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海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その83 海外で集めた蓄音機とラジオの展示会を開きます 1993年(5)
「あの人は今 (第8回)」JJ3PRT青木洋二氏

JA3AER 荒川泰蔵

海外で集めた蓄音機とラジオの展示会を天理市で開きます

筆者は仕事で米国に駐在中の1980年代と英国に駐在中の1990年代に、アマチュア無線の延長線上でビンテージラジオに興味を持ち、米国ではAWA (the Antique Wireless Association)のメンバーとして、英国ではBVWS (the British Vintage Wireless Society)のメンバーとして、また帰国後は日本のAWC (Antique Wireless Club)のメンバーとして収集したラジオや蓄音機のコレクションの一部を、2020年2月22日から3日間、奈良県天理市にあるシャープミュージアムで「蓄音機とラジオ企画展」として展示させて頂く機会を得ました。エジソンの円筒式蓄音機を含む5台の蓄音機は展示と共に、円筒レコードとSPレコードの実演を兼ねた講演をさせて頂きます。お手持ちのSPレコードをご持参いただければ、かけさせて頂けるかも知れません。またラジオは、鉱石ラジオから初期のトランジスターラジオまで20数台を展示させて頂きます。ミュージアムへの割引入場券のついた案内チラシは(写真1)の通りですが、これをコピーして持参頂くか、スマホで撮影して提示頂ければ割引料金で入場できますので、この機会にシャープ株式会社の創業時代のシャープペンシルから、最新テクノロジーを駆使した独創的な製品の歴史を展示した常設館の見学を兼ねて是非お越し下さい。シャープミュージアムのウエブサイト(URL)はhttps://corporate.jp.sharp/showroom/で、割引入場券付きの案内チラシはここからもダウンロードできます。尚、今月の「あの人は今 (第8回)」は、JJ3PRT青木洋二氏の紹介です。


写真1. シャープミュージアムで開かれる「蓄音機とラジオの企画展」の案内チラシ。

1993年 (ITU本部 4U1ITU)

JP1NWZ櫻田洋一氏4U1ITUで2日間、HFのCWを運用し約3,000局とQSOしたと、アンケートを寄せてくれた(写真2)。「Japan CWコンテスト参加目的の為、4U1ITUよりQRVした。既にアンテナは160m-10m まで用意されていましたが、Rig.とAmp.は故障しているものが多いとF8RU, Tedより聞いていましたので自分のRig.及びAmp.を持参しました。7MHzでは、2エレ八木が上がっていますので、多数のJAとQSO出来ました。2日間のみですが、7MHzで500QSO/JAです。又、WARCバンドのダイポ-ルも上がっていましたので、10, 18, 24MHzにもQRVしました。ほぼ毎日誰かがQRVしている場所ですので、珍局ではありませんが、HB9の中にあるITUの場所のみDXCCの1カントリーとして認められています。よって大変興味のあるQRVになりました。機会があれば再度コンテストでQRVする予定です。(1993年12月記)」


写真2. (左)4U1ITUのシャックにて、F5NYQ, ClaudiaさんとJP1NWZ櫻田洋一氏。
(右)JP1NWZ櫻田洋一氏専用の4U1ITUのQSLカード。

JH4UYB岡野正樹氏はジュネーブを旅行中、4U1ITUを運用したとアンケートを寄せてくれた(写真3)。「1993年3月ハネム-ンでジュネ-ブを訪れた際、観光バスから偶然国連ビル屋上のアンテナ群が見えたため、パックツア-の合間をみてXYLと2人で市内バスに乗り、夕方4時に国連ビルに到着した。受付で来意を告げるとHB9RKG, Philipが来てくれシャックへ案内された。リグは数種類あったが複数のオペレ-タ-が使用するため故障が多く、IC-765とIC-2KLの組み合わせのものが使用可能であった。14.189MHzでCQ出したところ最初HB9が呼んできて、次いでJF1MBAが呼んできた。その後QRZ JA?とすると大パイルになり、DXerとして有名な局が次々に呼んで来るし信号も59で快適にQSOできた。15:30-16:00の30分間に54局のJAと1局のHB9とQSOでき、すぐその場でQSLを書き上げBureau行きのBoxに入れた。終わった旨Philipに電話すると直ぐに来てくれ、今回は僅か30分の運用なので運用費はいらないと言われた。とても親切な紳士で、素晴しい旅行の思い出になった。(1993年8月記)」


写真3. (左)4U1ITUを運用するJH4UYB岡野正樹氏夫妻。
(右)その写真をアンケートと共に送ってくれた封筒。

JA0BSL遠藤聖士氏は、現在米国在住でK4STとしてアクティブですが、FBニュースで4U1ITUの記事を見て、自分も1989年に運用したことを思い出したと、写真とQSLカードのJPEGファイルを添えてメールで知らせてくれた。1993年の事ではありませんがここで紹介します(写真4)。「私は1989年3月10-12日に4U1ITUからゲストOPでQRVしていまして(12日はDJ0UL/JA1SC松村教授にお付き合いしていたので都合2日間で)、QSOは636局、内JAは315局でした。QSLカードは大部分その場で記入しビューロー発送Boxに入れましたが、時間の都合で書ききれなかった分と、ダイレクト請求に対応するため若干の予備を警備員の了解のもとで持ち帰り、帰国後ビューロー経由で一方的に発送しました。その後ダイレクト請求も若干あり、それらは個別に対応しました。30年前ですので、当時の事は大分忘れてしまいました。(2019年11月記)」とのことですが、今でも当時のログと少々のQSLカードをお持ちとの事ですので、受け取られていない方はK4ST遠藤聖士氏(kiyoshi.k4st@gmail.comまで連絡されれば発行して貰えるかも知れません。


写真4. (左)4U1ITUを運用するJA0BSL遠藤聖士氏。
(右)ITU COM 89が開催された1989年当時の4U1ITUのQSLカード。

1993年 (ハンガリー HA/GW0RTA)

JA3AER筆者は、1993年12月の団体ツアーで訪問したハンガリーでの運用についてメモを残していた(写真5及び6)。「英国に駐在中の年末年始の休暇を利用し、日本旅行社の団体ツアーにXYLと共に参加し、初めての東欧の町ブタペストを訪れました。出発に先立ってハンガリーのアマチュア無線連盟に手紙を出して、ウエルカムの返事を頂いていましたので訪ねてみましたが、残念ながら休日と重なり連盟のあるビルの扉は閉まっていました。滞在先のホテルでは、英国のCEPT免許を利用し、HA/GW0RTAのコールサインで、145.6MHzのレピーター局HG5RVBを経由して、HA6NW, BatonyさんとQSOすることができました。またHA5HR, Szilardさんが、連盟から聞いていたのか滞在先のホテルを訪ねてきてくれ、アイボールQSOをすることができ、先のQSOのQSLカードは Szilardさんに託しQSPして頂きました。(1994年1月記)」


写真5. (左)ブタペストのホテルからHA/GW0RTAを運用する筆者と、
(右)そのQSLカード。


写真6. (左)ポーランドの連盟があるビル。(中)連盟の看板を指差すビルの管理人と筆者。
(右)ホテルに訪ねて来てくれたHA5HR, Szilardさん。

1993年 (オーストリア OE/GW0RTA)

JA3AER筆者は、1993年12月の団体ツアーで訪問したオーストリアでの運用についてメモを残していた(写真7及び8)。「先のハンガリーのブタペストから、団体ツアーの観光バスで12月30日に国境を越えてオーストリアに入りウィーン(ビエンナ)に到着しました。ここでも英国のCEPT免許を利用し、OE/GW0RTAのコールサインで、145.625MHzのレピーター局OE1BRを経由して、JAIGのメンバーであるOE1YOB典子さんと、ご主人のOE1MWC, MarkusさんとQSOした後に、OE1SMC, Hansさん、OE4BKU, BenさんともQSOすることができました。ニューイヤーイブはツアーのプログラムに参加し、本場のオペラを観賞後、夕食を済ませたレストランで新年のカウントダウンで新年を祝いました。(1994年1月記)」


写真7. (左)OE/GW0RTAのQSLカード。(右)ニューイヤーイブのウィーンにて筆者。


写真8. (左)ウィーンにてニューイヤーイブの観劇後、俳優にサインをもらうJG3FAR荒川洋子氏。
(右)ウィーンにて、旅行者達とカウントダウンで迎えた新年を祝う筆者夫妻(右端)。

1993年 (デンマーク 7L2PGJ/OZ)

7L2PGJ鶴田幸倫氏は商用でデンマークに滞在中、7L2PGJ/OZでゲスト運用をトライしたとアンケートを寄せてくれた (写真9)。「1993年3月~6月末日まで、デンマ-クのフュン(Fyn)島に仕事で滞在しました。日本を発つ前にJARLやデンマーク大使館に情報を貰い、デンマークの連盟EDRに手紙を出してQRVは可能かどうかを確認しましたが、不可ということでした。デンマークに来て数週間後、たまたま見つけたパーツショップで地元のアマチュア無線家と知り合い、彼が何度か通信省と掛け合ってくれた結果、ゲストオペならいいだろうという口頭での回答を得ました。そこで6月下旬、JA向けに20mと15mでスケジュールを組み、交信を試みましたがコンディションが悪く、残念ながらQSOは出来ませんでした。無線に限らず、末端の係員に結構判断が委ねられています。OZのライセンスはA~Fまでのクラスがあり、Fは未成年向のU・V 25W免許です。HFに出るには、CWの45字/分が最低必要でCクラス。HFのSSBに出るにはBクラス以上の免許が必要で、CW60字/分を必要とされます。RFパワーは、Aクラスが500W、Bクラスが100Wです。Cクラス、DクラスもU・Vは100Wで、EクラスはU・Vのみの500W免許です。(1993年7月記)」


写真9. (左)7L2PGJ鶴田幸倫氏がデンマークで見つけたパーツショップ。
(右)鶴田幸倫氏が7L2PGJ/OZでゲスト運用させてもらったハムのシャックにて。

1993年 (スウェーデン SM6/VK2BEX)

VK2BEX朝比奈篤行氏は、スウェーデンでSM6/VK2BEXの特別運用許可を得て、約100QSOしたとアンケートを寄せてくれた。「SM6で開かれたDX Meetingに招待されて行きました。SMとVKの間には相互運用協定は無いのですが、特別許可でした。QRVはほんの短時間のみでした。(1993年12月記)」

「あの人は今 (第8回)」JJ3PRT青木洋二氏

現在、奈良DXアソシエーション(NDXA)の会長として、各方面にアクティブなJJ3PRT青木洋二氏のバチカン市国での記事は(その13) 2014年4月号に、マカオでの記事は(その18) 2014年9月号(その35) 2016年2月号に、ロードハウ島での記事は(その33) 2015年12月号に、オーストラリアでの記事は(その40) 2016年7月号に、米国での記事は(その57) 2017年12月号で紹介させて頂きました。また青木氏は2016年10月号の今月のハムにも紹介されています。その青木氏から当時の思い出を含む近況を、アンケートでお知らせ頂きましたので紹介させて頂きます。

「1974年にアメリカの大学に留学して以来、2011年まで海外は数百回訪問し、アメリカとフランスに3回長期駐在しました。仕事がメインですが、今までに50ヵ国弱を訪問しています。その間時間を見つけてはバチカンや国連等から無線の運用を行ってきましたが、2011年に会社を退職して以来海外には一度も行っておらず、海外からの無線運用も行っておりません。退職後病気になり3回も入院してしまい、海外旅行はドクターストップがかかってしまったからです。現役時代の「酒に別腸あり」のつけが回ってきた様です。30代と40代の頃は毎晩数時間の睡眠で海外運用を行っていましたが、これは若いからできたのだと思います。老驥千里を想うではないですが、体力が衰えた今でもその強い志は持っております。

会社を退職後、社会への恩返しということで、いくつかの大学と大学院で英語、知的財産権、経営を最近まで教えていました。DXを中学3年生の時からやっていた関係で英語を自然に習得してしまいましたので、その後の人生に於いてもこの無線で習得した英語と他の語学力は大いに役立ってくれました。これも偏にDXのお蔭と感謝しております。今日の様なグローバル時代に於いて、英語は世界共通語になっておりますので、短期間ですが大学と大学院で正しい英語を教えたことにより、学生の英語力向上に少しでも貢献できたと自負しております。

定年後の楽しみは海外からのDXペディション運用と別宅シャックからの運用ということでしたが、海外からのDXペディション運用という目標は2012年の入院で絶たれてしまいましたので、そのエネルギーを別宅シャックづくりに向けました。2009年秋に奈良の山奥にある山頂の土地を購入し、別宅シャックづくりを開始しました。週末だけの作業でしたが虚仮の一念で何とか2010年9月に別宅シャックを完成し、ここから運用を開始しました。しかし別宅シャックへの往復の時間がもったいないのと、珍しい局が出てきても別宅シャックにすぐ行くことができずQSOできないということが多々ありました。この問題を解決するために、1年かかりましたが奈良DXアソシエーションのメンバーと協力して、リモート運用システムを2014年秋に構築しました。これによりいつでも家から運用できる様になりました。奈良DXアソシエーションには電気工事、弱電、IT等各分野の専門家がおりますので、この専門家の力をお借りすることで、被雷対策まで完備した比類なきリモート運用システムを構築することができました。正に衆知を集めたリモート運用システムの完成でした。現在3本のタワーを所有し、80m-6mはビームアンテナで、160mはスローパーとビバレッジでリモート運用を行っております(写真10)。リモート運用を構築したことにより、K1NやFT4JAを始めとする大きなDXペディションのお手伝いをパイロットもしくはサブパイロットとして行っております。通常なかなかJAにアンテナを向けてくれないペディション局ですが、ペディション前のドネーション活動を大々的に行ったことや現地との英語やフランス語によるやり取りでJAにアンテナを向けてもらう様交渉をした結果、多くのJAがペディション局とQSOできたことは大変喜ばしくまた誇りに思っております。今後もJAのためにDXペディションの支援を側面から行う予定です。最近若い方でDXをされている方が増えておりませんので、奈良DXアソシエーションの会長として、若手メンバーのリクルートに努めております。メンバーの中で最も若い方は15歳のYLさんですが、若いメンバーがなかなか増えないのが悩みの種です。薬餌に親しむ毎日ですが、今後もJAのDX界のために尽力したいと思っております。(2019年11月記)」

尚、NDXAのホームページは、次のURLでご覧頂けます。 https://ndxa.denshin.org/


写真10. JJ3PRT青木洋二氏の別宅シャックのアンテナ群。

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