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日本全国・移動運用記

第38回 福岡県那珂川市・新市移動

JO2ASQ 清水祐樹

10月1日午前0時、那珂川市誕生の瞬間

午前0時が近付くと、既に交信済みのお馴染み局から、ご挨拶と機器の動作確認を兼ねて呼ばれることが多くなりました。そして午前0時、那珂川市誕生の瞬間がやってきました。その前後のCWでの交信の様子を文字に起こすと、次のような感じです。

自局の送信信号(以下、送とする): CQ DE JO2ASQ/6 JCG 40010/B K注1)
受信信号(以下、受とする): …(ノイズしか聞こえない)。離れた周波数で、ト・ト・トといった短点や、ヒューヒューといったアンテナのチューニングを取っていると思われる音が、かすかに聞こえる。
(中略)
【0時の時報】
送: NW CQ DE JO2ASQ/6 JCC 4037 K注1)
受:ピピーピーピピピピピピーーーーーーーーーーー (あまりに多くの信号が重なるため、スペースが無い連続音のように聞こえる)
送:JK6***/6 GE5NN 注2) BK (1局目は同じ那珂川市内の移動局、強力な信号で、一発でコールサインを確認)
受:ピー5NN TUピピピー (タイミングをずらして呼んでくる局の混信を受ける中、レポートを確認し交信成立)
送:TU DE JO2ASQ/6 K
受:ピピピーーーーピピーーーピピーーーーーーーーー
送:JH4*** GE5NN BK
受:ピーGM 5NN TUピピーーー
送:TU DE JO2ASQ/6 K
(以下、同様に続く)

注1) JCG40010/Bは筑紫郡那珂川町、JCC4037は那珂川市を表す番号
注2) 混信の中でも自局の送信であることが聞く側に分かるように、独特の符号(この場合は、GE5NN の語間を詰めて打つ)をわざと送信する。私の独自ルール。

珍しい場所での移動運用(例えば青ヶ島村)で同様の状況が一時的に発生することはあっても、新しい市の方が、はるかに大きなパイルアップになります。

台風の影響、かつ、平日でもあり、午前0時の直後に交信できた局数はこれまでの新市移動と比べて半分ほどでした。その後の1.9MHz CWでは、伝搬の状態が悪いようで近距離があまり聞こえず、通常の移動運用と変わらない交信数でした。7MHzは那珂川市内1局、福岡県内1局、8エリア2局と、日本国内が見事にスキップしていました(=近距離に電離層反射の電波が到達しない状態)。

夜明けとともに、本格的なパイルアップが始まる

午前4時過ぎから1.9MHzと3.5MHzで運用を再開して、7MHzで国内近距離が聞こえるタイミングを待ちました。午前0時直後のパイルアップを避けて、この時間帯を狙っている追っかけ常連局もいます。パイルアップは少なく、1回のコールでも高い確率で交信できる状態でした。

午前5時40分頃から、各局お待ちかねの7MHz CWを開始、最初は8エリアから始まり、7エリア、そして、スキップしていたはずなのに、なぜか交信できる3エリアの強力な局が続きます。ここで、7MHzがまだ聞こえないので3.5MHzが欲しいとのリクエストがあり、再び3.5MHzに戻り、さらに局数を上積みしました。午前7時近くになると、7MHzで1エリアが聞こえ始めて、一気に猛烈なパイルアップになり、それが2時間近く続きました。それでもやはり、台風の影響で呼ばれる局数はいつもより少な目でした。

伝搬のコンディションが上がって国内近距離の信号が強力に聞こえ始め、午前9時台には10MHzで1エリアと交信。しかし、すぐにコンディションは低下し、14MHzでかろうじて8エリアと交信できる程度になりました。国内交信に適した7MHzや10MHzは、既に他の那珂川市移動局が出ているため、安易にCQを出せません。そこで、風が収まったタイミングで50MHzのアンテナを準備し、CW/SSB/RTTYの各モードでCQを開始しました(写真4)。しかし、電離層反射の気配は無く、交信できたのは近距離の4局だけでした。


写真4 那珂川市の運用場所の様子。右側の八木アンテナは50MHz用。

伝搬のコンディションが悪く、頼みの7MHzも使えない…

午後には天気は回復したものの、台風の余波で時々強い風が吹きました。伝搬のコンディションは悪く、10MHz以上のバンドは北日本の限られた地域しか聞こえません。7MHzは、OTHレーダーの混信が強烈で、パタパタというノイズが7MHz全域に出て、時にはSメーターが9まで振れる状態になり、交信が難しくなりました。

RTTYに出てみると、受信画面(周波数と信号強度を示す表示、通常はRTTYの信号を受信すると2本の縦線が見える)に無数の縦縞模様(OTHレーダーの混信)が現れ、RTTYの信号の存在が分かりませんでした。しかし、ソフトウェアの方は混信に埋もれたRTTYの信号を解読できており、レポート交換に手間取ることはあったものの、交信自体は成功しました。

夜には3.5MHzと1.9MHzの運用に集中しました。この日の夜は伝搬の状況が比較的良かった感じで、8エリアとも多くの交信ができました。那珂川市の移動各局も、各バンドで精力的な運用が続きました。
私は前日からCWの猛烈なパイルさばき、時にはマイクに向かって大声の連続、さらにはアンテナが風で倒れないよう定期的な点検を続けるなど、休む間も無く動き回っており、撤収時には体力を消耗してバテバテでした。

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