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日本全国・移動運用記

第99回 新潟県中越地方移動

JO2ASQ 清水祐樹

2023年12月1日掲載

新潟県は広い県で移動に時間がかかり、豪雪地帯もあって移動運用できる時期も限られていることから、今回は11月に3日間の日程で、中越地方への移動を計画しました。

計画

もともとの予定は、11月3~5日の3連休を利用して、3日の午後から現地入りすることを考えていました。実際は、2日の午後に出発できたので、2日の夜から運用を開始して、3泊4日の運用になりました。計画の最後は、山間部でサテライト通信の運用が難しくリクエストが多かった、長野県下水内郡栄村にも立ち寄ることにして、新潟県の計14市町村で運用することになりました(図1)。


図1 移動したルート

11月2日(1日目) 夜間に海岸で運用

2日の午後から出発できたので、2日の夜に新潟県内で運用することを考えました。平日の夜ではあるものの、これまで運用したことが無い市町村を選択して、三島(さんとう)郡出雲崎町に移動しました。途中の休憩を挟みつつ、自宅からは6時間以上かかりました。

初めて行く場所で土地勘が無いため、海岸沿いの駐車場を目指しました。南側には山があり、サテライトJO-97の運用には少し手間取ったものの、沖縄県と交信できるなど一定の成果はありました。秋が深まって日没の時間が早くなり、20時には7MHz帯の国内が完全にスキップしていました。

11月3日(2日目) 阿賀野市から、3市区町の境界付近へ

2日目の朝は、阿賀野市で運用することにしました。夜間に雨が降り、明け方は濃霧で運転が困難な状況だったので、明るくなるのを待ってから高速道路で移動しました。河川敷に到着すると、今度は強風で釣竿アンテナが大きく曲がってしまいました(写真1)。悪天候での運用は経験豊富であり、この程度の風では全く問題ありません。

HF帯は21MHz帯で国内局が聞こえたものの、24MHz UPはほぼ聞こえませんでした。時間の経過とともに風が弱くなり、河川敷や公園で犬の散歩などをする人々も見られるようになりました。


写真1 阿賀野市での運用の様子

その後、五泉市の公園で運用したところ、14MHz帯の近距離のコンディションが良く、25QSOしたところで時間切れになり、加茂市・南蒲原郡田上町・新潟市南区の3市区町の境界付近を目指しました。3市区町の交点は信濃川の水面上にあり、その周辺で河川敷や堤防などで運用場所が確保できるだろうと考えました。実際は、加茂市側は住宅地が多くて駐車スペースが見当たらなかったため、西に4kmほど離れた場所で運用しました。ここでも、14MHz帯のコンディションが良く、快調に呼ばれました。

田上町、新潟市南区と場所を移して、それぞれ堤防上の空きスペースで運用しました(写真2)。南区では既に日没になったものの、ハイバンドにチャレンジすると28MHz帯で3QSOできました。また、日没後に完全に暗くなった後の1.9MHz帯も好調でした。


写真2 新潟市南区での運用の様子

11月4日(3日目) 平地の6市町村で運用

朝は、田んぼや果樹園が周囲に広がる、三条市の公園で運用しました(写真3)。以前、サテライト通信で三条市の局と交信した時に、なぜこんなに仰角が低いパスで交信できるのか疑問に思っていて、その理由が分かりました。この付近はほぼ完全な平地で、周囲に山などが無く見晴らしが抜群です。


写真3 三条市での運用の様子

この日は6か所での運用を予定しており、時間が限られていたため、新潟市西蒲区・燕市の公園に足早に移動し、7MHz帯から順番に時間の許す限り巡回しました。燕市の18MHz帯で8QSOできたので、時間に余裕があれば28MHz帯まで何局か聞こえたかもしれません。

西蒲原郡弥彦村の工業団地にある公園に移動する途中で雨が激しくなり、HF帯の受信に空電ノイズが混じるようになりました。しかし、伝搬のコンディションはまずまずで、SSN(太陽黒点数)=0の時期には交信に苦労した14MHz帯の近距離がよく聞こえました。見附市(写真4)と長岡市では、公園の駐車場で運用しました。伝搬のコンディションは日によって変動があり、日没後の長岡市では、24MHz UPで交信できませんでした。


写真4 見附市での運用の様子

11月5日(4日目) 山間部の市町村を目指して

朝は小千谷市で運用を開始しました。この辺りまで来ると山が近く、広い平地は少なくなります。堤防上の場所を確保しました。7MHz帯、10MHz帯と調子が良かったので、ハイバンドも行けるかもしれないと思いQSYしてみたところ、28MHz帯で2QSOできるなど、まずまずの成果でした。

この場所では、11月9日に運用を終了し、大気圏に突入したFO-99 NEXUS経由で、私にとっては最後の運用機会になりました。


写真5 小千谷市での運用の様子

続く小千谷市に移動すると、祭りが行われていて駐車場が確保できず、サテライトのJO-97の時間が近づいたため駅前の駐車場で短時間運用することにしました。

中魚沼郡津南町は山間部にあり、サテライト通信に適した場所がなかなか見当たりませんでした。高台のロケーションの良い所は民家が近かったり、道が狭かったりして、駐車場を探すまでに時間がかかりました。結局、ここも駅前の駐車場で運用しました。

長野県に入って、下水内郡栄村でも同じように、サテライト通信に適した周囲が開けた場所を探しました。こちらは意外にも、国道沿いで良い場所を簡単に見つけることができました。津南町、栄村ともに山間部で移動局が少ないようで、HF帯、サテライトとも厚めのパイルアップになりました。

結果

QTH別、バンド別のQSO数を表1に示します。3日、4日とも、7~14MHz帯が一日中好調だったため、1日のQSO数は800を超えました。


表1 QSO数。栄村は長野県、それ以外の市町村は新潟県。
1.9~50MHzはCW、サテライトはCW/SSB。

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