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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第35回 一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)関西地方本部の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

JARL関西地方本部の活動とエピソード

まずは基礎知識、JARLの組織です!

JARLは1エリア(関東)から0エリア(信越)まで、全国10のコールエリアごとに「地方本部」が設けられ、その傘下に都府県ごとの「支部」が所属しています。3エリアの場合は「関西地方本部」があって、その傘下に京都、滋賀、奈良、大阪、和歌山、兵庫という2府4県の支部が置かれ、それぞれの地区の会員に向けてさまざまな事業やイベントを行っています。地方本部長はJARL理事、そして支部長はJARL社員としてJARLの運営に関わっているそうです。また地方本部や支部は、円滑な活動のために独自に支部役員や担当部門別のスタッフを任命しています。

--田中さんは3エリアのトップなんですね! 関西地方本部はどこかに事務所はあるのですか?

「昔のJARLは地方本部ごとに“地方事務局”が設けられていましたが、経費削減のために今はすべて廃止されています。関西地方本部は大阪市天王寺区の赤松ビルに事務局があり養成課程講習会もやっていましたし、JA3RLのシャックはガラス張りで外からも見ることができました。その頃はJA3AA 島さんが関西地方本部長でしたが、その後はJA3HXJ 長谷川さん、JA3DBD 宮本さん、そして私とバトンを繋いできました」


JARL理事で関西地方本部長のJR3QHQ 田中さんにお話を伺いました

--関西地方本部のお仕事って、なにをするんですか?

「一口に言えば、“支部を束ねること”と“JARL本部との橋渡し”です。JARL本部から地方本部へ配分された予算を各支部に分配するほか、支部長の要望や、クラブ代表者会議で出た会員からの要望を理事会などへ伝える仕事もしています。また毎年秋のフィールドミーティングの開催や、関西VHFコンテスト、KANHAMコンテスト、XPOコンテストなども関西地方本部の行事として行っています」


2018年10月14日、大阪市の舞洲スポーツアイランドで開かれた関西地方本部の「フィールドミーティング」。私も飛び入り参加させていただきました!!


「フィールドミーティング」のスナップ。アイボールQSOゲームやミニFOXハンティング、ビンゴゲームなど、楽しい催し物がいっぱいでした♪


関西地方本部が主催するコンテストの1つ「関西VHFコンテスト」の賞状です

--毎年7月のKANHAMはいかがですか?

「KANHAMは地方本部と各支部のスタッフ、JARL登録クラブのメンバーが加わった実行委員会が主催しています。関西地方本部は後援という位置づけですが、実際は関西地方本部の行事と言えるほど深く関わっています。関西の人はボランティア精神が凄くて、こうしたイベントも交通費や食事はすべて自腹で精力的に動いてくださっています」


2018年のKANHAMの開幕セレモニー。2日間で9,000名もの入場者で賑わいました

--関西地方本部長として、苦労されていることはありますか?

「いつも苦労していますよ(笑)。各支部への予算分配は気を遣います。昨年の実績がベースになるのですが、アマチュア無線のPRや会員獲得につながる良いイベントにはできるだけお金を出してあげたいと思っています。あと、アマチュア無線の楽しさをもっとPRしたい、子供たちにも知ってもらって将来のアマチュア無線の発展につなげたいですね」

--そういえば、KANHAMも子供向けの企画が充実していますよね。2017年にJAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんが講演にいらした時は、大ホールが子供たちでビッシリと埋まっていて驚きました。

「“KANHAMでJAXAの宇宙飛行士さんに講演してもらいたい”という希望が、5年越しで叶いました。JAXAに講演の依頼をするためには、さまざまな条件をクリアする必要があり、ようやく応募しても落選ばかりで、5年かかってやっと決まったものです。


2017年のKANHAMでは、JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんの講演会を企画。私も司会進行をお手伝いさせていただきました


とても気さくな油井さん。観客席に飛び込んで子供たちの質問に答える一幕もありました

ただ、KANHAM会場での講演が決まっても、どの宇宙飛行士さんが来られるかは直前までわからないんです…。油井さんが来るとわかったときは嬉しかったのですが、そうなると1年前のARISSスクールコンタクトで油井さんと交信した豊中市立東丘小学校の子供たちと再会させたい。東丘小学校に行って相談したら、交信した子供たちはもう卒業して中学生になっているということで、校長先生から話をつないでもらって再会を実現しました。


国際宇宙ステーション滞在中の油井宇宙飛行士と、ARISSスクールコンタクトで交信した豊中市立東丘小学校の子供たちが再会!! この実現には苦労があったそうです

そして講演当日は、とにかく大ホールの座席(1066席)は全部埋めたい。会場にお願いしてフリーペーパーや、地元のケーブルテレビなどでPRしていただきました。ところが当日、私が別室にあるモニターテレビで大ホールの様子を確認したら、後ろの大人用の席はビッシリ埋まっているのに、前方の子供用の席がガラ空きなんです…」

--えっ、どうしたんですか!?

「いや、子供たちは背が低いので、席に座った後ろ姿がモニターに映らず、全部空席に見えたんです。“おい、前の席、入ってるんか!? 誰もおらへんやん!”と言ったら、“田中さん、子供子供!”って具合でした(笑)」


油井宇宙飛行士の講演の際の“空席エピソード”を教えていただき大爆笑!

--ああ、よかった~! 私も司会進行をお手伝いさせていただきましたが、本当に満員で子供たちも大喜びでしたよね。そして2025年には大阪で万国博覧会が開催されますね。

「まだ私が大阪府支部長のときですが、万博誘致PR委員会にロゴマークの使用と記念局設置の同意をいただき、2018年1月から“2025日本万国博覧会誘致PR記念アマチュア無線局(8N3EXPO)”の運用を始めました。少しは誘致への効果があったかもしれません。

万博の開催はまだ少し先ですが、そのときの関西地方本部長や大阪府支部長にはぜひ、会場内にパビリオンを設置していただきたいです(笑)。古くは1970年の大阪万博でJA3XPOがサンフランシスコ市館から運用しました。また1990年の国際花と緑の博覧会でも8J90XPOが運用しました。こうした実績があるのでぜひ万博会場内で運用したいですね。来訪した海外のハムもゲスト運用ができればと思っています」

--楽しみですね! 最後に今後の方針を教えてください。

「とにかく、アマチュア無線家とJARL会員を増やしたいです。ここ(池田市民文化会館のロビー)でJA3RLを運用しているだけで、カムバックのアマチュア無線家がたくさん増えました。たまたま池田市民文化会館に来た人が運用を見て“昔やっていたんや。再開はどうしたらええの?”と尋ねる人が多いです。また“CWを勉強中だけれど、個人コールサインが切れているんです”という方には“じゃあ、ここからJA3RLで出ればいいですよ”とアドバイスしたこともあります。ここでの無線運用はとても役立っているんですよ。あとは子供無線教室を再開して、子供たちの育成をしていきたいですね。

あとKANHAMの記念局ですが、毎年開局式以降は、例外を除いて毎週末に池田市民文化会館で運用しております。KANHAM当日は混雑してなかなか希望通り運用できないことがありますので、当日以外にぜひ運用にお越しいただくようお願いします」

--いろいろなお話、どうもありがとうございました!!


池田市民文化会館のロビーでJA3RLを運用するときは、案内カウンターにアマチュア無線のパンフレットも置いてPRを行うそうです

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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