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今月のハム

JA3MAH 羽岡邦夫さん

アマチュア無線ではアンプの自作が一番楽しいと話す兵庫県姫路市在住のJA3MAH羽岡邦夫さん。小学生の頃、年の離れた兄が作っていたラジオのシャーシ内部を見ていることが、野球をしているより性に合っていましたと話すなど、子供の頃から電子工作の素質があったようだ。

小学校高学年で作ったゲルマニュームラジオをきっかけに、中学生になると、兄が作ったラジオからこっそり部品を抜き取って5球スーパーを作り、それが鳴ったときの感激が忘れられませんと話す。その頃、羽岡さんはアマチュア無線の存在を知ったものの、どのようにしたら始められるかの情報が無かった。


電子工作中の羽岡少年

高校生の頃、ローカルのOMにアマチュア無線の交信を見せてもらったことがきっかけとなって免許の取得を決意し、高校を卒業した1966年に電話級と電信級のライセンスを取得した。ローカルのOMからアドバイスをもらって受信機、送信機を完成させ、その年にJA3MAHを開局、開局当初は3.5MHzと7MHzのAMをメインに日夜運用した。ただ受信機の周波数が安定するまで1時間くらいかかり、自作の限界も感じていたという。

開局してからしばらくすると150MHz帯のタクシー用無線機の払い下げ品が市場に出回り、それらは姫路でも入手ができたため、144MHzに改造して楽しむローカル局が増えていった。羽岡さんもこれに乗じてタクシー用無線機を自分で改造し144MHzにオンエアするようになった。無線機は改造品を使用したがアンプは自作した。

1970年には初めて市販品であるFT-101を購入して21MHzを中心にオンエアした。自作品と違って周波数の変動が無く1kHzが直読できるのには本当に感動しました、と話す。その頃も周辺機器を自作するなどして楽しんだ。1978年頃にはパンザマストに14/21/28MHzのトライバンダーを載せ、リグも一新して日夜DXハンティングに励んだ。その結果210エンティティ(当時はカントリー)のコンファームまで達したものの、子育てや仕事が多忙となり、その後はどんどんオンエアする時間がとれなくなった。また自宅でも資格取得のために勉強する必要に迫られ、ついにQRT状態になってしまった。


初めて作ったハイパワーアンプ(3-500×3)

2004年のある日、世話になっていたローカルのOMが「リニアを作ってみないか」と送信管や部品を分けてくれた。それが羽岡さんの自作魂に再度火をつけるきっかけとなり、アマチュア無線にカムバック。アンプ作りに熱中するようになった。羽岡さんは関連書籍を読むなどして勉強し、次々に自作にトライしていったが、失敗は数知れませんよ、と笑って話す。


カムバック後に作ったアンプ2台(左下および右)と、アンテナチューナー(左上)

アンプ作りは製作過程が楽しいです。ケーシングや配線など、如何にきれいに作るかを追求しています。そして完成後の電源投入時は今でも緊張します。設計した出力が出ることを確認できればそれで完了、また次のアンプ作りに着手します。自分のものだけで無く、友人のアンプ作りも手伝っています、と羽岡さんは話す。


自作アンプの内部

羽岡さんはQSLカード収集にはもう興味が無く、オンエアはラグチューがメインとなっている。今後の目標を尋ねてみたところ、週休7日となりましたが、今の状態を、これからも細く長く続けていくことですと言い、次のモノバンドアンプの設計構想を進めている。


羽岡さんの現用アンテナ群 (クランクアップタワーを途中まで伸ばした状態)

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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