Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第38回 コメット株式会社の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

県庁所在地の「さいたま市」でここだけ!! D-STARレピータを設置

そして最後は、社内に設置されているD-STARレピータ(JP1YLQ「さいたま南430」434.06MHz)の見学です!


D-STARレピータ、JP1YLQ(さいたま南430)の装置を見せていただきました

JP1YLQ管理団体のメンバーのお一人にお話を伺いました。

--このD-STARレピータはいつ開局したのですか?

「このJP1YLQは2017年3月に埼玉県内の4局目のD-STARレピータ局として開局しました。開局順で言うと、県内初のD-STARレピータは2011年6月に入間市に開局し、次は2012年6月にときがわ町の堂平山(どうだいらさん)の山頂付近(標高850m地点)に開局しました。この局は、埼玉県内はもちろんのこと関東平野の半分くらいのエリアをカバーしています。そして3局目は“ローカルエリアのレピータが必要”ということで2013年3月に川越市に開局したものです。

そして、埼玉県はアマチュア無線人口が多く、D-STAR利用局も多いことと、県庁所在地のさいたま市にレピータがあれば、より使い勝手が良くなるということで、県内4番目として、このJP1YLQが開局しました」

--ここにD-STARレピータを開設したいきさつを教えていただけますか?

「D-STARレピータは、FMレピータのようにレピータ装置だけを設置すれば良いというものではなく、インターネット回線と接続するサーバー機が必要になります。弊社はさいたま市内ということと、会社ですからインターネット回線も整備されています。そして何よりアンテナメーカーですので、アンテナの心配は無用ということです(笑)」

--確かに! アンテナは「おまかせあれ」ですよね(笑)。


屋上に建設されたJP1YLQのGPアンテナ。もちろんコメット製です♪

--開局までにご苦労はありましたか?

「レピータ局の設置は初めてでしたから試行錯誤でした。個人局は無線機を用意して開局申請をするだけですが、レピータ局の場合はまずレピータ局の管理団体を作る必要があります。

そしてレピータの電波がカバーするエリア調査をします。これは他のレピータ局との混信も考慮しなければなりません。レピータ局の周波数は事前にわからないため、設置場所に実際に使用するアンテナを設置してシンプレックス周波数のDVモードでエリア調査を行いました。その結果を地図にプロットしてサービスエリア図を作成しました。一人が設置場所、そして数人が車で走り回り、どこまで通信可能かを調べます。これは一日かかりで大変でした。

このような準備をしてから書類をそろえて開設要望書をJARLに提出します。レピータ局は必ず許可になるとは限りませんので、結果が出るまでひたすら待ち続けます(笑)。JP1YLQの場合は2016年6月に開設要望書を提出して、4か月後の10月にJARLから許可が下りました。翌年の2017年2月に無線局免許が発給され、3月に開局しました」

--どれくらいのエリアをカバーしているのですか?

「周囲にあまり高いビルはありませんが、南側に高速道路の高架と、西側に新幹線の高架があります。北側はさいたま市の中心地になります。決して飛びは良いと言えませんが、だいたい半径10km程度は安定してアクセスできています。


開設準備でレピータの電波がカバーするエリアを実地調査した際の資料より。半径10km程度に安定して電波が飛んでいることがわかったそうです

無線は場所とアンテナで届く距離が変わりますので“何km届きます”は言い切れませんが、ハンディ機でも場所によっては結構届きます。サービスエリア図の北側約10kmに位置するJR大宮駅のペデストリアンデッキからはハンディ機でアクセスもできました。自宅に立てたアンテナを使用している局は、この予想図よりもっと遠い20kmぐらい離れた局からも届いています」

管理団体の方からのお話で、“県庁所在地レピータ”として、多くの皆さんが便利に使用できるD-STARレピータになっていることがよくわかりました。今度は私もゲート越えで、この「さいたま南430」に接続してみますので、聞こえましたらぜひお相手くださいね♪


屋上ではコメット株式会社の社旗が元気にはためいていました!

コメット株式会社 代表取締役社長の池上さん、社員の皆さん、そしてJP1YLQ管理団体の皆さん! 電波の大切な出入り口であるアンテナに、ますます興味を持ちました。これからも大切に使いま~す!
それと、社内に貼ってあった「あいさつは会社も変わるいい笑顔」の社長のお言葉。響きます・・。皆さんが迎えてくださった笑顔と重なりました。あとね、経営方針に「健康を維持します」「家族を大切にします」「らくすれば、らくがじゃまして、らくならず、らくせぬらくがはるからく」が掲げてあって、すごく人間らしい深さを感じました。私も心に刻んで過ごそう・・・。今日はどうもありがとうございました。

(JH1CBX Masaco)

★Masacoプロフィール

兵庫県生まれ。シンガーソングライター。
学生時代は陸上競技ランナー、全日本インカレ出場。公務員となったが「歌い手になりたい」を実現すべく退職し上京。

NHK朝の連続ドラマ小説出演などを経て、IBS茨城放送のレギュラーラジオ番組パーソナリティーを6年、ラジオNIKKEI第一でもパーソナリティーとして活躍。全国高校統一模擬試験「英語リスニングテスト」の 日本語出題ナレーターなども務める。

オリジナル「あなたとともに咲かせましょう/むせんのせかい」はバックに流れるモールス信号も話題となり無線愛好家からの支持も得る。昭和歌謡の懐かしさに心躍る最新作「晴れおんな」ではMasacoの新しい世界を聞くことができる。

コールサインはJH1CBX(第3級アマチュア無線技士)

・公式サイト:http://www.19box.net/masaco/
・オフィシャルブログ(Masaco Diary):http://blog.goo.ne.jp/33masaco/
・Twitter:https://twitter.com/Masaco3
・Facebookページ:https://www.facebook.com/Masacosama

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~ バックナンバー

2019年4月号トップへ戻る

次号は 12月 1日(木) に公開予定

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.