の4年です。2年生まで運動会航空部でグライダーに乗っていたので、航空無線通信士を持っていて、最近ですが第一級陸上無線技術士の資格も取りました。アマチュア無線は愛知県の中・高一貫校のときに、先輩から誘われて無線部(JH2YQB)に入ったのがきっかけです。そのときの同級生のうち3人が東大に入り、みんなでJA1ZLOに入部しました(笑)。

自分の研究テーマは人工衛星に載っている合成開口レーダーの信号処理をやっていて、電波伝搬の話が出てきたりするので結構楽しいです。来年は大学院に進み、同じテーマの研究を進めるつもりです。研究室にもIC-910Dやたくさんのアマチュア無線用アンテナも置いてありますよ。

●副部長(会計) JK1IHN 後藤さん(1アマ)
電気電子工学科の3年です。中高一貫校に入学し、物理部に入ったらアマチュア無線の社団局(JA1YSD)がありました。そこで無線をやっているうちに面白さに目覚め、大学でも無線部に入りました。最近はものづくり、特に電子工作が好きで、この部でもCADやレーザーカッターの使い方を教えたり、基板加工機で基板を作ったりしていますし、部員にアンテナ製作を勧めて「アンテナコンテスト」を開催しています。


写真左から副部長(会計)の後藤さん、部長の鈴木さん、大学院の市川さん

●太田さん(1アマ)
前期教養学部の2年で、工学部計数工学科に進学予定です。中高では電子工作をやっていたのですが、作ったのは全部有線関係のものだったので、大学では“無線通信の電子工作ができる部”だと思ってアマチュア無線部に入りました(笑)。それからアマチュア無線のことを知ったのですが、部の居心地が良いので、最初4アマ、次に1アマを取ってしまいました。まだ初心者でアマチュア無線の深いところまでは知らないので、普通に交信が楽しめればいいなと思って、CWの練習をしています。

●JK1QAQ 伊藤さん(3アマ)
前期教養学部(理科一類)1年です。中・高の部活を選ぶとき、一番変なクラブに入ろうと思ってアマチュア無線部に入りました(笑)。そのまま6年間過ごし、この大学に来て部活の説明会の時に中・高の先輩でもある鈴木さんがいらっしゃったので「ここなら安心だ」と思って無線部に入りました。中・高ではコンテストがすごく好きだったので、大学でもコンテストを頑張ろうと思っています。あと・・・ まだ3アマです(笑)。今後は1アマ取得を頑張ろうと思っています。

●JJ1FXH 永冨さん(2アマ)
前期教養学部1年です。小学生のときに「子供の科学」のアマチュア無線の連載記事を見てハムに興味を持ちました。資格は2アマですが、今度の1アマ試験は申し込み済みです(笑)。東大にアマチュア無線部があるのはずっと前から知っていたので、合格したら入部しようと思っていました。今年の夏休みにCWを練習し、そこそこ受信できるようになったので、全市全郡コンテストはCWで頑張ってみました。送信はまだ上手でないのですが、コンテストはzLogでボタンを押すだけなので便利です!


左から永冨さん、伊藤さん、太田さん

●JK1PIC 西内さん(3アマ)
前期教養学部(理科一類)1年です。大学に入ってからアマチュア無線を始めました。入学直後に駒場キャンパスで新入生向けの「サークルオリエンテーション」があって、そこでアマチュア無線クラブを見つけて面白そうだと思ったのがきっかけです。今は3アマですが12月期の1アマ試験は申し込んだので、直近の目標は“1アマ合格”です。

●JJ1FYD 杉山さん(3アマ)
前期教養学部(理科一類)1年です。小学生の頃にモールス信号に興味を持ち、そこから調べてアマチュア無線を知り、中学生になってから免許を取りました。中・高にも物理部無線班があったのですが、電子工作がメインで無線はあまりやっていませんでした。その後も全然交信していなかったので「大学に入ったら、今度こそちゃんとやろう」と思って、ちゃんとやっていそうなクラブに入りました(笑)。

今は3アマですが、12月期の1アマ試験は申し込みました。東大では情報科学系(ソフト開発など)を勉強したいと思っていて、推薦入学制度で入れてもらい、理学部情報科学科へ行くことになっています。


左は顧問の三田先生。中央は杉山さん、右は西内さん

皆さん、目標をしっかり持って東大に入学し、日々の勉強を頑張り、クラブ活動を楽しんでいる様子がお話から伝わってきました! ちなみに「アマチュア無線以外の趣味は?」と尋ねたら、「ゲームと読書」、「ピアノが定期的に弾きたくなります。あと麻雀」、「オリガミ」、「競技プログラミングに参加」、「数学の問題を作ることと登山!」、「電子工作やマイコン開発。賞をもらったこともあります」、「電子工作やゲーム。2年生までグライダーにも乗っていました」、なんて答えが返ってきました。凄いなあ~!!

おわりに

楽しいお話をたくさん伺い、いろいろ見せていただくうちに、あっという間に時間が経ってしまいました。

zLogのプラグイン開発をしている市川さんから「クラブでは、今までにない新しいコンテストの実験を考えています」という面白い計画を伺ったので、最後にご紹介します。

それは「参加中にリアルタイムで“順位”がわかるコンテスト」のこと。「今のコンテストは、参加してから、主催者が結果を発表するまでに数か月の時間を要します。そこで参加中に“今、自分がどういう順位なのか”がわかるコンテストを検討しています。参加局が使っているzLogのデータをサーバーに送り、自動で得点と順位を判定して各局のzLogへ返すことで、今の順位がリアルタイムでわかるというものです。期間を長くして体験的なものにするか、短いものするかは検討中ですが、zLogが使える局ならどなたでも参加できるようにしたいと思っています」


リアルタイムコンテストの計画はホームページでも公表、規約案を公開してコンテストファンからの意見を募集するなど、着々と準備を進めています

コンテストに真剣に参加したことがない私ですが、これは面白そう!!と思いました。「今、ライバル局に200点負けてる!」とか「あと2つマルチが取れればエリア1位になれるから頑張ろう!」とか・・・ “コンテストの風景”が一変するような気がします。これは、まさに若い世代の方にもアマチュア無線の魅力を広げる大きなチャンスのようで、ぜひ実現してほしいです♪

市川さんが「でも大学院に進学して、こんなに忙しいとは思わなかったです。やりたいことがなかなかできなくて・・・」ってこぼしたら、顧問の三田先生から「これから右肩上がりでもっと忙しくなるから、後輩をどんどん巻き込んでいきなさい」という力強いアドバイスが! そこで「新入部員向けに“zLogのプラグインの開発法を教える会”の開催を考えていきます」というお話が出ましたよ。

こうやって先輩の熱い思いを後輩が受け継いでいくんだなあ、各部・学科を超えたつながりができるクラブ活動って学生生活を豊かにするなあと、しみじみと感じました。


東京大学アマチュア無線クラブの皆さん、ありがとうございました♪

東京大学アマチュア無線クラブの皆さん、顧問の三田先生、お忙しい中ありがとうございました。お会いするまでは“東大の学生さん”ということで、話が全然合わなかったらどうしよう・・・!? 何を質問しよう・・・ と緊張していたのですが、みんな気さくでトーク力がMAX! わかりやすくユーモアを交えて色々と丁寧に教えていただき、心も頭も解かしていただきました!

私の周囲にもコンテスト大好き! という方がたくさんいらっしゃるので、そうした方に教えていただきながら、zLogでコンテストに参戦してみたいなあ~とワクワクしました。これからもクラブの活動やプラグインの開発など、頑張ってくださいね。

あ!それと、帰りに教えていただいた構内にあるフランスレストラン【ルヴェンソンヴェール】。「一般の人でも利用でき、気軽にフレンチが楽しめるのでMasacoさんもぜひ~」と! 次回はランチタイムに東大の門をくぐる約束をして、最後まで和やかでメッチャ楽しい取材時間でした! ありがとうございました♪

(JH1CBX Masaco)

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