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日本全国・移動運用記

第84回 熊本市移動

JO2ASQ 清水祐樹

熊本市は2012年4月に政令指定都市に移行し、筆者はその時に移動運用を行いました(2016年10月号の記事)、4月初めではEスポ(スポラディックE層)の発生頻度が低く、HF帯のハイバンド(14~28MHz帯)や50MHz帯での交信が難しいため、Eスポの可能性が高い時期に、いつかは移動運用したいと考えていました。

それから10年が経過して、依然としてハイバンドの需要が多いとのことで、Eスポシーズンの終盤に差し掛かった7月末に、移動運用を計画しました。

台風5号が接近する中、前日は福岡県で運用

熊本市で運用する前日に、自走で移動しました。台風5号が東シナ海を西に進んでおり、九州地方に近づくにつれて風が強くなりました。途中で時間に余裕があったため、福岡県で最近運用していなかった3か所に立ち寄って運用することにしました。

最初は京都郡(みやこぐん)みやこ町で運用しました。長い釣り竿を伸ばそうとすると、強風で釣竿に無理な力が加わりそうな気配を感じたので、短いアンテナで運用しました。10MHz帯から運用を始めたところ、かなり強力なEスポの発生に気づき、50MHz帯にQSYすると1エリアから東が開けていて、長さ1.5mほどのホイップアンテナで交信できました。その後、10~50MHz帯の各バンドでパイルアップが続きました。

サテライト用のアンテナを三脚に設置したところ強風で倒れて一部が破損してしまい、すぐに応急処置をして、その後の運用に間に合わせました。

その後、リクエストがあった田川郡添田町(写真1)、田川郡福智町で運用しました。みやこ町で呼ばれ過ぎて時間が無くなり、また、強風で長いアンテナを設置することが困難だったため、10MHz帯とサテライトだけを短時間で運用して、熊本市に向かいました。


写真1 田川郡添田町での運用の様子

熊本市中央区から運用開始、5区全てで運用

人口密度が高いため運用場所の確保が最も難しい、熊本市中央区で運用を開始しました。台風5号の影響で山側から強風が吹くため、フェーン現象で朝から気温が上昇し、しかも時々大粒の雨が落ちてくる天気でした。

7MHz帯から順に28MHz帯まで上がっていくと、18MHz帯で1エリアが聞こえており、午前7時台としては上々のコンディションでした。ここで、コンディションがさらに上がることを見越して、もう1巡も考えたのですが、1日で5か所の運用をするためには1か所での滞在時間を2時間以内にする必要があるため、28MHz帯の一巡目で終了としました。なお、激しい雨のため、中央区での運用の写真は撮り損ねました。

北区は、中央区の運用場所から1kmほど離れた公園で運用しました(写真2)。雨が降った後で、念のため浸水等が無いかを確認してから運用場所を確保しました。中央区での様子から予想された通り、伝搬のコンディションが上がってきて、28MHz帯では15QSOできました。


写真2 熊本市北区での運用の様子

東区も公園で運用しました(写真3)。ここでは雨が激しくなってきて、雨具を着用すると蒸れて体感温度が上がり、雨が上がった合間には強い日差しが照りつけてくる状況で、扇風機とエアコンを使いながらの運用でした。ここでも伝搬のコンディションは良く、28MHz帯で20QSOを記録しました。しかし、50MHz帯は電離層反射が無く、地元局との1QSOだけでした。


写真3 熊本市東区での運用の様子

西区の公園に移動しました(写真4)。風雨は次第に弱まっていき、公園は野球やサッカーの利用者でにぎわっていました。ここでも東区と同様、28MHz帯では多くの局から呼ばれるも、50MHz帯では1QSOだけでした。28MHz帯と50MHz帯の間に伝搬の壁があって、それが長時間変わらなかった感じです。それでも、運用する局が少ないと思われる熊本市の28MHz帯で多くのQSOができたので、この時期に運用して成功だったといえます。


写真4 熊本市西区での運用の様子

南区の河川敷に移動し、夕方の運用になりました(写真5)。19時近くになり太陽が低くなってきても、まだまだ28MHz帯の伝搬は続いており、昼間ほどの勢いは無いものの交信できました。その後、3.5MHz帯と1.9MHz帯を展開したところ、日の入りが遅く19時30分になっても明るさが残っていたため、1.9MHzは5QSOに終わり、深いQSBを伴いながらの、かなり厳しい交信となりました。


写真5 熊本市南区での運用の様子

翌日は、かつて西日本ハムフェア会場になっていた、玉名郡長洲町へ

翌日は、2013年まで西日本ハムフェアの会場になっていた、玉名郡長洲町に移動しました。筆者はここで公開運用を行ったことがあり(2013年4月号の記事)、それ以来となる久々の運用です。

台風は離れていって天候は晴天に向かっており、蒸し暑い中で運用を開始しました(写真6)。早朝の時間帯で、7MHz帯は国内の広い範囲が聞こえることを期待し、10MHz帯の近距離がスキップしていなければ良いかな、と思っていたところ、コンディションが良く10MHz帯も14MHz帯も広い範囲が入感しており、14MHz帯を運用したところで時間切れになりました。

続いて、帰りの移動を考慮して、九州自動車道の南関ICに近い玉名郡南関町で運用しました。ここでは、10MHz帯で国内の広い範囲が聞こえていたものの、14MHzから28MHz帯は8エリアばかりが聞こえるコンディションでした。2時間強の運用で200QSOを超えました。


写真6 玉名郡長洲町での運用の様子

結果

運用日、QTHごとのQSO数を表1に示します。熊本市での運用はコンディションが良く、全ての区で7~28MHz帯での交信ができました。


表1: 運用日・QTH別のQSO数。29日の運用は福岡県、他は熊本県。
1.9~50MHzはCW、サテライトはCW/SSB。

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次号は 10月 17日(月) に公開予定

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