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日本全国・移動運用記

第43回 兵庫県篠山市移動

JO2ASQ 清水祐樹

IC-9700とIC-7300を組み合わせた移動運用シャック

丹波篠山市での移動運用に向けて、IC-9700を導入

筆者の移動運用では、できる限り多くの周波数帯(衛星通信も含む)で運用することを目的にしています。丹波篠山市でも、各周波数帯での運用を計画しています。そこで、IC-9700を導入し、IC-7300Mとの組み合わせで1.9~1200MHzをオールモードで運用できるよう、移動シャックをリニューアルしました(写真4)。


写真4 IC-9700とIC-7300Mの組み合わせによる移動シャックの写真

筆者のIC-9700の主な用途は、衛星通信(以下、IC-9700の取扱説明書に合わせてサテライト通信とする)、V/U/SHF帯の移動運用、およびD-STARです。長時間の運用が多いことと、都心部などで発電機やエンジンのアイドリングを使えない場合が多いことから、電源は十分な容量を持たせています(図1)。

無線機用には12V 115Ahのディープサイクルバッテリーを2個並列で使用し、車のバッテリーからバッテリー直結ケーブル(自作)、DC12V→AC100Vコンバータ、12Vバッテリー用の充電器(市販品、最大6.5A)を通して充電しています。充電器の出力ケーブルは、大型の分割トロイダルコアにW1JR巻きをしています。これにより充電器から発生するノイズが抑えられ、充電しながらの運用が可能です。

IC-9700は助手席に置いたラックに設置しています。このラックは9mm厚の化粧棚板をL型金具やビス・ナットで固定して組んだものです(図2)。IC-9700を棚板の上にそのまま置くと、走行中の衝撃で滑るので、滑り止めを敷いています(写真5)。ラックは車の進行方向に飛び出さないように、荷締めベルトで固定しています。IC-7300は、ポータブル仕様と類似した形の支持台に取り付けて助手席の床面に立てて設置し、フックとゴムひもで倒れないように固定しています。


図1 電源の配線


図2 IC-9700を設置するためのラック


写真5 滑り止めの一例。IC-9700の足に敷いて使用する。

IC-9700の設定・使用方法の一例

IC-9700を快適に使用するために、設定や使用方法で工夫した点がいくつかあります。その一例をご紹介します。

その1 SSB/CWとFMの両方で運用する場合は、RF/SQLツマミの使い方に注意
IC-9700とIC-7300では、RF/SQLツマミの操作・設定は同じです。しかし、運用するモードが違う場合は、その使い方に注意が必要です。

筆者の失敗談を紹介します。IC-9700でFMを受信するため、RF/SQLツマミでスケルチを調整しました。そして、衛星が見え始める時間になり、モードをUSBに切り替えて衛星からの信号を受信しました。ところが、衛星からの信号がノイズに埋もれて非常に弱く、思うように受信できずに慌ててしまいました。落ち着いて取扱説明書を読むと、RF/SQLツマミを左側に回したため、RFゲイン(受信感度を下げて、強力な近接局による妨害や雑音を抑制する機能)の動作範囲に入っていたことが原因と分かりました。

IC-7300は、通常はSSBまたはCWで使用しているため、RF/SQLツマミの操作はあまり意識していませんでした。IC-9700ではFMを受信することも多く、その場合はRF/SQLツマミでスケルチを調整します。そこからSSB/CWを受信するには、RF/SQLツマミを適正な位置に戻す必要があります。設定の間違いで受信感度が下がらないようにするには、機能設定でRF/SQLボリュームタイプをSQLに設定し、SSB/CWではツマミを左いっぱいに回して使用することも一案です(写真6)。ただし、RFゲイン機能は使えなくなります。


写真6 IC-7300(左)とIC-9700(右)のRF/SQLツマミ

その2 フィルターを広帯域に設定して、自然な音質に
HF帯では、近接する周波数からの混信を除去するため、フィルターの帯域を狭く設定することがあります。しかし、フィルターの帯域を狭くすると、音質が低下します。V/UHF帯のSSB/CWで混信が無い場合には、フィルターの帯域を広げると自然な音質になり、聞きやすくなります。また、サテライト通信やSHF帯で、周波数が変動する信号を追いかける場合、フィルターの帯域を広げることが有効です。FIL 1~3のボタンを長押しすると、フィルターの帯域を最大3.6kHzまで設定できます(写真7)。


写真7 フィルターの帯域設定。筆者がSSB/CWを受信する場合は、帯域を3.6kHzで使用することが多い。

その3 サテライト通信で、受信側のカブリを軽減
サテライト通信では、例えば144MHz帯で送信、430MHz帯で受信のように、異なる周波数帯で送受信を同時に行うため、送信側の電波が受信側にカブって、弱い信号の受信が難しくなることがあります。この現象は、アンテナや同軸ケーブルの配置によって状況が変わります。筆者の設置環境では、430MHz帯で送信すると144MHz帯にカブりが発生しました。そこで430MHzのアンテナ端子にデュープレクサを挿入して、バンドパスフィルタ(ハイパスフィルタ)の代用として使用すると、カブりが無くなりました(写真8)。


写真8 アンテナ端子に挿入したデュープレクサ

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次号は 12月15日(火) に公開予定

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