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日本全国・移動運用記

第34回 岐阜市周辺RTTY移動

JO2ASQ 清水祐樹

岐阜県は市町村の数が比較的多く、多くの市町村での移動運用を楽しむことができます。また、面積が小さく人口密度が高い、つまり移動運用の場所を探すことが難しい町もあります。今回はRTTYでの運用が少ない場所からの運用を目的として、岐阜市とその周辺で移動運用を計画しました。

計画編

実施日は4月の下旬で、Eスポが発生する可能性が低い時期です。HFの電波伝搬の状態はあまり良好ではなく、昼間は7MHz、朝と夕方は3.5MHzを主に利用することになります。昼間の伝搬状態が悪い場合、3.5MHzを運用することも考えなければなりません。

使用するアンテナは、3.5MHzでもそれなりに性能が高く、短時間で設置できるものが望ましいです。そこで、アンテナは全長約20m(3.5MHzの1/4波長)、垂直部分約5mの逆L型アンテナを使用しました(2013年10月号参照)。7MHzの運用時はギボシ端子で給電点から約10m(7MHzの約1/4波長)の所で切り離し、10~50MHzの各バンド運用時は、3.5MHzの1/4波長のアンテナに手動アンテナチューナーでマッチングして使用しています。

岐阜市での運用から開始

午前7時、岐阜市の長良川の下流にある、広い河川敷で運用を開始しました。この時間帯にはグラウンドはまだ使用されておらず、釣り道具を持った人が様子を見に来る程度でした。3.5MHzでCQを開始すると早速のパイルアップになりました。ワッチしている局が一通り交信できてしまうと呼ばれなくなり、7MHzにQSYしました。

しかし、受信画面には文字が全く表示されません。伝搬のコンディションが悪いようで、20~30分ほどCQ空振りが続きました。あきらめずにCQを続けていると午前8時近くになって、ようやく7MHzで文字が見えるようになりました。

続いて岐阜市の隣の本巣郡北方町に移動し、同様のアンテナを展開しました。3.5MHzから順番に周波数の高いバンドに上がって行きます。1巡目は21MHzまでが限界で、24MHzは文字にならず。2回目のチャレンジで28MHzでの交信に成功しました。

羽島郡笠松町では公園の駐車場で運用しました。同様に各バンドを巡回し、3.5MHz~28MHzまでの各バンドで交信できました。50MHzは伝搬状況が悪く、地上高を高くできないロケーションであることもあって、ロングワイヤーアンテナでは性能不足かもしれません。当初、公園に隣接する芝生広場の斜面にロングワイヤーアンテナを展開しました。ところが、運用を初めてみると予想以上に人通りが多く、アンテナに接触する人がいたので、ロングワイヤーアンテナの端を巻いて短くし、柵がある領域に収まるようにしてアンテナを展開しました。人が通る可能性が少しでもある場所には、アンテナを設置しない方が無難です。今回の運用での教訓になりました。

朝の短時間オープンを逃さない

2日目の朝は揖斐川沿いの市町で運用しました。午前7時台、瑞穂市の堤防上(写真1)で釣竿アンテナを使って10MHzを運用していると、前日の朝はほとんど聞こえなかったのに突然1エリアが強力に入感し、一時は1局/分を超えるペースで呼ばれました。しかし、時間が経つとそれまでの強力な信号が一転して聞こえなくなります。RTTYはバンドスコープを使って同時に広い帯域の周波数を「見て」いる局が多いので、いったん信号が強くなると一気に多くの局から呼ばれます。このようなRTTY独特の呼ばれ方の特徴をつかんで、運用バンドを上手に選択することもRTTYの運用の楽しみ方の一つです。


写真1 瑞穂市の運用場所の様子(同じ場所、同じ設備で別の日に撮影)

揖斐川沿いの各地で運用を続けましたが、午前7時台の短時間のオープンがこの日のピークだったようで、その後は10MHzで多くの局から呼ばれることは無く、まさに一瞬のラッキーでした。

RTTYの設備

今回はRTTYでの運用を主に行うため、運用計画や設備には、通常の移動運用とは異なる工夫がいくつかあります。

RTTYは、受信した音声信号をコンピュータが解読して文字に変換します。文字化けを少なくして確実に受信するには、自分の耳で電話や電信の信号を受信する場合に比べて、基本的には受信感度が高いことが要求されます。ただし、ノイズが全く無い受信環境であれば、自分の耳でかろうじて確認できるレベルの弱い信号でも解読できる場合があります。解読の確率を少しでも高めるよう、無線機からPCに入力する音声信号のレベルを調整したり、ノイズ低減機能やプリアンプを活用したりして、うまく調整することも一つの技術です。

RTTYの送信中は、ほぼ一定の出力での連続送信になります。そのため、送信信号が間欠的になる他のモードよりも電源(バッテリー)の消費が早かったり、無線機の発熱が激しくなったりします。そこでRTTYの運用の際には出力電力を常時測定し、定格50W出力の無線機で出力15Wを超えないように、PCから無線機への音声入力レベルを調整しています。定格の30%の出力で無線機の放熱を十分に確保しておけば、過熱による問題は特に感じません。

RTTYの10MHz以上の周波数は、10.141、14.091、18.101、21.091、24.921、28.091のように、kHzの桁を揃えてQSYすると見つけてもらいやすくなります。ただし、18MHz帯だけはバンドプラン上でRTTY(狭帯域データ)を運用できる範囲が狭く、他のモードと混信しやすいので、臨機応変に周波数を変更する必要があります。

また、50MHz帯はFT8で運用する局が急増して混信が多くなっており、古い資料を参考にしてRTTYの運用周波数を決める場合は注意が必要です。

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