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日本全国・移動運用記

第38回 福岡県那珂川市・新市移動

JO2ASQ 清水祐樹

D-STARの運用は、予想外の展開に…

10月1日は月曜日のため、無線ができない方も多くおられます。そこで最初の土日である6日と7日に、レンタカー移動セットを使って、那珂川市での2回目の運用を計画しました。

計画の途中で、第6回FBガールズ「D-STAR全国ツアー」が10月7日に開催されることを知りました。調べてみると、那珂川市の近くに、福岡南430のD-STARレピータがあります。そこで、“本物の全国ツアー”からFBガールズと交信することを計画しました。

話は1回目の運用に戻ります。9月29日、那珂川町でID-51 PLUS2とモービルアンテナを準備して、福岡南430レピータ(以下、レピータとする)を設定しました。ところが、PTTを押してもレピータからの応答が無く、アンテナを確認しても、異常は見当たりません。

不思議に思い、那珂川町役場の駐車場でもう一度チャレンジすると、今度は応答がありました。しばらくワッチしていると、運用している局が聞こえたものの、レピータからの信号は弱く会話は途切れ途切れ。これでは交信は難しそうです。建物の陰に移動すると、レピータからの信号は全く聞こえなくなりました。

30日、那珂川町役場よりもレピータから離れた前述の運用場所で、八木アンテナをレピータに向けて設置しました。それでも、応答がありません。レピータからの途中の経路に高層の建物や山が多く、電波が届きにくいようです(写真5)。帰り道の途中で、那珂川市と福岡市の境界付近の数か所でレピータの信号を確認したところ、福岡都市高速の高架より南側では、レピータにアクセスできる場所は限られているようです。このままでは、D-STAR全国ツアーで交信できなくなってしまいます。打開策を考えながら帰路に就きました。


写真5 那珂川市役所から福岡市方面を眺めた様子。市の北部には高い建物が多く、430MHzの電波は届きにくい。

帰宅すると、2週続けての台風予報

10月2日の夜、福岡県から愛知県への長距離運転から帰ると、週末に台風25号が九州北部に接近する予報が出ていました。予報の進路から推定すると飛行機は欠航の可能性が高く、仮に運用できたとしても、暴風雨の中で運用して、レンタカーの車内が水浸しになるようなことがあっては迷惑をかけてしまいます。

そこで、那珂川市での2回目の運用は、次週の13・14日に延期しました。7日のD-STAR全国ツアーは自宅からの参加に変更。那珂川市で福岡南430レピータが聞こえない問題は、取り越し苦労となりました。

予定を1週間延期して、再び出直し

10月13日、福岡空港でレンタカーを借りて那珂川市に向かい、設備を組み立てました(写真5・6)。幸いにも好天に恵まれ、台風の影響でアンテナを畳んで、1日目に交信できなかった局から、運用を再開したのでよろしく、との連絡もありました。あとは伝搬のコンディションに期待です。

最初の運用で悩まされたOTHレーダーの混信が消えて、7MHzはノイズが無く信号が聞き取りやすい状態になりました。しかし、伝搬のコンディションはパッとしませんでした。タイミングが合えば1エリアより東は14MHzが聞こえるものの、18MHz以上はほとんど聞こえない状態。3エリアより西は、7MHzでも信号強度が不安定で、交信できなかった局が多かったと思われます。

他の移動局も精力的に運用を続けており、伝搬が可能なバンドでは那珂川市の需要は十分に行き渡った感じで、CQを出しても空振りすることが増えてきました。翌日の14日も同じような状況で、CW、SSB、RTTYの各モード、さらには144MHzと430MHzで新規開拓を目指したものの、伝搬のコンディションが悪く、交信数はあまり伸びませんでした。

来年のEスポシーズンに那珂川市で運用すれば、14~50MHzの各バンドで猛烈なパイルアップになることでしょう。


写真5 レンタカーでの運用の様子。写真左下にあるのは道具箱で、ダイポールアンテナの端を固定するために利用している。


写真6 レンタカー移動セットを梱包した様子

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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