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日本全国・移動運用記

第55回 JARL沖縄県支部大会(ハムの集い)

JO2ASQ 清水祐樹

第53回の記事では、沖縄本島南部での移動運用の様子を紹介しました。その時に運用しなかった沖縄本島北部は、約2か月後、2月の3連休に行くことを計画していました。同じ日に、JARL沖縄県支部大会(ハムの集い)が開催されることを知り、貴重な機会にぜひ参加したいと考えました。

会場に到着、準備のお手伝いから

中頭郡北中城村(なかがみぐん きたなかぐすくそん)の会場に到着しました。沖縄らしい立派な作りの建物です。開会前に会場をのぞいてみると、テラスに首里城再建支援特別局8N6SHURIのアンテナを設置しており、設営のお手伝いをさせていただきました(写真1, 2)。


写真1 アンテナ設置の様子


写真2 首里城再建支援特別局8N6SHURI

会場に設けられたブースは、初心者向けの電子工作から、こだわりの受信機まで自作をテーマにしたブースが多いことが特徴でした(写真3)。メーカーのブースではIC-9700の展示があり、会場に持参したID-51PLUS2から画像を転送して運用デモも行いました(写真4)。沖縄では台風が来るのでHF帯の大きなアンテナを上げることが難しく、手軽なアンテナで楽しめるサテライト通信に興味を持たれる方が多いと聞いて、なるほどと思いました。そこで、サテライト通信のブースに自分のアンテナを持ち込んで、解説も行いました(写真5)。会場でお会いした方々は、皆さんが初対面です。それなのに、旧知の仲のように無線の話で大いに盛り上がる、とても楽しいひとときでした。


写真3 会場全体の様子


写真4 メーカーブースの様子


写真5 サテライト通信のブースの様子。写真右にあるアンテナは筆者が持参したもの。

空き時間に駐車場で運用

空き時間に、駐車場で運用しました。まずはサテライト通信から開始して、FM衛星のAO-91で運用しました。衛星が北側にいる間は、国内局ばかりが聞こえており、衛星が南側に移動すると海外局が次々に聞こえてきました。本州では、衛星が低い高度にある時にしか海外局は聞こえてきませんが、沖縄では衛星が天頂付近にいる時でさえも、海外局が聞こえます。頭では分かっていることでも、本州では体験できない場面に実際に遭遇すると、新たな感動があります。

FM衛星は、送信時のハウリングを防ぐためヘッドホンで受信する必要があり、受信の状況を皆さんにお聞かせできなかったことは残念でした。この日は電波伝搬のコンディションが悪く、7MHz帯では国内の強力な局が数局確認できる程度で、ノイズレベルも高く受信が厳しい状態でした。10MHz帯は、信号は強くないものの何局かの信号は聞こえており、ノイズレベルは低かったので、10MHz CWを運用することにしました。運転席の窓を開けて、スピーカーから音を出して皆さんに運用の様子をご覧いただきました(写真6)。


写真6 駐車場で運用中の様子

交信を始めると、見学中の皆さんから次々に質問が飛んできました。

「2エリアのコールサインだねえ、沖縄に住んでるの?」
『いえいえ、無線をやるために沖縄に来ました。』
「何メガで運用しているの?」
『10メガです。』
「これが電鍵?」
『これは羽根が1枚のパドルで、普通は2枚で左右が別々に動くのですが、1枚の方が速く打てます。このカバーは自作です。』
「コイルの巻き数を切り替えているのね。アンテナのマッチングはどうやって調べるの?」
『このアンテナアナライザを使っています。』
「これ(アンテナアナライザ)はどこで売ってるの?」
『大阪の○○という、日本全国の無線のイベントで店を出している所です。』
「大阪って言われても、沖縄では売ってないね。あれもありません、これもありません…で困っちゃう。これと似たような小さい機械が何千円かで売っているけど、それも同じ?」
『はい。操作は少し難しくなりますけど、できますよ。』
「(車外から)ノイズばかりで、何も聞こえないでしょ?」
『(車内から)聞こえますよ。(と紙ログに記入し、交信を続ける)』
「何でこれが聞こえるの?」

こんな感じで、運用実演は好評で、運用中にも次々に質問があり、CQの手を止めて説明に専念しました。

沖縄本島北部での運用の様子

ハムの集いの前後には、沖縄本島北部の各地で運用しました。移動運用の設備は、第53回(沖縄本島南部)第47回(徳之島)で紹介したレンタカー移動セットと同じですので、ここでは概要のみ説明します。

車の屋根にマグネット基台を養生テープで固定し、300×200mm 1tのアルミ板を車の屋根に密着させてアースを接続します(写真7)。釣竿アンテナの途中には小さなリングを結束バンドで取り付け、ここにロープを接続して、アンテナが風で倒れないように支えています。弱い風の場合はロープ1本、強い風の場合はロープ3本を使って、ロープの一端は周囲にある立ち木・柵、車のホイールの穴、ワイパーの根元、ドアミラー等に結び付けます。HF帯に対応した自作の釣竿アンテナを使えば、自分の車とほぼ同じように運用できます。


写真7 レンタカーにアンテナを取り付けた様子

国頭郡の各町村と、名護市を中心に各地で移動運用を行いました。どの市町村も海に面しているので、周囲に山や建物が無く、北東方向に電波が飛びそうな海岸で主に運用しました(写真8、9)。ただし、国頭郡東村だけは、村の中心部には良い場所が見当たらず、北東側に山がある場所で運用しました。7MHz帯などでは山の影響はほとんど感じられませんでしたが、周波数帯によっては遠距離の伝搬に影響があったかもしれません。今回の移動運用は、強風になる時間帯があったものの天候に恵まれ、冬の寒さを忘れて快適な気候の下で運用できました。


写真8 国頭(くにがみ)郡今帰仁(なきじん)村での運用の様子


写真9 国頭郡恩納(おんな)村での運用の様子

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次号は 8月17日(月) に公開予定

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