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海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その118 タイで7回目のSEANETコンベンションを開催 2000年(1)
「あの人は今(第43回)」JR2PAU永山智士氏

JA3AER 荒川泰蔵

タイで7回目のSEANETコンベンションを開催

20世紀最後のSEANETコンベンションは、タイの首都バンコクの郊外にあるリゾート地パタヤで開催されました。1971年から始まったSEANETコンベンションはこの年で28回目になりますが、タイでは最多の7回目のコンベンションです。アジアを中心に20ケ国から約180人が参加しました。日本からはタイ在住の3人を含め21人の参加でした。会場となったモンティエンホテルには、特別記念局E27SEAが設置されていて、参加者にはゲスト運用を許可していました(写真1)。この様なイベントが日本人にも海外でアマチュア無線局を運用する機会を与えてくれています。今月の「あの人は今(第43回)」は、JR2PAU永山智士氏の紹介です。尚、このコラムは公募中ですが、あと5回で終了しますので、応募頂ける方は筆者までお知らせ下さい。


写真1. タイでのパタヤで開かれた、第28回SEANETコンベンションの参加者の記念集合写真。

2000年 (韓国 6K2000WFK)

JA3NA鳥羽昇氏は、1998年の韓国への親善訪問に続いて、再度韓国に出かけたとレポートしてくれた(写真2)。「去る4月29日から5月5日までの1週間、HL5BAM高OMの立案により、JJ3HEF福井さん、JH3DEM(私のXYL)と3名で訪韓し、6K2000WFK局を運用しました。4月29日、金浦空港では6K0IS統一路ネット(注: 南北統一を願うグループ)会長HL2KWW尹(ユン)先生、DS2AAS事務局長、林技師、他OMにお迎え頂きました。昼食後、北朝鮮(P5)境界線近くの烏頭山(オドサン)展望台からP5の村が良く見えました。夜はソールでOM, XYL各局とノレバン(注: カラオケボックスのこと)でカラオケを楽しみ、翌日は景福宮、明洞、南大門市場等に行きました。5月1日高陽市(コーヤン)の2000世界花博覧会では、広い会場内にある記念局6K2000WFKでHF, VHFをゲストオペレーターとして運用しました。2日以降、天安(チョンアン)、唐津(タンジン)、扶餘(プヨ)、晋州(チンジュ)、大邱(テグ)、浦項(ポハン)、釜山(プサン)と約1,000kmを移動し、100局を越えるアイボールが出来ました。各地のクラブ、グループにパーティーをして頂き、人情の厚さに感激しました。浦項のPOSCO製鉄会社にはFBな無線設備(DS0ZR)とゲストハウスがあり、IronとSteelの生産量は日本の新日鉄より多い様です。今回の訪問では、以前より日本語の勉強をされている局長さんの多いのに驚きました。次回は大韓民国のIOTAめぐりもしたいと思っています。ホームステイでお世話になりましたHL1TBJ, HL2KWW, DS2AAS, DS3CXC, HL5BAM, DS5UCP他各局に厚くお礼申し上げます。(2000年5月記)」


写真2.(左)世界花博覧会の記念局6K2000WFKにて、前列左からDS2DMY, JH3DEM、後列左からHL2KWW, 7J4ADI, HL5/JA3NA。(右)6K2000WFKのQSLカード。

2000年 (モンゴル JT1FBX)

JG5PJJ近森督生氏は、モンゴルでJT1FBXの免許を得て、運用したとアンケートで知らせてくれた(写真3及び4)。「免許はMRSFに申請し、JT1FBXの1年間の免許を得ました。2000年5月にウランバートルに出かけ、クラブ局JT1KAAを借用して、7MHz, 21MHz, 28MHz, 50MHzで運用し、約5,000局とQSOしました。(2000年10月記)」


写真3. JT1FBX近森督生氏の免許状。


写真4. JT1FBX近森督生氏の4種類のQSLカード。

2000年 (香港 VR2JC, VR2AN)

JR2PAU永山智士氏は香港でクラブ局を運用後、香港で免許を得てアパートの自宅からも運用したと、その経験を、アンケートで知らせてくれた(写真5~9)。「神戸大震災の年、おひな様の日に香港に赴任し、2005年定年退職するまで、香港でも無線を楽しみました。香港日本人クラブには無線クラブがありましたので早速入会しました。香港島の三越デパート屋上直下の部屋に無線室があり、屋上に上げたトライバンダー八木アンテナはよく飛びました。毎月の例会に出席してVR2JCを運用していました。香港ハムクラブHARTSとの友好的交流で、沢山の仲間ができました。なかんずく彼らとの合同クルージングでの運用は楽しい思い出です。


写真5. 香港の仲間達とクルージングでの楽しいVR2JC/MMの運用。右から3人目がVR2AN永山智士氏。

テラスも何もないアパート住まいで諦めていた個人コールでしたが、自分の部屋でも運用したくなり香港のライセンスを取ることにしました。当時の香港は英国の統治下にありましたので、英国の試験を受けなくてはなりませんでした。City & Guildsの試験を英国の開始時間AM9時に合わせて、香港では夕方5時開始の試験を受けました。翌年1月にCertificationが英国から届きました。香港でHFに出るためにはCWの試験に合格しなければなりませんでした。OFTA(Office of the Telecommunication Authority)が年に2~3回不定期に実施してくれました。平文36語3分送受信、乱5文字24群 3分送受信、数字5個10群1.5分送受信。縦振り電鍵で送信しますが一文字でも誤送信すると即刻アウトでした。私にはなかなかの難関でした。出張でのキャンセルや数回のチャレンジで結局免許が下りたのは2年がかりで2000年1月でした。


写真6. (左)City & Guildsの学科試験合格証。(中央)OFTAのCWテストの合格証。
(右)VR2AN永山智士氏の免許状。

それから5年間は23階の部屋から運用の時だけ釣竿を突き出したワイヤアンテナでの運用でした。ある時ビル管理人に注意され、それ以降は釣竿とワイヤを黒く塗り目立たないようにして主に夜運用しました。毎日曜日朝6時からカリフォルニアのZENさんMCのJANETに参加するのが楽しみでした。8時からは芙蓉懇談会アマチュア無線クラブJI1YTFの海外ネットにチェックインするのも楽しみでした。


写真7. (左)VR2AN永山智士氏の釣竿アンテナ。(右)VR2ANのシャックにて永山智士氏。


写真8. (左)香港のVR2AN永山智士氏の携帯用免許証。(右)VR2AN永山智士氏のQSLカード。

日本に帰国してからログを整理したらDXCC Mixが完成していました。香港のフルライセンスを基に英国の局免許M0PAUフルライセンスをいただき、2005年にはパーマネントライセンスに変わりました。(2022年9月記)」


写真9. (左)香港のVR2ANでのDXCCサティフィケートにDXCC-150のステッカー。
(右)香港の免許を基に取得した、英国のM0PAUの免許状。

2000年 (ブータン A52A, A52US)

JA3IG葭谷祐治氏はブータンの首都ティンプーで、グループでのDXペディションとして運用した経験を、アンケートで知らせてくれた(写真10)。「米国の連中主導のDX-Peditionでしたので、免許関係はリーダーのW0GJが全てやってくれました。運用は同一ホテル内にIC-756PROを8台置いて全て同時運用で、Output Powerは100Wの制限がありました。電源電圧は220Vで安定していました。成果は5月3日から12日までの10日間で、オールバンドのCW, SSB, RTTYで、約82,000 QSOでした。(2000年5月記)」


写真10. (左)日本から参加の3人、左からJA3IG葭谷祐治氏、JA3USA島本正敬氏、JF1IST藤原仁氏。
(右)関西アマチュア無線フェスティバル会場にて、左からJA3IG葭谷祐治氏、JA3AER筆者(2006年)。

上記DXペディションに参加されたJA3USA島本正敬氏に、大阪国際交流センターラジオクラブの定例ロールコールで22年前のお話を伺い、写真を送って頂きました(写真11~14)。「このA52AのDXペディションは、JH1AJT宮澤保夫氏が現地でお膳立てをしたが、都合で参加出来なくなったため、W0GJ, John Glenn氏に託され、国際的なチームで運用する条件で免許を得て実行されました。

W, JA, UA, OH, ON, 9V1から合計15名が参加する国際チームで、JAからは私以外に、JA3IG葭谷祐治氏とJF1IST藤原仁氏が参加しましたが、これがブータンでのアマチュア無線の最初の運用で、世界中から注目されたDXペディションでした。


写真11. A52Aを運用した国際チームの面々。前列左からN1DG, N0MJ(W0GJの長男), JA3IG, UA3AB, W3WL, K3VN, W0GJ、後列左からRA3AUU, JF1IST, ON4WW, 9V1YC, K5VT(SK), K4UEE, OH2BU, JA3USAの皆さん


写真12. (左)A52Aが運用されたホテル。(右)A52Aを運用する島本正敬氏

私はこの時、A52USの個人免許も得ていましたが、このコールでのQSOはたった1局だけでした。W0GJ, John Glenn氏はその後、ブータンの当局に免許制度やアマチュア無線家の養成などをアドバイスされるなど、ブータンのアマチュア無線の発展に貢献されました。(2022年5月記)」


写真13. (左)A52USを運用中の島本正敬氏と、(右)そのQSLカード。


写真14.(左)A52Aのチームへの免許状と、(右)A52USの島本正敬氏への免許状。

2000年 (タイランド E27SEA)

JA3AER筆者はこの年、タイでE27SEAを運用した記録を残していた(写真15~16)。「2000年11月17日から3日間、タイのパタヤで開かれた第28回SEANETコンベンションに参加しました。タイでの参加は1988年以来の12年ぶりで懐かしく、多くの旧友ともアイボールQSOが出来ましたが、約180人の参加者の多さに驚きました。2日目の晩餐会では、恒例になった国別の出し物で盛り上がりました。日本のグループは舞台に整列して「北国の春」を合唱し、会場から拍手喝采を浴びました。


写真15. 晩餐会の舞台で「北国の春」を合唱する日本のグループ。

コンベンションの会場になったホテルの一室には、特別記念局E27SEAが設置されていましたので、約1時間運用させて頂きました。使用したリグはIC-781で、アンテナは屋上に設置されたHB9CVのトライバンダーでしたが、21MHzと14MHzのSSBでJAを中心に約40局とQSOすることが出来ました。QSLカードはJA0AD小林勇氏が寄贈され、QSLマネジャーも引き受けられました。(2000年11月記)」


写真16. (左)E27SEAを運用中の筆者とHS0GBI, Cyさん。(右)JA0AD小林勇氏寄贈のQSLカードの表と裏。

2000年 (西マレーシア 9M2KE)

JA3AER筆者は、1998年にシャープ株式会社を定年退職後、同社の人材開発センターの非常勤講師として4年間勤務し、マレーシアに幾つかある関係会社の社員研修に出かける事が多かったので、その機会に現地のハムを訪ねることもあり、2000年11月の記録を残していました(写真17及び18)。「2000年11月1日、マレーシアのペナン近郊に出張した際、現地で活躍中の9M2XA児玉真一氏の案内で、9M2KE河野俊一氏のシャックを訪問し、1時間足らずの短い時間でしたが、9M2KE局を21MHzのSSBでゲストオペさせて頂き、約30局とQSOしました。


写真17. (左)9M2KE局でゲストオペするJA3AER筆者、後は左から9M2XA児玉真一氏と9M2KE河野俊一氏。
(右)ジョージタウンのオリエンタル海鮮食堂にて、前列左から、9M2XA児玉真一氏、9M2KE河野俊一氏、後列左からSWL島田豊氏、JA3AER筆者。

QSLカードの発行は河野氏に依頼しましたが、QSOできたJA1UNLやJA8DBUからは、JA3AER宛にもQSLカードが届きました。(2002年1月記)」


写真18. (上)JA3AER筆者宛に届いたJA1UNL金子博氏のQSLカードの表と裏。
(下)同じくJA3AER筆者宛に届いたJA8DBU立川孝二氏のQSLカードの表と裏。

2000年 (シンガポール 9V1DJ)

JA3KAB島津清孝氏は、シンガポールで9V1DJの免許を得て運用したと、アンケートでその状況を詳しくレポートしてくれた(写真19~21)。「免許条件: 海外の有効な免許(日本の場合は従免及び局免の英訳文)で、CWのスピードが50字/分以上が証明される事(2アマの場合、JARL等による証明が必要)。3ケ月以上居留の条件は1999年に撤廃された。賃貸住宅の場合、アンテナ設置に対する家主の承認が必要。集合住宅の場合、管理組合の承認が必要です。これが大抵の外国人の場合のハードルになる。私の場合は8ケ月を要した。家を探す時とき、これらを条件に、周旋屋に探して貰うのがベストと思います。


写真19. 島津清孝氏がご自身で、シンガポールの国花バンダ(蘭の一種)とマーライオンをデザインして作られた、9V1DJのQSLカード。

免許取得方法: 先ず使用するトランシーバーを申請書と共にIDA(Info-Communications Development Authority)に提出し、Type Approvalを取得する。英文の取説かそれに代わるもの、ブロックダイヤグラム、仕様書などの添付が必要。Approvalまで3週間程度は必要。50MHzは原則として対象外、送信周波数帯がアマチュアバンドより余りに広がったものは許可にならない。144MHz, 430MHz帯は10Wまでしか認められない。HFはCWが150W以下、SSBはPEPで400W以下とされているが、100W以上が許可された例は、極特殊なケースに限られている。この後、Station Licenceを申請する。この時従免、局免の英訳文、家主等の承認状も必要になります。最近は、IDAのホームページで、オンライン申請も出来る様になっている。申請が受理されると落成検査があり、それに合格すると免許状が発行されます。


写真20. (左)9V1DJ島津清孝氏の免許状と、(右)その免許手数料の領収書。

運用状況: マンションの19階から釣竿に電線を沿わせたロングワイヤー(5m)アンテナを出しています。主に21MHz, 18MHzです。使っていない時は、釣り竿を縮めてベランダの中に収まるようにしています。リグはIC-706mkⅡGで、50Wです。電源、アンテナチューナーと共に、日本から持って行きました。50MHzは対象外のため、144, 430MHzはパワーオーバーのため、それぞれ使用を断念しています。50MHzは、HFのLPFで、144,430はダミーロード直結しDisableにする事により、HFトランシーバーとして、Type Approvalされました。地上高とシンガポールの珍しさのためか、比較的によく拾ってもらっています。これまであまり空に熱心には出ていなかったのですが、今回は私にすればかなりアクティブにQRVしており、開局8ケ月で約2,500 QSOとなりました。サンスポットMaxも影響しているかも知れませんが、ライセンスがアンテナ承認の件で難産であった反動かも知れませんHi。シンガポールは近隣国に比べてどういうわけか電波の飛びが良くないと言われていますが、私に取っては、南北米、アフリカ、欧州など多くのカントリーとQSO出来る素晴らしいチャンスであったと思います。


写真21. (左)9V1DJ島津清孝氏のシャックと、(右)そのベランダの釣竿アンテナ。

その他: 50MHzは特例としてスポット周波数、50W以下、期限限定で許可される例が出ています。私も先に延べたオンライン申請中です。モービルは10W以下でライセンスが数局出ています。私はElecraftのK2電池装備で10Wポータブルの認可を貰いました。HFポータブルでは初めてではないかと思っています。しかしシンガポールには高い山が無く、移動運用もまだそれほどの結果を得ていませんHi。(2000年7月記)」

「あの人は今(第43回)」JR2PAU永山智士氏

今月号の香港の項で紹介したJR2PAU永山智士氏は、現在愛知県瀬戸市からアクティブにQRVしておられますが、その永山氏から近況を知らせて頂きましたので、ここに紹介します(写真22~25)。「2005年夏に香港から帰国、定年退職して暫くは上海に半年ほど語学留学、半分遊びでリタイヤ生活にソフトランディングし、2006年春からアンテナタワーの整備に取りかかりました。クランクアップタワーのステンレス製ワイヤロープとモーターのプーリベルトを新品に変えました。アンテナは20m用の4エレ八木フルサイズはそのまま残し、トップに上がっていた4エレトライバンダーを3エレに変え、中間に新しく18/24MHz用のHB9CV 2エレを上げました。香港赴任前にやりかけていたDXCC HONOR ROLLへのDXハンティングが毎日の主なる運用でした。幸い新しく上げたアンテナにより、K1Nと18MHz, CWで331番目のエンティティ交信が成立した時は感激でした。一方この時ほど200Wの非力を感じたことはありません。これまで此処は住宅密集地だからkWは不可能だと諦めていた自分に火がつきました。英国の免許で一級アマチュア無線技師相当の局免許が下りるかも知れませんが、友達にも勧められ、73歳のチャレンジで日本の試験を受けました。心配していた周辺住宅への電波障害試験も問題なくクリヤしました。やらないで諦めてはいけないと痛感しました。5 BAND DXCCも80mバンドを除いて出来ていたので、以前に上げていたスローパーアンテナを復活させ、残り40余エンティティをCWとFT8で穴埋めして完成、WARCバンドの18/24MHzは DXCCを完成していたので、新たに30mバンドスローパーを上げてDXCCを完成させました。今はFT8があるので、以前と比べて楽になりました。WAZ等のアワードは自ずと3 Modesで完成していました。

最近はDXCC等のアワードから解放され、ゆっくりと無線を楽しんでいますが、日曜日は少し忙しく、朝7時から15m及び20mのJANETで海外在住の日本人を始め、海外から帰国され日本で無線を楽しんでいる多くの友人達と交信できるのが何よりも楽しみです。JANETのサポートとしてZOOMを使っており、友人の顔を見ながら交信するのはとてもリアルです。更に、夕方5時からドイツ在住の日本の方々とのJAIGネットは、主に21MHzで交信した後、6時からドイツのリフレクターを使ったD-STARネットにも参加しています。リフレクターを使った交信はハムらしくなく、QSBやQRNがなくいつも59です。正確にはVoIP無線と呼ばれる通信システムで、交信相手との通信経路にインターネットを使い、スマホをPC代わりにして移動運用も可能です。最近のもう一つの楽しみは矢張り電離層を使った昔ながらのHFでの交信です。Arizona, Utah, Nevadaなどに固定的友人ができ、毎日14/21MHzそして7MHzとバンドを変えながら、一日中どこかでラグチューしています。コロナ禍で家にいることが多かったこの3年間、良い趣味だとつくづく思いました。


写真22. (左)最近のJR2PAU永山智士氏のシャックと、(右)そのアンテナ群。

自宅のシャックを離れた無線活動としては、2016年1月10日、11年ぶりに香港に戻り、友人のCharlieと再会、彼のシャックVR2XMTを訪問しました。彼のシャックから21MHz, SSBでVR2ANとして80分間運用し、JAを含む90局と交信しました。


写真23. (左)VR2XMTのシャックにて、前からVR2AN永山智士氏、VR2XMT, Charlieさん、VR2XRW, Loganさん。(右上)VR2XMTのアンテナ。(右下)VR2AN永山智士氏のQSLカード。

2019年6月にイタリアを訪問した折、マルコーニ博物館を訪問しました。博物館は案内人と一緒に回ることになっていますが、回る前に案内人から、記念局IY4FGMを開けてあるから先に行ってきたら、と言われビッグサプライズでした。予約時にM0PAUの免許証のコピーを送ったのが良かったのか、記念局IY4FGMを運用する機会を得ました。JAとは残念ながらパスが無かったものの、EU圏内とCWで数局交信出来たのは良い思い出です。


写真24. (左)JANETのTシャツを着てIY4FGMを運用するJR2PAU永山智士氏。(右)IY4FGMのQSLカード。

マルコーニ博物館訪問後、氷河鉄道に乗ってマッターホルン見学に行きました。展望台からスマホでD-STARリフレクターDCSを使って、ドイツと千葉のJAIGメンバーと交信できました事は、流石VoIPデジタル通信と感心しました。周りにいた観光客もスマホでハムができるのかと驚いていました。一方国内では、年に2~3回ローカルのハムに誘われ、高山市荘川村山頂にあるビッグステーションJH2ZYYを運用しています。海抜1,000mの所に、20mバンドは30mH自立タワーに5エレフルサイズ八木アンテナ、そして40mバンドは、30mHクランクアップタワーに4エレフルサイズ八木アンテナ、これにkWはさすがによく飛びます。また山頂では何もノイズがなく信号のみ聞こえるのは快適です。(2022年10月記)」


写真25. (左)マッターホルン見学の旅で、展望台からスマホでD-STARを運用するJR2PAU永山智士氏。
(右)JH2ZYYの無線小屋とアンテナ群。

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