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日本全国・移動運用記

第110回 JARL鳥取県支部大会で移動運用

JO2ASQ 清水祐樹

2024年11月1日掲載

9月29日に開催されたJARL鳥取県支部大会に参加するため、その前日に鳥取県での移動運用を計画しました。

9月28日 前日の運用

これまで、鳥取県で移動運用を行う機会は多くありませんでした。そのため支部大会の会場に向かう途中に、鳥取県内で移動運用をすることにしました。

今年のハムフェアで、鳥取県の移動局が少ないとの話を伺っており、候補になる場所がいくつか考えられました。鳥取県は意外に広い県で、市町村の間の移動に時間がかかる地域もあります。当然ながら、筆者の自宅がある愛知県から鳥取県までは、最速でも車で5時間ほどかかるので、時間配分を考えて八頭郡の3つの町で運用することにしました。最初に、午前6時台に兵庫県宍粟市のパーキングエリアで短時間運用した後、八頭郡智頭町へ向かいました。

長期間の移動運用では、事前に運用場所をインターネット上の航空写真などで調べて、運用候補地のリストを作成することがあります。今回は1日限りの運用で、その準備を真面目にやっていなかったため、智頭町に着いてから町の中心部は谷底で特にサテライト通信の運用が難しいことに気づきました。

急遽、現地で運用場所を検索したところ、北東側の一部だけ開けている運動公園で運用することにしました(写真1)。7~14MHz帯は、伝搬が比較的安定しており多くの局と交信できました。しかし、時期的にもEスポ(スポラディックE層)の気配は無く、ハイバンドでは交信できませんでした。


写真1 智頭町での運用の様子

次に、八頭郡八頭町に移動したところ、地図上で駐車スペースがあるかと思われた場所に獣害対策でフェンスが張られているなどの事情で、ここでも運用場所探しに苦労しました。町の西側の鳥取市の近くには平地があり運用しやすいように見えましたが、次に予定していた若桜町に早く移動できるよう、できるだけ東側で場所を探して、駐車スペースを見つけました(写真2)。サテライト通信では、高い仰角のパスがあったので、比較的余裕を持って運用できました。HF帯の伝搬は決して良くはなかったものの、ある程度のQSO数は確保できました。

八頭郡若桜町に移動すると、山に囲まれた場所が多くなり、目視で移動運用を見つけることは難しそうでした。地図上で見つけていた公園に移動すると、とりあえず最低限の運用は出来そうな感じのロケーションでした(写真3)。まだまだ残暑が厳しい季節ではあったものの、午後からはHF帯の伝搬状態が振るわず、15時台に3.5MHz帯で交信できるなど、秋から冬にかけての伝搬のような感じでした。八頭郡のCW移動局が少なく、多くの局から呼ばれる予想は当たっていたような感じでした。


写真2 八頭町での運用の様子


写真3 若桜町での運用の様子

9月29日 支部大会当日の運用

午前7時過ぎに東伯郡湯梨浜町の会場に到着しました(写真4)。JARL支部大会のような行事では、地域によってはV/UHF帯のハンディ機で多くの局と交信できることがあります。しかし、鳥取県は人口が少ないためV/UHF帯で交信することは難しいと考え、最初からHF帯の運用を狙いました。

開会まで2時間以上あり、その間にHF帯とサテライト通信を運用しました。ハムフェアで、ある方から湯梨浜町のCWは未交信という話を聞き、この機会を狙っていました。その通りCWでは需要があるようで、10MHz CWでは98局、1時間近くもパイルアップが続きました。時間に余裕があれば来場者に設備の説明をしようとも考えていたものの、パイルアップが続いたため挨拶のみで終わりました。

この会場は住宅街にあり、駐車場から細い道を挟んだ向かい側も住宅でした。私は無線機の電源に無線機専用のバッテリーを使っており、運用中に発電機を使用することは無いため、このような場所でも騒音を出さずに運用できます。ただし、すぐ隣に住宅があったため、周波数帯によってはノイズレベルが高いと感じることもありました。

帰路の途中でも運用を検討しました。しかし、最近、大阪や京都付近では高速道路の渋滞が激しく、帰りの所要時間が予測できないので、午前中の支部大会に出席した後、途中の運用は無しでそのまま帰路に就きました。


写真4 JARL鳥取県支部大会会場(湯梨浜町)での運用の様子

結果

周波数帯、運用日、QTHごとのQSO数を表1に示します。今回の移動運用では夜間の運用が無かったため、1.9MHz帯は運用していません。ハイバンドの電波伝搬が良くなかったため、若桜町以外では24MHz帯から上の周波数で交信できませんでした。


表1 周波数帯、運用日、QTHごとのQSO数。3.5~28MHz帯はCW、サテライトはCWとSSB。宍粟市は兵庫県、他は鳥取県。

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