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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第22回 ドコモ関西アマチュア無線クラブ(JA3YRA)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

NTTドコモの“心臓部”を見学!?

そして私は、クラブの皆さんや説明スタッフの皆さんと一緒に、市内の“ある場所”に移動しました♪

「アイマスクはしなくて結構ですが(笑)、どこにあるかは非公表なのでヨロシクです」と言われてちょっとドキドキ! それだけ重要な施設のようですよ~!!

“その場所”に到着したら、厳重なセキュリティを通って、プレゼンルームへ入りました。大きなスクリーンで業務紹介のビデオを見せていただきました!

ビデオで知ったのですが、ここにはNTTドコモの無線基地局が正常に動作しているか、ネットワークなどに異常がないかを24時間365日監視して、異常があればすぐに対応する「オペレーションセンター」があるんですって!!


ビデオで「西日本オペレーションセンター」のお勉強♪

--案内していただいたここは“ドコモの心臓部!!”なのですね?

「はい、そうなんです」と、西日本オペレーションセンター長の細川さん。

「オペレーションセンターはこの“西日本オペレーションセンター”と、東京にある“ネットワークオペレーションセンター”の、全国2か所しかありません」

「通常、東京のネットワークオペレーションセンターでは北海道から東海エリアまでを、大阪の西日本オペレーションセンターでは関西から沖縄エリアまでを管轄しています。とは言っても、システムと情報は常に共有していますから、もしどちらか災害などで機能しなくなった場合は、もう一方が即座に全業務を受け持って、日本全国のネットワークを維持できるようになっています」

うわぁ~、なんだか、とんでもなく重要なところに来てしまったみたい! ちなみにNTTドコモの無線基地局は全国で10万局もあるそうです。これから西日本オペレーションセンターを見学エリアから見せていただけるということで・・・テンションが上がります!!!


60インチのディスプレイが52台取り付けられ、NTTドコモの無線基地局やネットワークの状況がわかるようになっています!

上から見せていただいたオペレーションルーム! もう、メッチャ凄いの!! 壁にはたくさんのディスプレイ! 60インチのものが縦に4台、横に13列で合計52台ですって!!! その前で大勢の人がパソコンを操作したり、電話で連絡を取ったりしています。まるでロケットの管制センターか、SF映画に出てくる地球防衛隊の司令部!? 表示されている色も赤、紫、黄色、黄緑、黒とカラフルです。思わずいろいろ質問したくなりました!!

--ディスプレイはいろいろな色に表示されていますね!

「はい、NTTドコモの無線基地局や交換機、伝送路などの状況が表示されるんですよ。赤色はお客様に影響のある故障の警報、紫はお客様への影響が少ない一部の故障、黄色はアクセス集中で規制をかけている基地局の情報、黄緑は回復通知、黒は回復済みを意味します。基地局の工事や検査が行われているところも赤の表示なので、今たくさん故障しているわけではありません(笑)。本当にトラブルが起きたときは、スタッフの動きも慌ただしくなるので、すぐわかります」

--へえー、色にはそういう意味があるんですね!!

「ちなみにスタッフは、無線基地局や制御装置・伝送路の監視担当が青いジャンパー、交換機とIPネットワークのバックボーン監視担当が緑のジャンパー、ネットワーク全体の監視担当が赤いジャンパーと、ジャンパーの色で役割がわかるようになっています。中には女性スタッフもいるんですよ」


西日本オペレーションセンター長の細川さん。説明を伺うほど、大変なお仕事であることがわかりました

細川さんのお話では、花火大会のように大勢の人が集まるイベントが開かれたり、コンサートチケットの電話受付、テレビ局が電話を使ったプレゼント企画などを行うと、通話が急増するそうです。そうしたイベントなどの情報を収集するスタッフもいらっしゃるとか!! 事前にわかっているイベントなら会場へ移動基地局車を出して“繋がりやすさ”を確保するとか、通話の急増には一時的な通話制限で回線のパンクを防ぐといったお仕事もしていらっしゃるそうです。

--このお仕事で一番困るのは、どんな時ですか?

「台風や地震といった災害ですね。停電や通信線の断線で無線基地局やネットワークに障害が起きないように、何日もスタッフ増員で対応することがあります。スタッフの経験値が高いので、例えば台風なら“この台風がこう動くと、この地域の基地局が大変になるから人がいるよね”など、ある程度読めます」

私たちが普段何気なく使っている携帯電話やスマートフォン、いつでもどこでもつながる裏では、こうして皆さんが頑張っていらっしゃるんですね。とっても勉強になりました!

クラブシャックを見学!!

凄い施設を見せていただいた! という興奮の中、もう一度、ドコモ大阪南港ビルの前へ戻ってきました。次はいよいよアマチュア無線クラブのシャック見学! “ビルの中に無線室があって、アンテナはさっき見た屋上のタワーの上かしら…”と思ったら、皆さん、どんどんビルから遠ざかるほうに歩いて行きます。あれれ!?

「あ、Masacoさん! クラブシャックはちょっと離れたところにあります」

--あっ、そうなんですか!

少し歩くと大きなグラウンドがあって、体格の良い男の人たちが大勢で何か練習をしています。ここは…!?

「ここはNTTドコモのラグビーチーム、レッドハリケーンズの練習グラウンドなんです。日本の社会人ラグビーの最高峰“ジャパンラグビートップリーグ”に位置する16チームの1つなんですよ」

――ラグビーチーム!!“トップリーグ”って、サッカーで言えばJ1ですよね! 頑張ってる~!!

「でも社会人チームなので、試合のない日はドコモの社員として午前中は業務をこなし、午後からここで練習をしているんです」


社会人ラグビーチーム「NTTドコモ レッドハリケーンズ」の練習が行われている、ドコモ大阪南港グラウンド。天然芝で観客席もあります!

たくましい姿に目が♡になっていました(笑)。よく見ると外国人の選手もいて、そのお子さんかしら…青い目の小さな男の子たちもラグビーボールで遊んでいました。可愛い~♪

「実はアマチュア無線クラブのシャックは、レッドハリケーンズの倉庫を一部改装したものなんですよ」


レッドハリケーンズのクラブハウス。この裏手にクラブシャックがあります

本当や~! ラグビー場の向こう側に大きなアンテナタワーと建物が見える~。タワーは自立式ですが、アンテナだけを上げ下げできるエレベーターがついています。珍しいですね!


左はドコモ関西アマチュア無線クラブのアンテナタワー。右奥がドコモ大阪南港ビルです


アンテナタワーにはエレベーターがついていて、アンテナの昇降ができます!

アンテナタワーの見学をしていたら、足立さんが作業着にヘルメット、安全具のフル装備で登場です!!!


安全具のフル装備で登場した足立さん。高い場所のアンテナ点検には十分な安全対策をとおっしゃっていました


作業を始める前に、胴綱と補助ロープが本当に大丈夫かを確認します

「アマチュア無線のタワーに限らず、高所の作業には危険が伴います。私たちは鉄塔に登る際には安全に気を遣っています。私もこの会社に入るまでは、ヘルメットや安全帯なしでアマチュア無線のアンテナ作業をしていましたが、教育を受けてからは“いままでこんなに危険なことをやっていたのか”と思い知りました。ぜひアンテナ作業の安全について、もう一度考えてください」ということで、装備を見せていただきました。

ヘルメット、フルハーネスの安全帯(腰だけの安全帯だと、落下時に1か所へ衝撃がかかってしまうそうです)、そして安全靴。またNTTドコモの鉄塔には転落時にブレーキの役割を果たす「スカイレール」がついているので、その器具も装備していらっしゃいました。

私もハムの大先輩から「高さ1メートルの場所は“一命取る”だからね」という言葉を聞いたことがあります。ちょっとの高さでも油断しないで、アンテナ作業にはちゃんと安全装備をするようにしましょうね。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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