日本全国・移動運用記
2026年9月1日掲載
夏休みは暑さを避けるため、北日本への移動を考えていました。2024年の秋田県移動は記事(2024年10月号)の通り、台風の接近により運用時間が短くなってしまいました。また、2025年の岩手県移動(2025年9月号)では、岩手県南部で運用する機会がありませんでした。
そこで今回は、これまで十分に運用できなかった秋田県と岩手県南部を中心に移動運用の計画を立てました。
今回の移動運用では、秋田県にある、陸地がわずかしか存在しない珍しいグリッド・ロケータのスクエア、PM99とPN90での運用も目標としていました(https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-2_Award/gl.htm)。そこで、両地点での運用は、8月11日「山の日」の祝日にすると都合が良いだろうと考えました。これを基準に日程を組み、先に岩手県で運用し、その後、秋田県に移動して運用する計画としました(図1)。

図1 移動ルート
HF帯のアンテナは、いつものロングワイヤーアンテナとオートアンテナチューナーを使用しました。これまでは長さ7mの釣竿を使うことが多かったのですが、今回からは、風が弱い場合に限り、8mの釣竿を使用してみました。わずか1mの違いではありますが、1.9~7MHz帯では、少しだけ受信感度が良くなったように感じました。
無線機の電源には、12V 100Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを2個搭載しています。走行中は、車のAC100V 1500Wコンセントを利用して、大電流を取り出せる充電器2台で2個のバッテリーを同時に充電しています。この方法であれば、運用時には発電機などを使用する必要が無いため、騒音やノイズを発生させずに運用できます。詳しくは2026年3月号で解説しています。
前日の8月7日早朝に愛知県の自宅を出発し、途中で休憩を挟みながら10時間以上かけて岩手県に入りました。岩手県で最初のパーキングエリアがある西磐井郡平泉町と、当初は運用予定に無かった花巻市で、自作の釣竿アンテナを使って短時間の運用を行いました。この日はEスポ(スポラディックE層)の発生が無く、18MHz帯以上での交信は困難だったものの、2か所で合わせて200QSO以上を記録しました。
翌日8月8日は、昨年も運用した上閉伊郡大槌町(2025年9月号)に移動しました。ただし今回は、サテライト通信の運用にも有利な、よりロケーションが良い場所に運用地を変更しました(写真1)。伝搬状態が良く、朝6時台から14MHz帯でパイルアップになりました。さらに10時前後には、この時期としては発生頻度が低い近距離の強力なEスポで、28MHz帯でもパイルアップになりました。
その後、昨年と同じ釜石市に移動したところ、Eスポが消えてしまい、あまり多くの交信はできませんでした。続く遠野市へ高速道路を使って移動すると、到着直前に激しい雨と雷に見舞われ、車外でアンテナを設置できる状態ではなくなってしまいました。雷が収まるまで30分以上の休憩した後で運用を開始しました。電離層のコンディションは午前中ほど良くありませんでした。
夕方には気仙郡住田町に移動し、ここでも伝搬のコンディションが思わしくなかったため、まだ十分に明るい17時台から3.5MHz帯に出たところ、西日本までは届かなかったようですが、8エリアから2エリアの広い範囲と交信できました。一方、1.9MHz帯はどういうわけか不調で、福島県との1QSOに終わりました。

写真1 上閉伊郡大槌町での運用の様子
8月9日の奥州市では、河川敷に近い公園で運用を開始しました。早朝から各バンドとも伝搬のコンディションが良く、弱いEスポも発生したようで、午前7時台には28MHz帯でもパイルアップになりました。
あまりにも伝搬状態が良かったため、次の運用地である胆沢郡金ケ崎町へ早めに移動し、楽しみを残しておこうと考えました。しかし、移動するとEスポは急激に消えてしまい、21MHz帯では何も聞こえないほどコンディションが変化していました。
続く北上市では、再び伝搬のコンディションが上がって28MHz帯でも交信できました。しかし、7MHz帯や10MHz帯はあまり強くなく不安定な状態でした。日差しが強く、かなり暑く感じましたが、同時に厚い雲が発達しているようにも見えました。
この日最後の和賀郡西和賀町は山間部にあり、運用場所の確保が難しい町です。そこで、南側がある程度開けた駐車場を見つけ、ここで運用を開始しました(写真2)。すると、前日に引き続いて激しい雨になり、このままでは車外での作業が難しい状況になりました。HF帯のアンテナはオートアンテナチューナーを使用しているので、周波数帯を変更する場合も車外に出る必要は無く、ボタン操作だけで済むので、雨に濡れることなく運用を続けられました。
サテライト通信では、アンテナを車外に出して、窓を全開にして運用する必要があります。運用準備の直前に幸運にも雨が弱まり、無事に運用を開始できました。夕方には伝搬のコンディションが上がって、50MHz帯でも交信できるなど、長時間にわたってパイルアップが続きました。さらには3.5MHz帯、1.9MHz帯とも、まずまずの伝搬で、山間部にある珍しい町での運用としては満足できる結果となりました。

写真2 和賀郡西和賀町での運用の様子
次号に続く。QSO数の集計は、次号にまとめて掲載します。
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