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日本全国・移動運用記

第86回 高知県中部移動

JO2ASQ 清水祐樹

高知県は、東西に長い県で、県内全域を行き来するには時間がかかるため、移動運用のリクエストが多い県の一つです。また、冬になるとHF帯の国内伝搬のコンディションが低下するため、9月17~19日の3連休で、県の中部での移動運用を計画しました。

結論から申し上げると、台風14号の影響で、運用は9月18日の途中で打ち切りになりました。そこで運用できなかった分を、10月8~10日の3連休で再チャレンジしました。

9月の3連休の当初の予定と、台風14号の影響で追加した10月の予定

当初は、9月17~19日の3連休で、次のような運用計画を考えていました。
・1日目の午後から、高知自動車道沿いの南国市と高知市で運用
・2日目は、山間部にある高岡郡檮原(ゆすはら)町を最終目的地にする。高知市を起点にすると移動距離が長いので、須崎市から運用を開始
・3日目は、高岡郡佐川町と越知町で運用

ところが、9月17~19日にかけて、非常に強い台風14号が九州地方から中国地方を通過し、後述するように、18日に須崎市で運用した後、運用を打ち切って帰宅することになりました。

10月の3連休に、9月18~19日に運用を予定した場所への移動予定を追加しました。ただし、宿泊が9月と10月では別の場所になった関係で、元の予定とは順番の一部を変更しました。山間部の各市町村への移動は時間がかかるので、1日最大4か所で予定を組んだ結果、図1のようなルートになりました。


図1 今回の移動ルート

無線機用の電源は12V 100Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを2個使用して、走行中に6.5Aの定電流で充電しました(写真1)。AC100Vを出力する充電式ポータブル電源と違って、使用中にノイズが発生しません。今回の移動運用では、次の運用場所までに時間がかかる場所が多く、走行中の充電だけで容量は十分に足りました。なお、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、満充電での保管は望ましくないため、無負荷時の電圧が13.2Vになるように残量を調整した状態で保管し、使用の直前に充電しています。

HF帯のアンテナは、2020年9月号の記事で説明している、ビニル線を取り付けた釣竿と、底面にアルミ板を取り付けたオートアンテナチューナーAH-4の組み合わせです。設営は、タイヤベースを踏んで釣竿を伸ばし、車の屋根にAH-4を置いてビニル線を接続するだけで、2分以内で済みます。


写真1 無線機用の電源として使用ている、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーと充電器。充電時は、自作のシガーソケット付きバッテリー直結ケーブルを使用して、車のバッテリーから電源を取っている。

1日目(9月17日) 高知市に向けて移動

1日目は岡山県から瀬戸大橋経由で四国に入り、高知自動車道で高知市を目指しました。ハムフェアで長岡郡本山町の7MHz CWのリクエストをいただいたので、早めに出発して高知自動車道の大豊(おおとよ)ICから本山町に向かいました。

本山町の中心部にある公園は、山に囲まれてサテライトの運用に適していないため、中心部から離れた工事中の空きスペースで運用しました。7MHz帯はコンディションが良く全国各地が入感しており、14MHzまで上がったタイミングで時間切れになりました。

続く南国市は公園の駐車場で運用しました。7MHz帯が強力で長時間のパイルアップになり、10MHz帯にQSYしたところ、急激にコンディションが低下して、最後は空振りCQ連発になりました。

高知市は農道脇で運用しました(写真2)。台風接近により空は厚い雲に覆われ、生暖かく湿った風が吹き始めました。日が暮れ始めたタイミングで1.9MHz帯に出てみたもののコンディションが悪く、2QSOに終わりました。


写真2 高知市での運用の様子

2日目(9月18日) 台風接近のため、須崎市の1か所のみで打ち切り

17日の夜に須崎市のホテルに到着した頃には、台風14号が接近し、風雨が強くなってきました。情報を収集すると、18日の午後から風雨が強まる予報でした。四国と本州を結ぶ橋が通行止めになると帰れなくなるので、18日は須崎市のみ運用して、午前7時で運用を打ち切って帰宅することにしました。

運用時間を確保するため、須崎市での運用は朝5時半頃から開始しました。日の出前で周囲は真っ暗で、地形の様子は分かりません。朝5時台では7MHz帯で国内はスキップしており、3.5MHz帯、1.9MHz帯に出てから、6時過ぎに7MHz帯の運用を開始しました。次第に風が強くなり、釣竿が大きく曲がった状態で運用して(写真3)、予定通り朝7時に運用を終了しました。

風は強かったものの、18日の午前中は雨が本降りにならず、高速道路は無事に通過できました。台風の動きが遅く、台風から時速80km/h以上で離れていったので、帰宅した頃には雨は降っておらず、風もあまり強くはありませんでした。


写真3 須崎市での運用の様子。強風により釣竿が曲がっている。

3日目(10月8日) 須崎市の次に行く予定だった、中土佐町へ

仕切り直しで、10月の3連休に高知に向けて再出発しました。10月8日には、須崎市の次に運用予定だった高岡郡中土佐町に向かいました。この日は天気が良く、順調に移動できたので、途中で吾川郡いの町に立ち寄って2時間ほど運用しました(写真4)。ここでは7MHz帯があまり聞こえなかったにもかかわらず、10MHz CWが大人気で、100QSOを超えました。また、18MHz帯で11QSOできるなど、この時期としては上出来でした。

中土佐町は海岸で運用しました。ここでもHF帯の各バンドが好調で、日没を過ぎると、夏場に不調だった1.9MHz帯も安定して聞こえるようになり、14QSOを記録しました。


写真4 吾川郡いの町での運用の様子

4日目(10月9日) 山間部の高岡郡檮原(ゆすはら)町へ

この日は高岡郡佐川町から北西に進み、山間部にある高岡郡檮原町を目指しました。檮原町は山間部で平地が少ないため運用場所の確保が難しく、また周辺の都市からのアクセスに時間がかかることから、リクエストが特に多かった所です。

佐川町は、スポーツ施設の駐車場で運用しました。午前5時過ぎに到着した時には周囲が真っ暗で、夜が明けてくると北側に山があることが分かりました。朝6時台になると、いつもは7MHz帯で国内の広範囲が聞こえてくることを期待したものの、この朝はあまり聞こえませんでした。

越知町は、河川敷の広場で運用しました(写真5)。この程度開けた場所であれば、サテライト通信も不自由することなくできます。運用時間が限られていたため、HF帯は定石通り7~14MHz帯の3バンドとしました。

吾川郡仁淀川町の中心部は深い谷底にあり、運用場所の確保が困難です。越知町との境界に近い所で、東側だけが開けた駐車スペースを発見し、そこで運用しました。ここでは7MHz帯であまり呼ばれず、時間が余ったので18MHz帯にも出てみたところ、3QSOできました。

仁淀川町から高岡郡檮原町へは、山道を2時間近く走行して移動しました。途中、いったん愛媛県の久万高原町に出て、車1台がギリギリ通れる幅の所もある、国道440号線を通ります。檮原町の中心部は山に囲まれており、当初、町の中心部から離れた高台にある体育館に行ってみたところ、HF帯の運用には十分な広さがあるものの、北側に高い山がありサテライトの運用が困難になるため断念しました。

町の中心部に近い山の上に、中波放送局の送信所がありました。車1台がギリギリ通れる道を進むと、送信所の隣に公園があり、そこで運用することにしました(写真6)。HF帯が各バンドとも盛況で、全市全郡コンテストの途中にもかかわらず、7MHz帯では70QSO、10MHz帯は126QSOを記録しました。離島以外で短時間にこれだけのQSOができる場所は珍しいといえます。夜のローバンドもそこそこで、1.9MHz帯では12QSOを記録しました。

コンディション的には、頑張れば頑張っただけQSO数は伸びそうな感じでしたが、夜には雨が降ってきたので、無理をしないで撤収しました。


写真5 高岡郡越知町での運用の様子


写真6 高岡郡檮原町での運用の様子

5日目(10月10日) 土佐市から津野町へ

土佐市は堤防上の空き地で運用しました。ここまでの運用場所は山間部が多く、サテライトで通信は山に遮られて衛星からの信号が聞こえなくなることが多くありました。この場所は周囲が開けており、快適に運用できました。午前6時台では10MHz帯や14MHz帯で国内局があまり聞こえず、7時台に再チャレンジしたところ多くの局から呼ばれました。伝搬の性質上、14MHz帯が強力でも18MHz帯はあまり期待できないだろうと考え、18MHz UPの運用は断念して次に向かいました。

高岡郡津野町は、海から数kmしか離れていないにもかかわらず、町の中心部は高い山に囲まれています(写真7)。ここもコンディションが良く、10MHz帯や14MHz帯が好調でした。18MHz帯でも1エリアが聞こえるなど、この時期としてはまずまずのコンディションでした。帰宅に8時間ほどかかると見込んで、午前11時半で運用を終了しました。3連休の最終日で、帰りは渋滞に巻き込まれました。


写真7 高岡郡津野町での運用の様子

結果

運用日、QTHごとのQSO数を表1に示します。運用局が多い1エリアとは距離があるので、昼間は7MHz帯よりも10MHz帯が安定して入感しており、総QSO数も7MHz帯より10MHz帯が多くなりました。


表1: 運用日・QTH別のQSO数。高知県内だけの運用を集計した。
これ以外に、行きの途中のパーキングエリア・サービスエリアでも運用した。
1.9~28MHzはCW、サテライトはCW/SSB。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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