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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第63回 えみげんクラブ(JA1YWV)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

こんにちは! Masacoです! 11月も中旬を迎え、町はすっかり晩秋の装いになりましたね。先日、福井県にある永平寺へお参りしてきました。ご先祖様の築きあげた歴史に日本人の心を感じ、自然の彩に、日々の忙しない感情が消え、弾丸旅行ながら心穏やかなひとときでした。色づく秋色から北では初雪の便りも届き、そろそろジングルベルの曲も聞こえる季節。1年が経つのは本当に早いですね! 皆さんお変わりなくお過ごしでしょうか?

さて、今回の「むせんのせかい」は、10月中旬に東京都昭島市を中心とした多摩地域のアマチュア無線家で結成した地域クラブ「えみげんクラブ」(JA1YWV)を訪問させていただきました。昭和36(1961)年に結成、今年で61年という長~い歴史があるクラブで、現在もアクティブに活動中!ということで、ミーティング会場にお邪魔するのがとても楽しみでした!

第63回 えみげんクラブ(JA1YWV)の皆さん


お伺いした場所は、広~い敷地があるというクラブメンバーのJA1LHC中島さんのご自宅(東京都八王子市)です。コロナ禍のため、しばらく休止していたクラブミーティングが、ここで久し振りに開催されるということで、私も参加させていただくことになりました。

個人のお宅へ集合と聞いた時は頭が??? だったのですが・・・。なんと! この中島さんのご自宅がメッチャ凄いんです!! 自立タワーやクランクアップタワーが合計7基、HFからUHFまで数えきれないほどのアンテナが取り付けられています! アマチュア無線局というよりは「アンテナメーカーの研究所」とか「米軍の通信施設」といった感じ!?


えみげんクラブのミーティング会場、JA1LHC中島さんのご自宅に到着!

「ようこそ、よくいらっしゃいました!」と、アンテナの持ち主の中島さん、クラブ会長のJA1WSX井出さん、ほか大勢のメンバーの皆さんに迎えていただきました。


久しぶりのミーティングには14人が参加されました

クラブのお話を伺う前に、とても気になってしまったアンテナのことを中島さんに伺いましたよ。

JA1LHC 中島さんのアンテナとシャック見学

--中島さん、敷地のアンテナがメッチャ多いのですけど?

「はい、これはHF帯の1kW局と、144/430MHz帯のEME 500W局で使っているアンテナなんです」


中島さんのEMEアンテナシステム
バンド別で垂直系と水平系のビームアンテナを用意し仰角ローテータ付きで「月」を追尾可能

--これだけアンテナがあると台風が心配ですね?

「台風よりも雷のほうが怖いです。システム全体に影響が出ますからね」

--EMEというと、月面反射通信ですか!? それで大きなスタックアンテナがあったり、アンテナが上を向いたりしていたのですね。

「そうです! このHFの1kW局も、EMEの500W局もリモート運用が可能で、実はえみげんクラブのメンバーの中には、設備共用の手続きをして、ご自宅からこの設備を遠隔操作で楽しんでいる方もいるのですよ」


2019年に完成したHFの1kWリモートシステムを見せていただきました!


同軸切り換え器と回り込み対策のためのフェライトコアがたくさん!
使用していないリグはアンテナを切り離してダミーロードに接続されるそうです


こちらはEMEシステムを収めたプレバブ小屋の内部。無線機はIC-9700。144MHz帯と430MHz帯の500Wリニアアンプはドイツ製、アンテナなどのリモート制御用ソフトウェアはクラブメンバーの自作だそうです

--皆さんのご自宅から、この設備が利用できるのですか! うらやましいです。お一人で使うのではなくて、皆さんと共用するというお考えがすばらしいですね。

「リモートシステムの設計はメンバーのJA1QUT水島さん、ハードウェアとソフトウェアの設備構築はJA1TGO加藤さんに協力していただきました。アンテナなどのコントロールソフトウェアも独自開発です」


アンテナ系のリモート用ソフトウェアの画面

--EMEの成果はいかがですか?

「いろいろ忙しいので、EMEの交信局数はまだ2桁なんです」

--皆さん、免許申請は大変だったのではないですか?

「水島さんが申請書類作成を手伝ってくれて、完璧な内容のものを作り上げましたが、HF帯1kW局の申請書類だけで1局あたり155ページにのぼり、それを申請した16人局分(約2,500ページ)作ってファイルに分け、大きな箱に入れて関東総合通信局に持参しました。総合通信局でも担当官が時間を掛けてチェックしてくださったのですが、修正の指示はなく、登録点検事業者の落成検査(点検)を利用して、無事に免許状をいただくことができました。現在、HFは21人、EMEは8人で設備共用しています」


リモート局の免許申請書類は膨大な枚数に。上はHF帯1kW局、下はEME局の申請書類をまとめたファイル。これが設備共用した局の分だけ必要になるそうです!

--凄いですね! でもこれだけの設備だと、設備共用しているメンバーの間でリモートの取り合いになりませんか?

「はい、早い者勝ちです(笑)。でも自宅にも無線設備を持っている人が多いので、そんなに取り合いにはならないですよ。基本的に“空いていれば誰が使ってもOK”ということにしています。DX局のパイルアップのときに1コールだけここから1kWで出して、コールバックがあったら、あとは自宅の設備で交信・・・ という人もいました」

--いいですね! 私も1アマを取ったらリモートに参加させてください!(笑)

クラブの活動はアクティブ!

続いて、えみげんクラブの歴史と活動を、会長の井出さんや出席されたメンバーの皆さんに伺ったお話をまとめてみます。

えみげんクラブの発足は1961(昭和36)年6月。多摩地域の若い同世代のアマチュア無線家が集まって結成されました。クラブ名は真空管(当時は無線機のデバイスの主流は真空管でした)のエミッション(熱電子放出)が減り、“ぼけ球”になった状態を意味する「エミ減」という用語から、“頭のぼけた連中が集まったクラブ”という意味を込めて「えみげんクラブ」と命名したそうです。井出さんは「当時はいいネーミングとは思いませんでしたが、今思うと、良いクラブ名だと思います」とおっしゃっていました。


えみげんクラブのクラブ局、JA1YWVのQSLカード。クラブの歴史と概要が紹介されています

クラブのコールサインは「JA1YWV」。1967(昭和42)年3月に無線局免許が交付されました。常設のクラブシャックはありませんが、メンバー(クラブ局免許担当)のJA1QUT水島さんのご自宅を無線設備の常置場所にしています。


クラブ局の免許が発給されたことを知らせる、1967(昭和42)年4月発行のクラブ報を見せていただきました

現在の会員数は31名で、うち女性は1名です。“発足した頃からずっとメンバー”という方もいるため、年齢層は50代から70代と比較的揃っているのが特徴。「みんな30歳なら自分も30歳、60歳になったら自分も60歳。同じように歳を重ねてきました」というメンバーのお話に、同世代って素敵だなあ~と思いました。


クラブ発足30周年(1991年)の記念写真


2011年に開かれた、クラブ発足50周年記念パーティーの記念写真

そして、なんと! メンバーの中に1アマの有資格者は21名もいて、そのうち18名はHF帯で1kW局の免許(中島さん宅の無線設備共用によるリモート局を含む)を受けているそうです。凄い1アマ率ですね!!

クラブの活動も盛りだくさんです。まず毎週日曜日の21時から、クラブの連絡周波数(50MHz帯 FMモード)を使ってロールコールの開催。これはクラブ発足当時からの伝統で、年間出席優秀者には賞品が用意されているそうです! 続いて、昭島市民会館や近所のファミレスで行う月例会(ミーティング)。ただ現在はコロナの影響で対面のミーティングが難しいことから、第3日曜日のロールコールの後、オンエアミーティングという形で月例会を行っているそうです。


毎年1月には新年会を開催しています!

年間行事もあります。総会を兼ねた新年会(役員改選は2年に1度)、年末の忘年会。そして昔から盛んな移動運用!「昔はコンテストの社団局部門での優勝を目指し、山梨県や栃木県に移動運用を行っていました。現地でタワーを建て、電源車を持ち込んで冷蔵庫やテレビまで動かすような大がかりなものでした」、「1年がかりで準備をして、参加者向けに“旅のしおり”を作ったり、とにかく移動運用には力が入っていました」というお話を伺いましたが、最近は年数回、東京都青梅市の御岳山に移動してQRP運用を行っているそうです。「フィールドデーコンテストも、御岳山の宿坊に泊まりながらQRPで個人参加、QRP用の自作アンテナや、自作小物を持ち込んで楽しんでいます」と、これも楽しそう!


昔の移動運用風景。コンテストの社団局部門で優勝目指して大がかりな設備で臨んだそうです


最近の移動運用はQRP運用が主体。コンテストも個人参加になりました

そしてもちろん、毎年夏には「ハムフェア」にクラブブースを出展。パネル展示で活動内容をPRしたり、クラブ員相互の絆を深める場に使ったり、ブースを訪れた旧メンバーとのアイボールQSOなどを楽しんでいます。「ハムフェアでブースを出すと、クラブ名を見て懐かしそうに声を掛けてくれる人が結構いらっしゃるんです」というエピソードも!


ハムフェアには毎回ブースを出展、クラブの活動PRを行っています

さらにメンバーのアクティビティー向上のため、クラブ内でマラソンコンテストを行っています。ルールは「1年間で、8J、8Nで始まるコールサインの記念局とどれだけ交信できるか」というもので、“交信した局数×バンド毎の交信数”が得点になり、年間の優秀局には賞状と記念品が出るそうです。ちなみに第1位はJA1QUT水島さんが連続で獲得していて、なんと2022年も、この日の時点で百数十局の記念局と全バンド合計600以上の交信をしているそうです!


クラブ内では、8J、8Nプリフィックスの記念局との交信局数を競うマラソンコンテストも実施中。これは昨年第3位になった井出さんの賞状です

こうしたクラブの活動とメンバーの近況は、毎月発行している会報「えみげんクラブ報」で情報を共有しています。なんと1964(昭和39)年から毎月発行を続けているそうで、2022年10月で第632号を迎えました! ずっと続いているなんて素晴らしいですね~!


1964(昭和39)年から現在まで毎月発行を続けている「えみげんクラブ報」の第1号を見せていただきました

ハンディ機でアメリカと交信!

クラブのお話を伺ったところで、井出さんから「このへんで、Masacoさんにちょっと面白い体験をしていただきましょう」というお話がありました。

「Masacoさん、430MHz帯のハンディ機はお持ちですか?」

--はい、いつもID-51を持ち歩いています♪

「ではFMモードで438.**MHzに合わせて、CQを出してみてください」

--はい!

私が「CQ430、こちらはJH1CBXポータブル1・・・」とCQを出すと、すぐに強力な信号で応答してきた局があります。

「JH1CBXポータブル1、こちらはJI1CJJ。入感ありますか?」

--はい! JI1CJJさん、こちらはJH1CBXポータブル1。59で非常に強力です。CJJさんのQTHはどちらですか?

「JH1CBX、こちらはJI1CJJ。現在私はアメリカのニューヨークの南、フロリダ半島の北に位置するサウスカロライナ州におります。名前は中野と言います。こちらの現在時刻は深夜12時すぎですが、頑張って起きています・・・」

--えー、アメリカからですか!! しかも深夜! 私は430MHz帯のハンディ機で運用中ですよ。どういう仕組みなのかな・・・ ビックリしました!!

「はい、アメリカからインターネットで音声を送り、そちらに置いている(設備共用している)無線機から430MHz帯にオンエアしています。どうぞ皆さんと楽しまれてください」


ID-51(FMモード)でアメリカ在住の中野さんと交信中♪

--中野さん、夜遅くありがとうございました。ぐっすりお休みください!

ハンディ機でCQを出したら、アメリカ滞在中の日本人の方に呼ばれるなんて思ってもいませんでした。手のひらサイズの無線機に夢がまだまだいっぱい詰まっているなんて! 設備共用って凄いですね。初めての面白い体験でした!
(クラブの方に伺ったら、設備共用で免許を受けているため、オペレーター本人の“3時間縛り”の制約はなく、遠方からでもリモート運用が可能なのだそうです)

メンバーの皆さんにミニインタビュー

今回のえみげんクラブのミーティングに集まったメンバーは14名。皆さんずーっとおしゃべりを楽しんでいます。久しぶりのミーティングだからかな!? と思ったのですが、毎週ロールコールでつながっているわけですから、やっぱり気心の知れた仲間との談笑が大好きなのでしょうね。

そのおしゃべりを少し中断していただき、皆さんにミニインタビューを行いました! 無線を始めたきっかけ、このクラブに入会した動機、どんな運用が好きか・・・ などを伺いましたので、まとめてご紹介します!


メンバーの皆さんにミニインタビューをさせていただきました!


メンバーの皆さんからいただいたQSLカード。ありがとうございました♪

●JH1DEZ 中里さん
立川市に住んでいます。元々電気関係が好きで、高校にアマチュア無線部があったので入部してから電話級アマの資格を取りました。無線機は2年ぐらいかかけて自作しましたが、電波はあまり飛びませんでした。その頃えみげんクラブのことを知って入会しましたが、なかなかついていけずおとなしくしていました。クラブ30周年の頃からちょこちょこと顔を出すようになりました。60歳を過ぎてから2アマを取り、FT8を始めました。仲間が多いので刺激を受けながらこれからもやっていこうと思います。

●JA1LHC 中島さん(1アマ)
ずっとこの場所に住んでいます。昔からラジオ少年で、昭和37年に電話級アマの資格を取りました。クラブに引っ張り込まれて50数年が経ちましたが、仲間に恵まれて続いています。こんなに長続きしたものは他にありません。コロナ禍で身動きが取れない中でも無線を通じて元気に活動できました。今日は2~3年ぶりに皆さんと集まれて嬉しいです。

●JA1GUC 細井さん(2アマ、クラブQSL発行担当)
もうすぐ79歳になります。資格を取得した翌年の昭和36年に私と5人ほどで「えみげんクラブ」を立ち上げました。それから完全に泥沼に浸かってしまい、脚が抜けません(笑)。60年間続けられたことに喜びと生きがいを感じています。無線は200W出力でFT8を楽しんでいます。鉄道や飛行機、カメラも大好きです。


左からJA1GUC細井さん、JA1LHC中島さん、JH1DEZ中里さん

●JH1AUL 桒久保(くわくぼ)さん(1アマ)
小学生のとき、親に買ってもらった鉱石ラジオがきっかけです。中学生の時に無線が好きな生徒と何人か知り合い、そのうちのお一人が今日参加しているJA1TGO 加藤さんです。クラブ入会のきっかけはJA1GUC 細井さんのご自宅へ自転車で遊びに行ったことだと思います。仕事からはリタイヤしましたが、アマチュア無線があるので毎日楽しく過ごしています。マイクに向かって話すのは得意ではないのでFT8で出ています。

●JA1SKE 片柳さん(1アマ、クラブ会計担当)
私は理系ではなく文系の出身です。昔はSWLをやっていてDXの電波はよく聞いていたので、“どうせなら電波も出せるようにしよう”ということで20歳の頃に免許を取り、FT8が始まる直前までは電信ばっかりやっていました。QSOするのが好きなので、暇さえあれば出ています。

●JE1DRU 浅野さん(1アマ)
今年で開局51年になります。中学の時に電話級通信士の資格を取りました。子供の頃からモールスが好きで、大人になったら船舶通信士になりたかったのですが、高校の頃に通信士の就職が難しくなってきたことがわかり文系に進みました。このクラブには30数年前、仕事の関係で東京都日野市に住んだときに入れていただきました。小学校の時からえみげんクラブの名前は知っていたので「あの、えみげんクラブに入れるんだ!」と誇りに思ったものです。みなさんジェントルマンでとても居心地の良いクラブです。最近はFT8ばっかりやっています。


左からJE1DRU浅野さん、JA1SKE片柳さん、JH1AUL桒久保さん

●JA1QUT 水島さん(1アマ、クラブ免許担当)
八王子市に住んでいます。中学2年生の時に鉱石ラジオ、3年生の時に5球スーパー、高校1年生で高1中2の受信機と807の送信機を作り、高校2年生で電話級アマの免許を取りました。50MHz帯のFMモードでえみげんクラブのメンバーと次々に交信できたのがきっかけで入会し、のめり込みました(笑)。1.8~1200MHzの運用をしていますが、好きなのはCWで、FT8もやっています。ずっと1kW局を作るのが夢だったので、JA1LHC中島さんをけしかけて(笑)、私も申請のお手伝いをし、分厚い申請書をみんなと一緒に出しました。これからも細く長くやっていきたいと思います。

●JA1NPQ 田中さん(1アマ)
国分寺市に住んでいます。戦争中、父親が無線機を軍馬に積んで偵察に行き、暗号で送信する「暗号手」をやっていたので、自分も電信に興味を持っていろいろと教えてもらいました。そして細井さんのお宅を訪問したりして免許を取りました。米軍の横田基地が近いことから、昔はジャンクが豊富で、6MHz帯の水晶を見つけて作った送信機で遊んでいたことがあります。横田基地にいた米軍ハムの人とも仲良くなりました。最近は和文CWを楽しんでいます。

●JE1PQJ 野島さん(1アマ)
町田市に住んでいます。中学1年生のときに先輩の家でアマチュア無線の交信を見せてもらったのがきっかけで、中学2年生のときに資格を取りました。HFのAM送受信機のキットを組み立てるのに時間が掛かり、高校生で開局したときにはHFがSSBの時代になってしまい、50MHzに出ることに。それでえみげんクラブを知りました。皆さん「少し年上のお兄さん」という感じで、優しくというか・・・ 鍛えられましたね(笑)。最近はiPhoneを改造して、外出先からラグチューに参加できるようにしたり、アパマンハムで釣り竿アンテナにAH-4を付けて交信したりと楽しんでいます。


左からJE1PQJ野島さん、JA1NPQ田中さん、JA1QUT水島さん

●JA1WSX 井出さん(1アマ、クラブ会長)
立川市に住んでいます。お陰様で10年も会長を務め、会報の発行も担当しています。以前、中島さんに「1アマを取りに行こう」とけしかけたのは私でして、その私が1アマ試験は7回も落ちてしまいました(笑)。昔からDXをやっていたので、その関係でえみげんクラブに入ったように記憶しています。クラブでは米国の「デイトン・ハムベンション」に行くための積立貯金をみんなでやっていて、7、8人でデイトンに行ったことがあります。それをきっかけに、私自身はもう21、2回もデイトンに行きました。海外にもたくさん友人ができました。FT8も良いですが、やっぱりSSBやCWの交信が一番です。

●JN1JVA 小林さん(1アマ)
府中市のアパマンハムです。ラジオたんぱの初級ハム講座で勉強して小学校6年生で開局、50MHz帯にオンエアしていたら仲間に引き込まれました。それから40年以上「クラブの最年少メンバー」のままです(笑)。電子部品のハンダ付けの仕方から、年上の人との会話術まで、いろいろなところでクラブの経験が生きています。ハムを通じて人脈ができ、仕事の上でも役立っています。私の奥さんとも無線のラグチューがきっかけで知り合って結婚しました。車のナンバーを「・5 99」とかにしている方が多いですが、私は結婚記念日にちなんで「12-03」にしています(笑)。

●JH1IUA 小林さん(1アマ)
子供のときからキットを組み立てるのが好きでしたが、ハムの資格を取ったのは大学の電気通信工学科に入ってからです。大学にいたのが田中さんで「なんで免許を持っていないんだ?」と言われたのがきっかけで、慌てて2アマを取りました。就職はある大手電機メーカーでポケベルや携帯電話の開発を担当して、会社の命令で第1級陸上無線技術士の資格を取りました。えみげんクラブではメンバーが自宅にタワーを建てる際の手伝いや移動運用隊みたいなことをやっていました。無線は50MHz帯を中心に運用しています。

●JA1TGO 加藤さん(1アマ、クラブJARL関係担当)
福生市に住んでいます。私も中学校の仲間と細井さんの自宅へ遊びに行くようになってからハムの資格を取りました。クラブメンバーの影響で7MHz帯に出るようになりましたが、ずっと「3エレ八木を建てたい」と思っていて、それが実現できたときには感動がありました。その後はEMEに挑戦してみましたが、50W出力なので頭打ちになってしまいました。最近はこの場所にEME局を作るというお話があったのでお手伝いをしました。1アマ受験時にはクラブのメンバーがモールスの講習会をやってくれたのは嬉しかったです。

●JO1BMN 島田さん
現役の社会人です。中学生のときにCB無線をやっていて、16歳でアマチュア無線の資格を取りました。会社の先輩にえみげんクラブのメンバーがいて、その方に誘われて入会しました。最近は430MHz帯をウォーキングで楽しんでいます。リタイヤまであと1年、仕事に頑張ります。


左からJO1BMN島田さん、 JA1TGO加藤さん、JH1IUA小林さん、JN1JVA小林さん、JA1WSX井出さん

もう、皆さんのお話が面白くてグングン引き込まれていきました。一人一人のトーク力の凄さに感心しました。ありがとうございました!!

まとめ

ミニインタビューの後は、メンバーのお一人が持参した、クラブの活動を収めたアルバム写真や、移動運用のときに作った「旅のしおり」を囲んで、またまた大きく盛り上がりました! 「みんな若いねー」とか、「この移動は覚えてるよ、大変だった!」、「無線雑誌の記者が移動運用の取材に来たなあ」、「クラブの記念式典にはJA1AA 庄野さんが駆けつけてくださって、アマチュア無線再開のエピソードを講演されたね」とか。それはそれは楽しそうでした!!


アルバム写真を囲んで、思い出話に花が咲きました


過去の移動運用で作成した「ガイドブック(旅のしおり)」の数々も登場!

この連載「Masacoのむせんのせかい」では、いろいろな無線クラブを訪問させていただいていますが、小・中・高校の無線クラブでアクティブに活動しているところは、“指導者である顧問の先生の頑張り”が大きいと思います。そしてアクティブな地域クラブは“好奇心が旺盛で、個性豊かなメンバーが揃っている”ところではないでしょうか。入会から10年、20年、30年と経っても居心地が良く、仲間と楽しいおしゃべりができるクラブは、本当に素敵だと思いました。


えみげんクラブの皆さん、ありがとうございました!!

みんなそれぞれ、背負うものや、さまざまなことと向き合う日々のなかで、同じ趣味の仲間とあの頃と同じ気持ちでこうして集まることができる関係は宝ですね。心の栄養はアマチュア無線! えみげんクラブの皆さん、お邪魔させていただきありがとうございました!

そして、中島さんの素晴らしいシャックとアンテナを見せていただいたことも、すごく気になっていた「えみげん」の名前の由来も、忘れられない思い出になりました。HFとEMEで、ますますのFB DXをお祈りいたします!

(JH1CBX Masaco)

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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