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海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その95 今回の記事は1994年のオセアニア前半 1994年(6)
「あの人は今(第20回)」JA1DCY神山堅志郎氏

JA3AER 荒川泰蔵

今回の記事は1994年のオセアニア前半

今回は1994年の6回目でオセアニアですが、この年もオセアニアでの運用は多く、CQゾーン別に、2回に分けさせて頂き、今回はその前半でCQゾーンの27~30の国々です。尚、今月の「あの人は今 (第20回)」は、JA1DCY神山堅志郎氏の紹介です。

1994年 (フィリピン JA1BRK/DU1, DU1ZV)

JA1BRK米村太刀夫氏は、フィリピンでJA1BRK/DU1の臨時免許を得て、毎年更新してきたと、最新の臨時免許状を添えて、アンケートを寄せてくれた(写真1の左)。「1989年にPARAを通してアマチュア無線の申請を行った。提出書類は、1. 申請図面(DUの局と同じ)。2. JA1BRKの局免許の英文翻訳と、1アマのOPライセンスの英文翻訳。3. 写真2枚。4. 在比日本大使館からの推薦状。等であった。以後毎年更新している。(1994年11月記)」その後、米村太刀夫氏は現地で資格試験を受ける機会を得、それに合格して2000年にはDU1ZVのコールサインで免許を得ておられ、更に2013年には同コールサインで、日本人で初めての終身免許を取得されました。これらについてはCQ誌2014年5月号に手記を寄せておられます(写真1の右)


写真1. (左)JA1BRK/DU1米村太刀夫氏の臨時免許状(熱感光紙で退色している)と、(右)DU1ZVの終身免許取得時の米村太刀夫氏のCQ誌(2014年5月号)への投稿記事。

1994年 (北マリアナ KH0N, KK6WW/KH0, KH0/JA1CMD)

JA6CNL古海邦彦氏は、北マリアナ諸島のサイパン島からKH0Nで運用したと、CQ誌編集部を通じてアンケートで寄せてくれた(写真2)。「ライセンスのフランチャイズがSAIPANである事、私の住んでいる福岡から一番近い"アメリカ"である事から、今後も度々出かけたいと思っています。今回の運用もアパマンハム同様にHOTELのベランダから3.5 フルサイズZEPP, 7/21 ZEPP, 14 自作VERTICALでQRVしました。QRNがひどくローバンドで懸命にコールしてくれるEUやECに充分サービスできず残念でした。3.5でQRVしていると多くの局に1.9へのQSYを依頼されました。今回は3.5 ZEPPのケーブルに予備の同軸を付け加えてロングワイヤーとし、長さをかせぎましたが、次回は本格的なANTが張れればと思っています。小規模PEDの悲しさで、いつもリニアなしのベアフット運用を余儀なくされておりますが、その内軽量リニアを入手したいと思っています。夢はKH0Nのコ-ルでオーナーロール入りですが、先ずはDXCCの完成からと思っております。(1995年2月記)」


写真2. KH0N古海邦彦氏のQSLカードの表と裏。

JA6EGL三宅正司氏は、クラブのメンバーと共に、北マリアナ諸島のサイパン島から、KK6WW/KH0で運用したと、アンケートを寄せてくれた(写真3)。「九州・福岡のパシフィック アイランズ ラジオクラブの4人は、1994年9月10日-14日の5日間、太平洋の楽園、北マリアナ連邦サイパン島北端サンロケ地区にある、マリアナ リゾ-ト ホテルより 3.5-430MHz(衛星通信含む)オ-ルバンド、CW, SSB, FMで運用を行いました。ホテルはコーテージになっていて、裏庭が広いのでアンテナは楽に張れました。参加メンバーは団長: KH2GR/JF6BCC今石氏、副団長: KR4NV/JA6CNL古海氏、JM6VOV横井氏、KK6WW/JA6EGL三宅の4名でした。(1995年4月記)」


写真3. KK6WW/KH0三宅正司氏とその同行者の共用QSLカードの表と裏。

JA1CMD宮盛和氏は、米国駐在中の1994年に、北マリアナ諸島のサイパン島を2度訪れ、相互運用協定によるKH0/JA1CMDのコールサインで運用した旨、アンケートを寄せてくれた(写真4)。「1994年1月にはサイパンのホテルからG5RVアンテナ、TENTEC SCOUT-555、35Wで、3.5, 7MHz, CWを運用、4月にはやはりホテルからWINDOMとDIPOLEアンテナ、Kenwood TS-50、50Wで、1.8-28MHz All Band, CW及びSSBを運用と、日本に出張の都度WeekendをSaipanで楽しんでおります。(アトランタにて1994年4月記)」。尚、この1月の運用については、月刊ファイブナイン誌1994年4月号に、「KH0・サイパンは珍!"軽装備"でのサイパン運用」と題した2ページ見開きの記事を投稿しておられます(写真5)


写真4. KH0/JA1CMD宮盛和氏のQSLカードの表と裏。


写真5. KH0/JA1CMD宮盛和氏の59誌(1994年4月号)への投稿記事。

1994年 (パラオ KC6KE)

JS6BLS遠藤孝治氏は、パラオのコロールで、KC6KEで運用しHFのSSBとCWで約200局とQSOしたと、CQ誌編集部を通じてアンケートで寄せてくれた(写真6)。「免許はV6同様、FCCのライセンスを基に申請し、JAに送ってもらった。但し、担当者がかわるとどうなるか不明である。ホテルはニッコーパラオに泊まり、そこから運用したが、他のJAのOPはダウンタウンのニューコロールに泊まりQRVする方が多い。その方がロケーションや食事等は便利だと思われる。KC6はFBなところではあるが、物価が高いのがたまにキズ。またVISAなどのカードも使えるところが少ないので注意。銀行の両替レートも悪いので日本でドルを両替して持って行った方がよい。(1995年3月記)」


写真6. KC6KE及びV63KE遠藤孝治氏のQSLカードの表と裏。

1994年 (ミクロネシア V63KE)

JS6BLS遠藤孝治氏は、ミクロネシアのヤップ島で、KH2Hの免許を基に取得したV63KEで運用し、HFのCWとSSBで約1,000局とQSOしたと、CQ誌編集部を通じてアンケートで寄せてくれた(写真6)。「KC6KEの運用を終え、V6のヤップ島からQRVすることができた。B727からヤップに降りたのは6人のみ、観光にメジャーなところではないようである。また石貨(ストーンマネー)、ダイビングの他にはあまり見るとこはない。一般的にV6はポナペからのQRVが多い。最初3日間の予定であったが、台風のため6日間になり、そのためQSO数を伸ばすことができた。運用はパスウェイズホテル(1泊 Twin $85.00)から行った。(1995年3月記)」

1994年 (東マレーシア 9M6/JS6BLS, 9M8MKS)

JS6BLS遠藤孝治氏は、東マレーシアのコタキナバルで、9M6/JS6BSLで運用した時の事を、CQ誌編集部を通じてアンケートで寄せてくれた(写真7)。「免許の取得に関しては個人でやるのはかなり難しい。今回は9M6HFから紹介された9M6SUが協力してくれた。いづれにしても現地局に協力を頼んだ方がベターであると思われる。運用に関しては最初ホテルでDPを張ってやっていたが、9M6JMがうちに来てQRVせよと言ってくれ、3日間ホームスティをしてWPX-CWコンテストを中心にQRVできた。終了後9M8クチンへQSY、ホリディインに9M8MKS(サラワク クラブ)があり、ゲストオペでQRV、その後ペナンで9M2FKのお宅からもQRVできた。(1995年3月記)」


写真7. 9M6/JS6BLS遠藤孝治氏のQSLカードの表と裏。

1994年 (クリスマス島 VK9IG)

JA3IG葭谷祐治氏は、クリスマス島からVK9IGで、7MHzから21MHzのSSB, CWを運用し、約1,200局とQSOしたとアンケートを寄せてくれた。「インド洋に面しJAに開けたロケーションにあるクリスマスアイランド リゾート アンド カジノホテルでQRV。ここは食事もうまいし、カジノが24時間オープンしていて、ギャンブル好きなハムはQRVがおろそかになりそうですHi。(1994年8月記)」

1994年 (ココス・キーリング VK9IG/C)

JA3IG葭谷祐治氏は、ココス島からVK9IG/Cで、7MHzから21MHzのSSB, CWを運用したとアンケートを寄せてくれた。「1994年9月に出かけたこの島は、海抜10フィートの真っ平らな島で、どちら向きにもロケーションはFBです。宿泊ロッジが一軒あります。(1994年9月記)」

1994年 (オーストラリア VK2IAZ)

故JS1DLC荒川謙一郎氏は、VK2IAZの免許を得てアクティブに運用しておられたオーストラリアから、英国へ直接アンケートを送ってくれた(写真8~10)。「プライベート屋上付きの8階建てアパートの8階に1994年9月に開設。当初V型ダイポールを屋上にあげたところ、高さもあり良くJA他とQSO出来たが、欲を出して垂直型のR5へ変更したところTVIが発生。共聴アンテナが同じく屋上にあり、水平型アンテナではTVIは全くなく、いろいろ実験したところTVアンテナマストでの2次輻射によるIと思われる。アパートの管理団体からクレームありアンテナを降ろされる。現在は見えないよう全長3mの水平短縮型のダイポールで運用しているが、受信感度が悪く常に送りと受けのレポートにS4前後の差がある。この他、同時にパケット局を開設、BBSを設定した(144.9MHz, VK2OP)当初はJAとも大変な時間がかかったが、現在ではJA, W, G等の友人と2~3日でQSO出来ている。また、430MHzのリピーター(483.175MHz, Terry Hills)を在宅中は聞いており、友人のVK2FHY見城さんとは常時これで連絡をとっている。(1994年11月記)」


写真8. (左)VK2IAZ荒川謙一郎氏のシャックにて荒川氏とVK2FHY見城氏。(右)アパートの屋上のアンテナと横に立つVK2FHY見城氏。


写真9. VK2IAZ荒川謙一郎氏のQSLカードの表と裏。


写真10. VK2IAZ荒川謙一郎氏の免許状。

「あの人は今 (第20回)」JA1DCY神山堅志郎氏

世界各地で活躍され、今もJANETにチェックインするなどアクティブなJA1DCY神山堅志郎氏の、ジュネーブのITU本部での運用は(その3)2013年6月号で、オランダでの運用については(その8)2013年11月号で、アフリカ・ナイジェリアでの運用については、(その9)2013年12月号で、そして南米・チリでの運用については(その13)2014年4月号でそれぞれ紹介させて頂きましたが、その神山氏からその他多くの国々のアマチュア無線家との交流を経験して、それが今につながっていると近況をお知らせ頂きましたのでここに紹介させて頂きます(写真11及び12)。「アマチュア無線通信というと、遠距離(DX)通信および多数局との交信ということが真っ先に頭に浮かびますが、私にとっては、通信のつながりから発展した、ヒトとヒトとのつながりが貴重な無形財産となっています。「絆」これが私のハムライフそのもので、無線に興味を持って以来変わりません。技術面における進歩、達成感が自然に付いてくる感じです。1959年に6L6(ジャンクのメタル管10W出力)とテレビフィーダーで作ったダイポールで、初めての電信の海外通信は感激そのものでした。比較的簡単な自作の設備でアメリカ西海岸まで届いた興奮は電信級の第一期生に合格したときと同様に、私には忘れられないできごとでした。そして7メガの電信で何度も交信を重ねたWA6IVM, Rayさんとは、その後家族も含めて40年もの付き合いになりました。Rayさんも1959年がデビューの年です。その後紆余曲折がありましたが、米国駐在は1980年から8年間におよび,JANETクラブの方々にお世話になりました。ニュージャージー北部のBergen Countyクラブ(BARA)の野外活動にN2ATF小林さん、N2ATT荒川さんをはじめ、ニューヨーク在住のJANET Clubの方々と参加しました。4U1UNを泊りがけで訪問できたのもJANETのお陰です。この時には外国籍でもアマチュア無線の免許を受けられるようになっていましたので、N2JA塚本さん著作の教科書で勉強して、ニューヨークのFCC事務所で半日のうちに、ノビスからエキストラ級までの試験をうけて、KS2Uのコールを得ました。仕事の上でFCC長官と間接的なチャンネルがあり、免許制度など勉強になりました。仕事は光通信システムの販売でしたが,客先にはアマチュア無線を楽しんでいる人が多く、客幹部との打ち合わせ中に話が盛り上がることがあり、ビジネスとプライベートのつながりが強まりました。何人かの客先のハムとは現在でもインターネット経由で40年程つながっています。アマチュア無線を始めて60年余り、大勢の人々とお空だけでなく、家庭訪問でも会えて、しかも長い間関係が途切れないということは素晴らしいと思っています。


写真11. (左)WA6IVM, Rayさんを訪ねたJA1DCY, JH1FYL神山堅志郎氏ご夫妻 (1999年)。(右)JA1DCY神山堅志郎氏の元同僚、NO0T, Sobonさんのご家族。右がお嬢さんのAD4PU, Lauraさん、左が妹のKE4RHU, Erinさん(2000年)。

家族4人が無線局免許を持って運用できるのに、運用時間は極めて少なく,折角10W機を用意しても、棚の飾りになっています。東日本大震災を栃木県内の急行電車の中で経験し、携帯電話はビジーで使えず、帰宅難民を経験したこともあり、長い間電波を使わせてもらっているので、社会貢献!と非常通信周波数を使えるように局免の変更をして、非常通信クラブに入会しましたが、訓練のみで活動の機会がないのは幸いです。令和の時代には移動電話のインフラもしっかりしてきたようです。他に高齢者大学の講師を2年、地域勉強会の講師、大学工学部の講師7年などで、少しは無線の経験をいかせたかな、と考える今日この頃です。(2020年6月記)」


写真12. (左)JA1DCYのシャックにて神山堅志郎氏。(右)JA1DCY神山堅志郎氏のご家族の共用QSLカード。

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